今シーズン最後の活きズワイガニを食べた。例年より早い訪れの春の某日、赤坂のNという日本料理店に行った。
初めての松葉ガニも美味
越前ガニではなく、今回は同じズワイガニでも産地が鳥取の松葉ガニである。ちなみに越前ガニも松葉ガニも同一種で、正式和名がズワイガニである。産地による違いだけだ。いずれも漁期は、3月20日までなので、活きズワイガニが食べられるのは、あと数日というギリギリのタイミングだった。
越前ガニはこれまで何度も食べており、今シーズンも昨年12月に青山の福井・三国温泉にある「望洋楼」に食べに行った(20年12月8日付日記:「冬の味覚、越前ガニの大物『献上ガニ』を食べる、『極』には及ばないものの、せいこガニと共に堪能する」を参照)。だが松葉ガニは初めての食体験となる。結果的には、当然ながら味は全く一緒、美味であった。
通された座敷で目の前でさばく
僕の訪れたNでは、通された座敷で、脚を動かす生きた松葉ガニを目の前で板さんがさばいて調理してくれる(写真)。調理場で出来たものを仲居さんが運んでくるのではない。これには、驚き、かつ感動した。
カニは、見た感じは望洋楼で食べた越前ガニとほぼ同じくらいの大きさだった(写真)。
板さんは、生きた松葉ガニを僕たちに見せると、豪快に脚を取り、そして片側の殻を剥いでいく。見るからに切れそうな包丁さばきは、ほれぼれするほど。
食べたのはフルコースで、まずダシにつけたカニ刺し(写真=望洋楼で食べるカニ刺しは何も処理しない生を食べるが、ここではダシに5分ほど浸してさらに旨味を出す)、焼きガニ、茹でガニ……と行く。
汁が飛び散らず汚れない
いずれも目の前で調理してくれたものを、仲居さんがテーブルに持ってきてくれる。片側の殻は、すでに剥がれ取られているので、中の身を木の小さなスプーンで掬って食べる。
自分で脚を開けないで済むので、手が汚れず、また服にも汁が飛ばない。カニで一番困るのは、食べる時に汁が飛び散り、服が臭くなりやすいことだ。三国温泉の望洋楼で食べる時は、料理旅館なので、寝間着になって食べるから、服は汚れない。
なるほど、こうしてくれると、日中でも普通の服で食べられる。
カニ味噌と身は皿に盛って
カニ味噌は、甲羅で食べるのではなく、お皿に身と共に盛り付けてくれる(写真)。この時に一番、手が汚れ、かつ汁が飛び散りやすいので、それをお客に?ないように、こんなサービスをしてくれる。
最後は、ダシがたっぷりと出たカニ雑炊でシメ、であった。
今シーズン最後の活きズワイガニを堪能した1日であった。
昨年の今日の日記:「アメリカ大統領選(8):武漢肺炎の追い風受け南部フロリダでバイデン氏圧勝、他2州も制し、指名を確実に;トランプ氏にも武漢肺炎は大逆風」