参院選直後とあって、東京都知事選、盛り上がりに欠けるようだが、有力3候補(小池百合子、鳥越俊太郎、増田寛也の3氏)のうち序盤は、この順で優勢なようだ。

高齢・過去の病歴の他に
 本日は、民進党、共産党など4野党が担ぐ鳥越俊太郎について、批判的に述べたい。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを準備し、財政規模などでは世界のトップクラスの巨大都市の候補として、明らかに適性を欠いていると思うからだ。知名度だけを最優先にした立候補と批判するしかない。
 76歳という高齢に加え、過去に4度にわたって癌の手術を受けたことは既に広く知れ渡っている。それだけでも、酷暑中の選挙戦を乗り切れかという懸念は十分だが、さらにメンタル面での不安感も台頭している。別に鳥越個人を心配しているわけではないが、当選した場合、職務を遂行できるのか、と懸念を抱くからだ。

出生率全国最低を「他より高い」と堂々と間違えるお粗末
 たまたま職場でつけていたテレビで、12日の出馬表明記者会見を横目に見ながらで仕事をしていた時、呆れた発言を耳にした。
 この記者会見で鳥越は、東京都の出生率が「他のところよりは高い、1.4前後」と発言した。僕は耳を疑った。地価と住宅費の高さと物価高などから、東京都の出生率は全国最低だと認識していたので、自分は間違っていたのかな、と思ったのだが、後で後ろからスタッフがカンニングペーパーを差し入れ、それを見て、「東京の出生率は1.1なので、全国最低です」と訂正したのだ。

東京の抱える問題の基礎的知識すらないことを露呈
 ただの思い違い、と軽く見過ごすことはできない。この低出生率にこそ大都市東京の都市問題が凝縮されているからだ。
 前述のように高地価のせいで、東京各自治体の保育所の待機児童は多い。未婚率も高い上に、これもあって日本一の低出生率になっているのだ。その知識すら欠いているようで、都市問題が解決できるのだろうか。

昭和15年生まれなのに、「終戦時に20歳」
 さらに驚く発言が続く。自身の生まれ年と年齢ついて「私は昭和15年の生まれです。終戦の時に20歳でした」。
 昭和15年生まれであるのは確かだ。自分の生まれ年を間違う人などいない。それが終戦時に20歳だったとは、昭和20年との混同にしても、ちょっとひどい。これは、後での訂正すらなかった。
 活字メディアで活躍する者ならたぶんないだろうが、テレビに長くいると、このようにアホになるのか、それとも76歳の高齢から痴呆症が始まっているのか。

軽薄で緊張感欠くテレビ界に長年身を置いてバカに?
 ちなみに鳥越よりはるかにはるかに少ないけれども、僕も民放テレビに何度か出たことはある。そこで見たのは、軽薄の世界で、ゲスト出演者こそそれなりの人が呼ばれるけれども、出演する若手タレントの驚くべき知的貧困さである。


スタジオ

控え室

 しかもテレビは、一方向からの垂れ流しである。双方向性のソーシュルメディアの緊張感とは違う。それなりでも名声があれば、済んでしまう。
 だからネットの世界では、鳥越の知的退行を批判・懸念する声が圧倒的なのだ。

知的退行、痴呆の始まりを疑う
 しかも12日の記者会見でも「政策はまだ考えていない」とシラッと発言するほど、真摯さに乏しい。テレビが落ち目だから、知名度が高いうちに新たな高収入先へのトラバーユか、と疑う。
 さて鳥越が共産・民進の必死の巻き返しで当選したとして、それはそれでさらに大変な問題を抱える(もっとも民進の実働部隊の労組・東京連合は自主投票だし、共産の一部には宇都宮健児から唐突に鳥越に乗り換えたことに戸惑う支持者もいる)。

当選したとして、これでは都議会の質問を乗り切れない
 つまり健康に不安を抱えるうえに痴呆が始まっているのだとすれば、都議会で3分の2近い圧倒的多数を占める野党となる自民・公明の質問にちゃんと答えられるのかということだ。ちなみに都議会は、現員123人で、自民56議席、公明23議席となっている。
 トンチンカンの答えを連発し、何度も立ち往生すれば、週刊誌の絶好の餌食にもなる。
 そうなると、議席17の共産しか最後は支えないだろうから、不信任案の可決も視野に入ってくる。またも、知事選である。
 したがって今回の選挙は、都民の良識が問われるものとなるだろう。

昨年の今日の日記:「ついに上高地へ! 上高地紀行・上;100年前の噴火の痕、大正池の畔に立つ;紀行」