19日、18歳以上選挙権がスタートした。そして22日、彼らが全面的に参加する参院選が公示された。昨日からは期日前投票も始まって、さっそく投票した新規選挙権取得者もいたようだ。
 さらに、参院選の後には、都知事選の始まる。


20歳代若者の代表率は、60歳代の4分の1
 今回は、政権選択選挙ではないが、それでも選挙のたびにシルバー民主主義の弊害が指摘される。
 年齢別人口で圧倒的に多い団塊の世代に代表される福祉受給層である高齢者層は、また投票率も高い。そのことは、6月15日付け日記「西武プリンスドームで見た若者たちの賑わいと近づく参院選への新参入の18、19歳層の動向は」でも触れたが、対して年金保険料・健康保険料でも高負担を課されている若者層は、年齢別人口が団塊の世代の半分以下であるうえ、投票率もまた半分以下。つまり両者かけ合わせて4分の1の代表率、となる。


将来世代の子供にも選挙権を認め、親に代理投票を、という議論
 この明らかな不均衡が、シルバー世代優遇の政治、という結果となる。冷遇しても選挙でしっぺ返しをされる恐れのない若者層は、徹底的に冷や飯を食わされる。すなわち高負担の低福利という形で。
 これは、明らかな民主主義の歪み、である。
 それを糺す策として、一部の識者から提案されているのが、子供にも選挙権を認めようというものがある。さりとて幼稚園生などに判断能力はないので、保護者に代理投票権を認めよう、というものだ。
 子供は、未来に責任を負う。今が判断能力がないとしても、現在、シルバー民主主義で不利な政策だけ決められ、成人した時に負担を強いられるるのは不条理だ、という意見で、確かに合理的である。
 ただ欧米民主主義国で、子供にまで選挙権を認めている国はない。


平均余命投票権の提案
 僕は、このアイデアをさらに1歩進め、平均余命投票権を提唱したい。
 つまり平均余命が長い若者層に加重的に選挙権を与え、平均余命の短い高齢者の比重を小さくする。
 例えば、若者20歳の平均余命は約63年である。一方、70歳では約17歳だ。70歳を1票とすれば、20歳には3.7票を与えるのである。
 その場合、年齢を確認し、正確な選挙権を与えるには、電子投票が欠かせない。IT時代で、しかもマイナンバー制度が導入された現在、それは簡単だ。投票締め切り後に、地方公務員を大量動員して徹夜で開票しなくても、投票締め切り後に一発で結果が分かる。


現状は1人1票の民主主義の大原則を外れている
 平均余命の長い若者ほど過重の選挙権を与えるという傾斜投票権のアイデアは、1人1票の民主主義の大原則を外れる「暴論」のように見えるだろう。
 しかし、現に付加価値を生む生産に携わり、あるいはこれからその中に入っていく若者は、過重な所得税と健康・年金保険料を支払わされている。にもかかわらず1歳当たり人口が少なく、投票率も低いために、シルバー層の4分の1の代表権しかない現実がある。
 やはり、現状は1人1票の民主主義の大原則を外れているのではないか。
 若者だけに負担が負わされ、高齢層への手厚い社会福祉が行われていることが、その不平等性を明確に表している。


若者は投票を!
 一時期、進歩的メディアにもてはやされた左翼に傾斜したSEALDsなど、若者の代表者ではない。もっとまともな若者は、黙って選挙に行き、自分の思いをこめて投票する。彼らの意思を、中高年層はもっと汲むべきではないか。


ところざわのゆり園4

ところざわのゆり園5

ところざわのゆり園2

ところざわのゆり園

ところざわのゆり園3

 写真は、10日以上前に行った、西武球場前の「ところざわのゆり園」のユリ。隣のドーム球場の喧噪の中、静かだった。


昨年の今日の日記:「日韓国交正常化50年に寄せ、韓国側が歩み寄り出した関係改善の動き、だが安心は禁物」