小銭入れをズボンの尻ポケットに入れておくのが僕の習いだけど、最近、取り出す機会がめっきり少なくなくなった。

 

現金のほとんど要らない日々
 電車に乗る時は、地下鉄もJRもオートチャージ機能付きのPASMOで用が足りる。それだけでなく、コンビニやファースフードなどの支払いも、これで済む。もっと進歩した人は、スマホで支払いを済ませる人も増えた。
 一方で、大きな買い物でも現金を持って行かない。レストランの支払いも、クレジットカードで済ませられる。この1月にエチオピアに行ったけれど、旅行社への支払い100万弱もこれで済ました。振込料金もかからないし、カードのポイントが付く。

 

世界的に流通しない通貨は必要なくなる?
 キャッシュレスの支払いというトレンドが進むと、いずれ中央銀行である日銀は、紙幣を発行しなくなるかもしれない。発行しても、極めて限定的な場でしか使われないだろうから、発行量は激減することになろう。
 ドル紙幣が世界通貨として、あらゆる国で流通するドルは(国家によってはドルがその国の通貨になっている)、アメリカの主要12州にある連邦準備銀行が発行しているが、さすがになくなることはないだろう。
 しかし世界的に流通しない通貨なら、そのうち無くなるかもしれない。
 この3月、イギリス中銀のイングランド銀行のブロードベンド副総裁は、「中銀が発行する電子通貨は、どう創るべきか」と講演して、世界の関係者の注目を集めた。かつて7つの海を支配した時代のポンドなら世界各地で流通していたが、今やヨーロッパの世界的通貨はユーロに地位を奪われ、ポンドはイギリス国内でしか広くは流通していない。

 

イギリスや韓国などの中銀でビットコイン的な電子通貨の研究開始
 中銀の信用に裏付けられた、ビットコインのような電子通貨を創設する研究が、イングランド銀行で進められているというのだ。韓国なども、中銀が電子通貨の研究をしているという。
 我が国の日銀(写真)は、まだ公的には研究を始めていないようだ。しかし関心は、もたれているという。

 


 いずれ円紙幣・硬貨のなくなる時代が来るのか。いや老人用に、細々と流通するくらいか。
 でもそうなったら、オレオレ詐欺は根絶されるかもしれない。自分の息子や孫の声すら認識できない半呆けの老人には、大金を電子通貨で払うことなどできない相談だからだ。

 

昨年の今日の日記:「僕とスターリン主義=現代共産主義、その関わりと私的感想」