民主党と維新の党が野合して旧態依然の「民進党」が生まれたが、この党には汚沢率いる「生活の党と山本太郎となかまたち」と社民党が入らなかった。


汚沢の「生活」は消滅へ
 旧民主党の中には、かつて一緒の党であった時にさんざんかき回され、最後は「最も苦しい時に」党を割って出た汚沢への拒否感が強い。したがって他の議員はウエルカムでも、汚沢、そして極左でスタンドプレーばかり目立つ山本太郎の2人はノー、というのが旧民主党内のもっぱらの雰囲気なので、合流など無理だ。
 このうち改選を控え、当選のめどのたたない谷亮子は、自民になびき、他2人は民主党にひっそりと入ることになろう。
 さて、もう1つの社民党も、存亡の危機に立つ。


地方組織が合流拒否
 こちらは、旧民主党内の拒否感は薄いが、社民党内事情が合流を阻んだ。
 この党は、国会議員数に比べれば、地方組織が割としっかりしている。すっかり高齢化してしまっているが、かつての安保世代と全共闘世代の生き残りが地方党組織の中核を成しているし、自治労と日教組の一部県組織のヘゲモニーも掌握していて、この連中が頑強に社民党の独自性にこだわる。
 したがって民進党の呼びかける参院選での全面共闘も、地方組織の合意を得られない。


夏の参院選、最善でも福島当選がやっと
 実は、そんなことを言っていられないのは、汚沢の生活の党とも同じだ。
 7月の参院選では現党首の吉田忠智と元党首の福島瑞穂が、比例区で改選を迎える。今の社民党には、比例区で2人も当選させる力量はない。せいぜい1人か、悪くすると議席0の可能性もある。
 1人となれば、浮動票の期待できる福島だけがやっと、だろう。党首の吉田は、ほぼ落選確実な情勢だ。
 幸いにして福島だけが当選し、吉田が落選したとしても、選挙区で当選を展望できる候補がいないので、衆参両院の議席は合わせて4、となる。


政党でなくなり、交付金もゼロへ
 政党要件の①所属する国会議員が5人以上、②直近の国政選挙での得票率が2%以上、のいずれかも満たさない可能性が高くなる。
 となると、社民党は「政党」として扱われなくなる。こうなると、政党交付金が受け取れない。2015年で社会民主党の交付額は、4億7000万円ほどだった。国会でも、他会派に入るか無所属と統一会派を構成したりしないと、国会質疑の機会ももらえない。
 政党交付金がゼロになれば、党組織が弱体化している社民党は、もう組織を維持できないだろう。地方組織が、細々と市町村議会で生き残るだけだ。
 冷戦期の遺物であったこの党も、いよいよ解体の時期を迎えようとしている。


社民党大会

 写真は、去る2月20日に開かれた党大会の閉会の模様。初めて共産党の党首(党委員長の志位和夫)も招かれた。


昨年の今日の日記:「ポーランド紀行:早朝のサスキ公園を放浪、ピウスツキ広場には達せず」