昨日、新年度予算が年度内に成立。いよいよ新年度入りだが、日経平均株価は、相変わらず1万7000円を行ったり来たりだ。アメリカのニューヨーク株式市場がいち早く昨年末値を奪回したの比べると、何と言う彼我の差か。ちなみに日本株の低空飛行は、スターリニスト中国の上海株式市場に次いでパーフォーマンスが悪いという。


景気判断引き下げ、体感そのもの
 年初めの急落の頃は、スターリニスト中国の株式市場の暴落に連れ安したもので、日本の良好なファンドメンタルスからすぐに復調すると考えられていたが、最近は日本経済低迷を先取りしたものではないか、という見方がもっぱらとなっている。
 例えば23日に発表された3月の月例経済報告である。同報告で、国内景気の判断が引き下げられた。個人消費も企業収益も業況判断も、2月から引き下げられている。僕の体感とも一致する。
 こうした環境の中で、今や霞が関や永田町では来年4月の消費税の10%上げは無理、という声が高まっている。


自民党参議院議員の大半は消費増税先送り論
 過日のNHKの「日曜討論」で、自民党の溝手参議院議員会長は消費税増税の先送りを支持し、衆参同日選も容認する発言をした。消費税増税先送りは、7月に改選を迎える同党参院議員の大半が支持しているともいわれる。
 こうした空気を反映してか、一時は必ず実施、と言っていた安倍首相の発言もだいぶ変わってきた。
 国会答弁などでは、「08年のリーマンショックや11年の大震災のような重大な事態の発生しない限り、予定どおり増税を実施する」と言いつつ、その後に必ず「増税して景気後退になれば元も子もない」と付け加えるようになっている。


サミット頃には安倍首相も増税先送りを発表か
 さらに今月16日から始まった「国際金融経済分析会合」では、ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授(写真)らを招いて、消費増税延期の進言を語らせている。これは、明らかに増税延期のための地ならしだろう。


ジョセフ・スティグリッツ氏

 こうしたことから、首相は増税延期に傾いているという観測をもたらす。個人消費は、GDPの約6割を占めるだけに、月例報告でも見られたように消費増税でさらに失速しては、大変なことになる。
 おそらく5月下旬の伊勢志摩サミットの前後に、安倍首相は世界経済への配慮した形で、消費増税の延期を発表するのではないか。


となると、やはりダブル選
 となると、その信を問う形で衆議院の解散も日程にのぼる。7月は衆参ダブル選になる可能性が高まった。
 消費税増税延期と衆参ダブル選については、3月6日付日記:「来春の消費税増税、再び延期か? 衆参ダブル選の気配」で述べたが、あれからさらに事態は、その方向に確実に動いている。


昨年の今日の日記:「ポーランド紀行:ワルシャワ市街を睥睨する「スターリンの贈り物」;追記 アホウドリ」