一昨日の6月4日は、所用で午前中は札幌にいた。この日、6.4市民革命(いわゆる「天安門事件」)27年である。暴虐の日、惨劇の場となった北京は、戒厳令のような状態だったという。


天安門広場は戒厳令、スターリニストは人民の何を恐れる?
 天安門広場では小銃を手にした武装警官が周囲を睨み、前日からは地下鉄の一部の入り口が閉鎖された。
 市民革命で子供を亡くした母親たちの会「天安門の母」の創設者の丁子霖さんは、例年のように警察に軟禁されていた。さらに自宅でひっそりと記念集会を開くなどした市民10人が公安に拘束され、6人と連絡がとれなくなっているという。
 習近平らは、何を恐れているのか? 鉄壁の抑圧体制なら、市民が小規模集会を開いたところで蚊がさしたほどの痛みもないはずだ。6.4市民革命は、東欧革命と同じ年に起こり、市民のデモが東欧各国の共産党抑圧体制を崩壊させたことの悪夢がよみがえるのか。


香港で追悼デモ、しかし一部に大陸に冷めた視線
 しかしスターリニスト中国の脅威を身近に感じる香港と台湾では、6.4市民革命はなお生々しい記憶なのだ。いつ、我々が共産党によって生命を奪われるか分からない、という――。
 香港ではこの日、中心部のビクトリア公園で犠牲者を追悼する大集会が開かれ、12万5000人の参加者がろうそくを掲げて犠牲者を悼み、スターリニスト中国の弾圧に抗議した。
 ただ雨傘革命を主導した一部の学生たちは、香港民主化の方が先決で、香港の市民が中国の民主化に取り組む必要はないとして参加を見送った。彼らは、香港こそ自らの本土と考える急進的な本土派、香港独立派であり、自国の民主化すらできない大陸中国人を軽蔑している。


最悪の共産党一党独裁の下に生きる不幸
 また台湾でも、4日夜、台北市内の「自由広場」で約300人が参加して集会が開かれた。6.4市民革命の学生指導者の1人で台湾在住のウアルカイシ氏は、大陸の民主化に台湾と香港も協力して取り組むよう訴えた。
 また就任したばかりの蔡英文総統は、スターリニスト中国に対して声明を出し、台湾が蒋介石独裁政権から苦労して民主主義を勝ち取ってきた歴史にも触れ、私たちは天安門広場の学生たちの民主主義と自由への渇望を誰よりもはっきりと体感できる、と述べた。
 自由と民主主義を圧殺する独裁にも、軍事政権と共産党独裁の2つがあるが、共産党独裁は最悪であり、軍事政権の方がミャンマーなどの直近の例を示すまでもなく、まだ打倒・改革する機会がある。
 世界から恐れられ、かつ侮蔑される中国の共産党一党独裁体制の妥当は、なお道遠しの感がある。


札幌で自由を満喫
 この日、僕は雨模様の市内の大通公園や北大構内、創成川公園などを散歩し、ライラックやハナミズキの花を愛でていた。いつでも、どこでも自由に行けて、歩ける。日本の自由の有り難さを、彼の地の地獄の世と対比せざるをえない。

創成川公園のライラック2

創成川公園のライラック

大通公園のハナミズキ

大通公園のライラック

北大構内の散り際のツツジ

 写真は、創成川公園のライラック各種、そして大通公園のライラックとハナミズキ、北大構内の散り際のツツジ。


昨年の今日の日記:「中国大型客船水難事故で韓国の朴槿恵の失態を反面教師とする習近平らスターリニストども;現代史、社会」