動揺する韓国大統領の文在寅は、内外で二進も三進も行かなくなっている。
外では、大統領選の公約で、当選後も必ず口にしてきた対北朝鮮との対話路線は、北朝鮮ならず者集団の相次ぐミサイル発射と水爆実験で、完全に破綻した。
そうかと思えば、国連安保理制第9次裁決議の後、国連総会で各国首脳から北朝鮮ならず者集団へ非難の放火を浴びる中の21日、文在寅政権は国際機関を通じて北朝鮮に計800万ドル(約9億円)の人道支援を行うと発表し、メディアと保守系市民からの批判を受けている。
左に右に動揺を繰り返す反日文在寅
そもそもそれ以前から、対北朝鮮へなされた様々な「対話」の呼びかけは金正恩から無視され続けている(17年7月30日付日記:「韓国の従北派大統領、文在寅、北朝鮮ならず者集団への必死のすり寄りも無視され、惨め;北朝鮮、またもICBM発射」を参照)。
昨日の日記でも述べたが、いわゆる「徴用工」問題でも、自身のイデオロギーを貫けず、結局は「日本への請求権無し」と元に戻り、国内の反日左派から反発をかった。
「市民団体」と自称する様々な反日左派グループが、従北派の文在寅を大統領職に就けたため、文在寅は無理筋と分かっても、彼らと手を切れない。だから、動揺を繰り返す。
しかも韓国では、憲法より上に立つという「国民情緒法」という成分法にもない最高法規があるとされているから、なおさらだ。「国民情緒法」という目に見えない「法規」で、時の警察も司法も行動を縛られる。
「徴用工」像の違法建設も放任
2年前の日韓外相交渉で決着したはずの日本大使館前の公道に違法に設置された「慰安婦」像もがいまだに撤去されていないのもそれだし、先に韓国最大の財閥サムスンの実質的トップの李在鎔に懲役5年の実刑判決を出したのも同じだ。国民が財閥に嫌悪感を持っているから(そのくせ自分や子弟は、サムスンに入社させたいと誰もが願っている)、罪状認定もいいかげんで、実刑を科した。
先の「徴用工」問題では、自称「市民団体」が、ソウル中心街の竜山駅前広場に徴用工像(写真)を勝手に建てた。駅前広場は国有地であり、ここへの建設は違法である。
管理する鉄道施設公団は、建てた「市民団体」に8月末までの撤去要請文を送ったが、当然に無視され、今もそこにある。日本なら、外交問題になりかねないとして法廷に撤去の仮処分を申請し、強制撤去するだろう。
「徴用工」像建てた過激左派労組は日本の過激派中核派とも連携
実はこの像を建てたのは、従北派で過激な左派労組とされる民主労総(全国民主労働組合総連合)など2団体だ。民主労総は、保守政権時代、過激な労組活動を行い、しばしばストを打ち、生産活動を妨害する。
この姿勢は筋金入りだ。
そのため、日本の過激派中核派と友好的に交流している。中核派の機関紙「前進」にはしばしば自派の動労千葉の活動と共に民主労総の活動やアピールが掲載される。
それどころか、互いに日韓間を往来して交流している。例えば昨年11月、ソウル市街を埋め尽くした朴槿恵大統領弾劾集会に、中核派は動労千葉などの身分で参加している(写真)。
来日し中核派の集会でも挨拶する民主労総
民主労総も負けていない。昨年11月6日、中核派が企画した全国労働者総決起集会(日比谷野外音楽堂)では、韓国から民主労総の代表35人が来日し、壇上で「朴槿恵と安倍を倒せ」と気勢を上げた(写真)。
ちなみに民主労総は、中核派のようなちっぽけな団体ではない。組合員約70万人を抱える韓国の第2のナショナルセンター(全国組合組織)である。加盟労組員トップの労使協調路線を採る韓国労総(韓国労働組合総連盟)が約80万人であることを考えれば、左派の民主労総の影響力は大きい。
こんな連中が支えている文在寅政権なのだ。
少なくとも文在寅が大統領でいる限り、日韓友好などあり得ないだろう。
昨年の今日の日記:「エチオピア紀行(70):安全のためのガードすら無い、足もとツルツルの岩の教会;追記 ノーベル賞候補に日本人」