ウクライナに空陸から一方的に攻め込んだならず者国家ロシアは、しかしウクライナ軍の抵抗で、思うような前進を阻まれている。
 

ウクライナ、国民意識が高まる​

 27日にはロシア侵略軍は、東部にあるウクライナ第2の都市ハリコフに侵入したが、占領は一部に留まり、ウクライナ軍の反撃で撃退されている。

 ウクライナ軍の士気は高く、また侵略前にNATOの供与した数千発もの対戦車ミサイルと地対空ミサイルが、ロシア侵略軍の戦車と戦闘機・ヘリを破壊しているようだ(写真=破壊されて放棄されたロシア侵略軍の戦闘車両、26日、ハリコフで)。伝えられるところでは、侵略してきたロシア軍は大きな損害を被っているという。

 

 

 これは、おそらくプーチンの想定外の戦況だろう。プーチンが恐れるのは、戦争が泥沼化し、ロシア国内で反戦の世論が高まり、撤退に追い込まれることだ。

 ウクライナ独立から30年余。予想外のウクライナの国民国家化への驚きだろう。

 ウクライナが自分たちの国だと意識し、自分はロシア人ではなく、ウクライナ人だという愛国心の高まりの例は、多数、報道されている。
 

侵略軍装甲車列の前に立ちはだかる人も​

 ウクライナの戦乱から逃れポーランドに逃げ込む難民がいる一方、逆にポーランドから東に、ウクライナに戻る若者たちがいる。出稼ぎに出ていたウクライナ人で、祖国防衛に参加するためだ。気高い精神に、脱帽する。

​ 一方、国内に留まる女性たちの中には、火炎瓶を自製する女性たちがいる。戦車が来たら、それで戦うつもりなのだ(写真)。25日から、ネットで「火炎瓶、作り方」の言葉の検索回数が急増している​。

 

 

 

​ また進撃するロシア侵略軍の装甲車列の前に立ちはだかる人もいる(写真)。​

 

 

​ さらに25日には、ウクライナ軍兵士(写真)が、ロシア侵略軍の戦車の進撃を防ぐために橋で自爆するという傷ましくも英雄的な出来事もあった。この英雄的行為により、ロシア侵略軍の進撃は顕著に遅れている。​

 

 

 ちなみに日本が侵略されたら、日本人はこれほど侵略者たちに抵抗できるだろうか。


ベルリンで10万人超​

 国際社会も、ロシア非難・ウクライナ支援のデモ・集会が各地で開かれている。

​ 27日には隣国のドイツ、ベルリンで10万人を超える市民が集まり、ウクライナ支援、ロシアは出て行け、と叫び、ウクライナへの連帯を示した(写真)。​

 

 

 またスペインのマドリッドでは4万人が反侵略集会に集まり、「プーチンはウクライナから出て行け」などと訴えた。1968年にソ連軍の戦車に侵略されたチェコのプラハでは、7万人が反侵略を訴えた。

 プーチンのお膝元のロシアでも、サンクトペチェルブールクなど各地で数千人がデモに参加した。NGOの情報として、全土で2000人以上の参加者が当局に拘束されたと伝えている。


日本でも反侵略の大規模集会​

 平和ボケの感のある日本でも、さすがにこの非道を許せないと、渋谷などでは在日ウクライナ人、在日ロシア人を含め、数千人規模の反侵略の集会が開かれた。反侵略集会は、厳冬の札幌でも数百人規模で開かれた。

 ウクライナの国民よ、世界はあなたたちと共にあり、ロシアの非道は決して許さないことを誓っている。勇気をもって、侵略に立ち向かって欲しい。そして輝かしい勝利の日を!


昨年の今日の日記:「カリブ海地域への2段階の植民と人口推計、コロンブスが滅ぼしたカリブ海地域先住民の歴史を探る」