​ ちょっと可愛いヒグマの仔の標本(写真)が来館者を迎えてくれた先に、本日、最大の期待の的が待っていた。​

 


 

日本最初の恐竜ニッポノサウルスの全身骨格模型​

​ 戦前に日本領だった南樺太川上村で1934年に発見されたニッポノサウルス骨格模型である(写真)。ニッポノサウルスは、日本で初めて見つかった恐竜なのだ。幼体と見られる。​

 

 

 ハドロサウルス科に属するこのニッポノサウルス個体の体長は約4メートル。今でこそ、北海道むかわ町で全長8メートルにもなるほぼ完全なむかわ竜骨格が発掘されているが、以前は断片的な化石ばかりで、全身の60%が回収されたこの化石は、貴重な恐竜標本だった。

 戦前の樺太には大学がなかったので、北海道帝国大学が化石を引き取り、同大学教授の長尾巧が研究し、同大に収蔵された。樺太に置いておけば、ソ連の、そして今のロシアのものになっていた。
 

絶滅水生哺乳類デスモスチルス骨格模型​

​ この他、ここには恐竜ではないが、絶滅水生哺乳類の全長2.8メートルのデスモスチルス化石模型(写真)も展示されている。​

 

 

 年代ははっきりしないようだが、これも戦前に南樺太の毛屯(けとん)で世界で初めて全身骨格を発見された。やはり北海道帝国大学長尾巧が研究した。

 ニッポノサウルスとデスモスチルスは、北海道大学が誇る重要化石で、それだけに別格として全身骨格模型が展示されているのも頷けるのだ。

 あとはとりたててここで紹介するほどの展示品はない。
 

カフェを横目に先を急ぐ​

 1階に降りると、入り口近くにカフェがあった。一休みしたいところだが、まだ行くところがあった。足早に、博物館を出た。

 時間は4時半。滞在は1時間ちょっとだった。


昨年の今日の日記:「海の嫌われ者オニヒトデから見つけた遺伝子の作る蛋白質の不活性化が陸上動物の繁栄をもたらした」