トランプ相場は、留まるところを知らない。週末9日のニューヨーク株式市場(写真)は、ダウ平均株価は5日続けて最高値を更新、未踏の2万ドルまであと244ドルと、指呼の間に捕らえた。為替も、ドルが買われ、1ドル=115円台半ば近くの円安となった。

 

 

まだ「懐疑の中で育つ」過程か?
 東京市場がこれを織り込む週明けの12日には、1万9000円台の回復は確実な情勢となった。この勢いでは、誰も夢想だにしなかった年内2万円台回復も視野に収まる。
 半月前の11月25日付日記で、アメリカの著名投資家ジョン・テンプルトンの有名な言葉「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」を引いた時、僕は「分からない」とは言ったが、密かに第3段階の峠を越したか、と危ぶんでいた。
 しかしその前日の日経平均終値1万8333円から、週末まで700円弱も上げている。
 ひょっとすると、まだ第2段階「懐疑の中で育つ」過程にあるのではないか?
 まさに数年に1度、2012年11月の衆院解散で安倍自民党政権誕生が確実になってから始まったアベノミクス大相場以来の相場に育ちそうだ。
 本当に相場とは分からない。

 

トランプ相場に乗り遅れた機関投資家は頭を抱える
 みんな大喜び、年の瀬に贈られるボーナスとクリスマスプレゼントが1度に贈られたようなものだろうと思うが、世の中、そうも行かない。
 日本の機関投資家、特にアクティブ投信の運用者などの機関投資家は、この大相場に乗り遅れ、ベンチマークのTOPIXにはるかに劣後して真っ青になっているという。日本の機関投資家は、しょせんサラリーマンなので、相場観も主体性も持たず、常に「みんなで渡れば怖くない」という集団行動である。百戦錬磨の外国人投資家に、いつもやられている。今回も、全く同じパターンだ。
 さらにこんなに上がるはずはない、と思って空売りを積み上げた売り方は、損失が拡大し、厳しい踏み上げを強いられ、生きた心地もしないともいう。

 

サラリーパースンDCの含み損もあらかた解消か
 前にも述べたが、トランプ相場に積極的に参戦していなかった僕は、じっと静観で、それでも含み損が日々、消えていくことに喜んでいる。
 前に飲み会で、別の会社に勤めている女子が、「確定拠出年金(DC)に損が出て、いやんなっちゃう」と、ぼやいていたが、僕は、確定拠出年金は老後に受け取るもので、今が問題ではない、長い目で見れば必ず報われるから、今は忘れていて、となだめたものだが、そのぼやき女子も、現在は一気に含み益になってホクホクではないか。
 月々決まった額を拠出していくDCでは、投信ならドルコスト法で積み立てていくことになるので、最も賢い運用法なのだ。
 良い正月を迎えられそうである。

 

またぞろ解散風?
 臨時国会も最終盤で、永田町にまたぞろ解散風が吹き始めたという。TPPを承認し、年金制度改革関連法案と統合リゾート法案に目処がつき、安倍首相と与党の支持率は高い。年末には真珠湾の慰霊訪問があり、これも支持率を押し上げる。
 そして、この株高である。これは、明らかに与党に追い風だ。
 トランプ相場は、日本の政局にも影響を及ぼしている、と言えそうだ。

 

昨年の今日の日記:「中国初のノーベル賞理系3賞受賞の屠呦呦氏、今年の院士発表からも外れる;追記 ベネズエラ総選挙結果確定」