またしても偏向裁判官によるトンデモ判断である。
 広島市の反原発市民団体が求めていた四国電力の伊方原発3号機(写真=手前が3号機)の差し止めの仮処分を求めていた即時抗告審で、広島高裁(裁判長・野々上友之)が運転を差し止める決定を下したのだ。

 

 

指摘した阿蘇山のAso-4大噴火は第四紀日本でも最大級の超巨大噴火
 決定では、海を隔てた熊本県阿蘇山が史上最大級の大噴火をした場合、安全が確保されないとして、「新規制基準に適合するとした原子力安全規制委の判断は不合理だ」として、四国電力に差し止めを命じた。
 僕が目を疑ったのは、決定の根拠としたのが9万年前の阿蘇山大噴火であることだ(正確には約8万7100年前)。
 阿蘇山は、地層に火砕流堆積物や火山灰層を明瞭に遺すほどの大噴火を、第四紀以降少なくとも4度起こしているが、直近のこの大噴火(Aso-4)は、第四紀日本で起こった最大級の超巨大噴火であった。

 

小惑星が落ちてくる危険でも差し止め理由になる?
 この噴火で排出された火山灰は、約400立方キロメートルほどにのぼり、地を這う火砕流は海を渡って山口県秋吉台まで流走した。その距離は、160キロメートルにもなる()。

 

 

 また遠く北海道まで、日本列島全体に噴火火山灰の降灰が及んだ。確かに巨大噴火であるが、それがはるか大昔であったことを考慮に入れる必要がある。
 またAso-4の前のAso-3の大爆発は約13万年前のことであり、火砕流や火山灰などの火山噴出物はAso-4の4分の1である。つまりAso-4噴火は、めったに起こらない超巨大噴火なのだ。
 それを差し止めの根拠にするなど、この裁判官、頭がおかしいのではないか、と思った。伊方原発に影響を与え得る阿蘇山の破局的大噴火が、原発運転中の40年間に起こる確率は、0に等しいからだ。
 それでも運転停止を求めるなら、何でも難癖をつけ、極端な場合、小惑星の落ちてくる懸念があるという理由だけでも、停止命令を出せるだろう。

 

無人の日本列島で起こった噴火
 Aso-4の巨大噴火が起こった約8万7100年前という時代は、どんな時代か。
 日本列島には、まだヒトがいなかった。ナウマン象やオオツノシカなどの動物だけが棲んでいた。ジャワには、ホモ・エレクトス(ジャワ原人)がいて、オーストラリア大陸も無人の地であった。
 そういう時代に起こった巨大噴火である。それを理由に運転の差し止めを命じるのは、まさに「結論ありき」の偏向判断以外の何物でもないのである。
 四国電力は直ちに同高裁に異議申し立てを行うか、執行停止の手続きをとるべきだ。正常な判事の、適切な判断を求めればよい。

 

昨年の今日の日記:「トランプ次期政権の骨格固まる、親ロシア・プロビジネスであることが明瞭に」