ヘルシンキの波止場からも見えるウスペンスキー寺院は、市街に突き出たような岩の丘の上に立つ。


岩だらけのヘルシンキを象徴
 だいぶ前に、北欧一周ツアーでヘルシンキを訪れた時の印象は、岩が目立つ所だな、というものだった。
 半日だけの滞在なので、今回は寄らなかったが、その強烈な印象は、「岩の教会」として有名な市内のテンペリアウキオ教会で受けたものだ。氷河期から残る天然の岩をくり抜いて造られたルター派教会である。


氷河期の遺残の残る岩
 フィンランドも含むスカンジナビア半島は、1.1万年前までの氷河期には1000メートルを超える分厚い氷床の下にあった。
 氷河期が終わり、温暖な間氷期になり、氷床が溶けると、重しが取れた大地がせり上がり、それが今日のスカンジナビアを造った。
 長く氷床に覆われていたために、土壌が薄い。岩がむき出しになった所が目立つのは、それが理由だ。
 僕が向かうウスペンスキー寺院は、まさにその岩の上に立つ。
 岩を削って作った階段を登っていくのだが、「基礎」となったむき出しの岩を観察する。あちこちに氷河によって傷つけられた斜め線などが見える(写真)。


ウスペンスキー寺院の建つ岩


岩の上のウスペンスキー寺院からの眺望は最高

 岩の会談を登ると、赤レンガ造りのウスペンスキー寺院が聳え立つ(写真)。


ウスペンスキー寺院

 そこからの市街地の眺望は、最高だ。先ほどまで街路を行進していた楽隊が、大統領官邸の前にいる。おそらくここが終点で、国歌などを演奏しているのだろう。ついてきたと思われる聴衆が、遠巻きに演奏を聴いている。そしてその先には、ヘルシンキのもう1つのランドマークであるヘルシンキ大聖堂のドームが見える(写真)。


ウスペンスキー寺院から観たヘルシンキ大聖堂など

 さらに目をもう少し南に転じると、僕がランチを採ったマーケット広場も見える(写真)。


ウスペンスキー寺院から観たマーケット広場

 好天気で、最高である。


昨年の今日の日記:「ポーランド紀行:アウシュヴィッツ=ビルケナウの後にクラクフ・カジミエシュの旧ユダヤ人街を再訪」