僕たちの一行は、元来た道を青ナイル川の渡しまで歩いた。途中で、村の重要な「建築資材」を見た。太さ10センチ未満の丸太を積み上げ作業をしていた(写真)。


丸太積み


細い丸太しかない国
 この丸太を立てて、住居の骨組みを造り、その上に泥を塗っていく(写真下の上=この地方の典型的な掘っ立て小屋)。丸太は、大きな樹木の切り株から生えてくるひこばえ(蘖)のようで、今ではアビシニア高原からは大木が消えてしまっているので(写真下の下)、ようやくそれが材木になっている。


民家


アビシニア高原

 動力船の渡しで対岸に渡り(写真)、村のインフォメーションのある広場に進む。その手前で、村らしく人家が密集してきた。見ると、粗末な掘っ立て小屋にも電気は来ているようだ。


渡し

 青ナイルの滝を下ると、青ナイル川は急流・滝が多くなる。おそらく各所に小規模水力発電所が設置されているのだろう。これもまた「ナイルの恵み」である。中にはパラボラアンテナを立てた家もある。


タナ湖を見下ろす湖岸段丘上のレストラン
 バスの待つ村の広場に着いた。ここからは、元来たダートを戻る。
 僕たちは、誇りまみれになることを嫌って、スーツケースをラーナイルホテルに預けてきたから、ひとまずそこに戻って、荷物をピックアップし(写真)、その後に昼食に立ち寄るらしい。


荷物をピックアップ

 ランチは、タナ湖を見下ろす湖岸段丘上のレストランである。ここは、高級らしく、見ると外国人ツーリストの客しかいない。
 案内されたテラスの席に座ると、少し遠くに昨日、タナ湖クルーズをした船着き場が見える(写真)。


タナ湖を見下ろすレストランのテラス


テラピアのソティーは美味
 強い日差しだが、湖畔を見下ろせるテラスの席は、微風が通り過ぎ、心地よかった。
 ここで僕たちは、タナ湖で獲れたテラピアのソティーを食べた。少し生臭かったが、テラピアは思いの外、美味しかった(写真)。


テラピアのソティー

 エチオピアには、海がない。かつては紅海に面していたが、エリトリアが独立してから海から切り離された。そのため魚好きの僕は、今回は魚は食べられそうもないな、と覚悟していた。それが淡水魚が出たのは、予想外であった。
 日本でも、「イズミダイ」や「チカダイ」という名で流通しているという。なお「~タイ」という商品名が付けられているが、海産のタイとは全く無関係で、系統も遠い魚である。


昨年の今日の日記:「NPT再検討会議の決裂で密かに笑ったスターリニスト中国と強権ロシア」