ラリベラ岩窟教会群の最大の岩の教会である聖救世主教会の中を参観した。

 

うずくまった人にぶつかるほど暗い
 司教らしき人がいたが、通常のカトリック教会などでは司教様は教会に付属する私室で暮らす。だいたい老齢のシスターが、食事などの世話をしてくれる。もちろん自分でなさる司祭も多い。
 エチオピア正教のここ岩窟教会では、司祭は岩窟教会内で暮らしているのだろうか。居住環境は最悪だが、それも神へのお仕えとすればあるのかもしれない。
 わずかに空いた窓から光が差し込むが、ともかく暗い。どこの岩窟教会であったか覚えていないが、あまりに暗いので、中でうずくまっていた信者さんかシスターか痩せた女性に脚がぶつかった。

 

外から見ると美しい聖マリア教会へ
 外に出ると、小ぶりの聖マリア教会に出た。これも、外から見ると美しい(写真)。

 

 

 次は、この教会の参観である。「教会セット」は基本的に使い捨てなので、また新たなキャップを出し、入り口で靴下の上から履く。
 中は、やはり観光客が立ち入れない神域があり、その前に鮮やかな聖母子像が飾られている。
 1枚は、初期ピカソのような絵で、マリア様の顔はかなりデフォルメされているが、肌の色は浅黒く、また幼子イエスや天使はまさにアフロスタイルの髪であり、マリア様初め、すべてがまん丸い目をしている(写真)。芸術作品とみれば、なかなかの秀作である。

 

 

2枚の聖母子像の様式に大きな違い
 様式から考え、この聖画は、おそらくヨーロッパ人とあまり接触しない、だいぶ昔に描かれたのではないか。
 この写真の聖画の背後にうっすらと見える別の聖母子像のマリア様と幼子イエスの顔とは、大きな違いを見せている(写真)。こちらは誰が見ても、白人の顔であり、様式も近代的だ。隅の天使も、ヨーロッパ的だ。髪も目も、前者とは全く違う。

 

 

3枚目のマリア様もイエスもまさにエチオピア人
 さらに驚かされるのは、もう1枚の聖母子像である。これは、オーソドックスなエチオピア人の顔をしている。マリア様も幼子イエスも、まさにエチオピア人だ(写真)。これも、エチオピア正教に伝統的である。

 


 来歴など全く分からないが、ヨーロッパ風の聖母子像は、イタリア占領時に描かれたものであろうか。

 

昨年の今日の日記:「中国、国慶節前日の爆弾テロに加え、8月の天津大爆発『事故』にテロ説」