今年も、世界で様々なことが起こった。明るいニュースもあったが、暗いものもあった。来たるべき2019年を見通すためにも、今年を回顧し、恒例の僕流10大ニュースと番外3つを選んだ。ただこれには、当然に個人的な独断と偏見が混じる。そこはご容赦いただきたい。

 

①10月4日のハドソン研究所でのペンス副大統領講演で、スターリニスト中国への全面的非難写真)。対中政策の歴史的転換=米中新冷戦を宣言し、対中関与政策はこれで終焉となった。このニュースをトップに挙げると、首を傾げる方もいるかもしれないが、米ソ冷戦後のアメリカの対外外交の全面的な転換を画する歴史的な演説である(10月27日付日記:「米中新冷戦の幕開けを告げるペンス副大統領の厳しいスターリニスト中国全面批判」を参照)。

 

 

②米中貿易戦争に突入。トランプ大統領は、対中国輸入の半分に関税を賦課。負けじとスターリニスト中国も即時に同率の関税をかけた。またカナダ、メキシコをも威嚇し、年末に新NAFTAを発足させる。通商面でのトランプ流のアメリカ第1主義が鮮明になった。

 

③6月、米朝初の首脳会談写真)。何事も決まらず、ただの顔見せに終わる。金正恩だけが国際的に顔を売って得をした。トランプ大統領が若造にしてやられた会談。ただし一時的に朝鮮半島の緊張は緩和した。

 

 

④韓国文在寅政権の反日政策露骨に。10月30日、旧朝鮮半島出身労働者(いわゆる「徴用工」)による日本企業に賠償を命じた補償請求を文在寅の任命した裁判長の大法院が認める。1965年の日韓請求権協定での合意を破棄する判決。また2015年末の「慰安婦」問題の最終的・不可逆的解決をうたった日韓外相合意も、韓国の支援財団の解散で事実上の白紙化。

 

⑤TPP11が6月29日に参議院で可決・承認、年末の12月30日(明日)に発効。また日本EU-EPAが12月8日、参院で可決・承認、EU議会の承認を待って来年2月1日にも発効。

 

⑥イラン核合意破綻。5月、アメリカがイラン+米英仏独中ロ6カ国と2015年7月に結んだイランの核開発制限の国際合意から一方的に離脱。トランプ政権は、イランへの経済制裁を復活した。

 

⑦11月6日、アメリカ中間選挙。上院で共和党が善戦し、下院でも共和党議席の目減りを最小限に抑える。しかし下院は民主党の過半数制覇を許し、トランプ大統領のロシア疑惑追及が強まる気配。

 

⑧イギリスのEU離脱(ブレグジット)をめぐる混迷、年内打開できず。イギリスのメイ首相はEUとの離脱交渉を数次にわたって続け、11月に円満離脱の交渉が妥結した。しかし年末に保守党内での不信任票が多数出て、来年1月中旬の議会承認も不透明のまま。

 

⑨6月27日、小惑星探査機「はやぶさ2」が遠く微小な小惑星「りゅうぐう」上空20キロに到達写真)。9月21日、探査ローバー2台を地表に向けて投下し、着地に成功。なお本体への着地を探る。東京から小笠原沖のパチンコ玉を狙うようなもので、13年前の小惑星「イトカワ」に到着した探査機「はやぶさ」に続いて日本の優れた管制技術を、示した。12月3日、アメリカのオシリス・レックスも小惑星「ベンヌ」に到着。なおNASAによると、ベンヌは2135年9月22日に地球に衝突する可能性もあるという。

 

 

⑩第2のゴーン・ショック。11月19日、カルロス・ゴーン日産自動車会長ともう1人が有価証券報告書虚偽記載の容疑で東京地検特捜部に逮捕。アライアンスを組むルノーのCEOでもあり、フランスなど、世界に衝撃。年末の21日、特別背任容疑で3度目の逮捕。正月を東京拘置所で過ごすことに。

 

番外
・10月1日、ノーベル生理学・医学賞に本庶佑氏受賞。免疫を抑制する働きを持つ分子「PD-1」を発見に対する功績。
・9月6日、北海道胆振地方東部を震源とする大地震で死者41人。この直後、全道で一斉停電(ブラックアウト)
・10月2日、トルコ、イスタンブールのサウジアラビア総領事館で同国の批判的ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が殺害。後にアメリカのCIAはサウジの若き「独裁者」ムハンマド皇太子が首謀者と断定。

 

昨年の今日の日記:「リブパブリの選んだ2017年の世界10大ニュース」