​ ダロール火山の下に塩湖(写真)が見えたのは、幸運だった。後で、僕らは塩湖に行くが、ずっと乾燥していたら、塩湖など出現しなかっただろう。​

 


 

カラカラの乾燥地​

 その塩湖の向こうに広がる山並みは、おそらくアビシニア高原の先端だ。

 何かで読んだが、海面下100メートルの低地で、しかも乾燥していて草木が1本も生えていないので、ここはマスクをしないと吸気で喉が焼けるほどの暑さになるという。

 こんな地獄のような所では、隣国のソマリアなどからテロリストもやって来られまい。

 ただ僕らが行った時は、それほどの暑さを感じなかった。塩湖が出来ていたことから考え、乾季の間ながら束の間の降雨があったのだろう。
 

自然による岩塩の造形​

 僕たちは、ダロール火山を下りきった。

​ どこへ行くのだろう、迷彩服のエチオピア軍兵士を先導に、アファール族現地ガイド氏とアディスアベバからずっと一緒に来てくれたガイド氏が僕たちを誘う(写真)。​

 

 

​ そして突然、目に入ってきたのは、白い造形だった(写真)。​

 

 

 

 ここに人工物などあるはずはないから、自然の造形なのだろう。おそらく小規模な地殻変動で岩塩層が持ち上げられ、地上に露出した岩塩が長期間の風化作用で、このような造形を造ったのだろう。
 

アメリカ西部の「ビュート」のよう​

 最初に観た光景は、行ったことはないが、テレビなどで観たことのあるトルコのカッパドキア的景観である。あそこは砂岩が削り出されたものだが、ここは岩塩である。

​ 次に眼前に展開されたのは、さらに大規模で、アメリカ西部のビュート(孤立丘)を連想させるものだった(写真)。​

 

 

​ ビュートで有名なのは、西部劇映画でもおなじみのモニュメント・バレーである(写真)。また同じ西部のチャコ・キャニオンの案内塔のような役割をしているファハダ・ビュートも著名だ。いずれも1度だけ、観たことがある。​

 


 

世界でも珍しい? 硬い岩塩の造形​

 モニュメント・バレーよりははるかに規模は劣るが、硬い岩塩をこうして削り出した造形は、世界でも珍しいのではないか。

 それにしても岩のように硬い岩塩をこのように造形するのだから、おそらく万年単位の時間が経過しているのだろう。

 僕らは、ただうなるばかりであった。


昨年の今日の日記:「世界は3回目接種に動き出した;日本の民間病院の強欲と社会的責任回避に怒りの抗議」