スターリニスト中国の金で買う外交の一端が明らかになった。
 25日、アメリカ、ブルームバーグ通信や台湾紙が報じたところによると、スターリニスト中国が民主台湾と外交関係のある西アフリカのブルキナファソ(写真=ブルキナファソの首都ワガドゥグ)に対し、500億ドル(5兆7000億円)の供与する見返りに台湾との断交と中国との復交を持ちかけていた。

 

 

サントーメ・プリンシペに次いで
 スターリニスト中国は、トランプ氏が大統領選の当選直後の12月初め、民主台湾の蔡英文総統と電話会談し、またツイッターでアメリカ政府が長年維持してきた「1つの中国」政策を必ずしも堅持する必要はないと述べたことに危機感を抱き、蔡英文総統の台湾に圧力をかけるために、世界でまだわずかに残るアフリカや中南米の、台湾と国交を結ぶ国の切り崩しに動いている。
 例えば12月21日、台湾外交部(外務省)は、西アフリカ沖の島国サントメ・プリンシペとの外交関係を終結したと発表し、それを待っていたかのように26日、スターリニスト中国は、サントメ・プリンシペとの外交関係を回復している。

 

アフリカで台湾と国交を持つのはあと2カ国
 面積わずか964平方キロ、人口16.3万という小国で資源もない島国のサントーメ・プリンシペ(写真=同国の唯一の観光資源である主島サントメ島の高さ2024メートルのピコ山)は、台湾に200億ドルの資金援助を要求し、台湾はその陰にスターリニスト中国がいると察知し、要求を拒絶している。

 


 スターリニスト中国は、国際社会に何の影響力も持たないが、国連加盟国である同国を、数を増やすために「買収」したと見られる。
 同国の台湾との断交・スターリニスト中国との復交で、アフリカ諸国で台湾と外交関係を持つ国はブルキナファソとスワジランドだけ、となっていた(全世界で21カ国)。
 そのただ2カ国にも、「買収」攻勢をかけていたわけだ。

 

ブルキナファソは残り2カ国の1つ
 ブルームバーグ通信によると、ブルキナファソのバリー外相は、「台湾は我々の友人であり、(金銭供与で)外交関係を見直すことはない」と語ったという。
 まさにスターリニスト中国らしい「汚い外交」である。
 奴らの次の標的は、南アフリカとモザンビークに囲まれた内陸小国スワジランドだろうが、同国も気高くスターリニストの「買収」を断固拒否してほしい、と願う。
 なお今月22日付日記:「バチカン、フランシスコ教皇の共産党中国との危険な『和解』を憂える;香港の陳日君・枢機卿の深まる苦悩に共感」で触れたバチカンへの接近も、その一環の可能性がある。

 

昨年の今日の日記:エチオピア旅行のため休載