ポーランド、バルト3国旅行の8日目である。本日、ラトヴィアを去り、バルト3国最後の、そして最北のエストニアに向かう。


生きてエストニアを観ることはあるまいと、フィンランドから遠望した昔
 エストニアももちろん初めてだが、かつて遠望したことはある。昔、フィンランドを訪れた時、バルト海の向こうにエストニアを観た。
 当時、エストニアなどバルト3国は、ソ連領だった。だから生きているうちにエストニアを訪れることはあるまい、と思って遠望したのだが、今、それが現実化しようとしている。
 バスは、ホテルを8時に出発し、再びリガ旧市街の方向に走る。


フリーパスのエストニアとの国境へ
 バスは、昨日に渡ったダウガヴァ川を旧市街方向に再び渡る。途中、車窓にリガの旧市街を眺めつつ、一路、北に向かう(写真)。


車窓からの図書館

車窓からのリガ旧市街

 出発1時間半で、はや国境である。ただしこれまで何度も述べたようにラトヴィアもエストニアもEU加盟国であり、しかも移動の自由を定めたシェンゲン協定参加国である。
 国境の管理は、ない。
 車は、フリーパスで国境を越えていく(写真)。


エストニアとの国境


人のいない監視塔にヨーロッパ統合の現実を見る
 両国とも通貨はユーロだから、我々は両替の必要はない。だから他の車がスピードを緩めもせず国境を通過していくように、我々もノンストップで通過できたのだが、しかしそこは観光バスである。
 国境で停車して、トイレタイムとなった。
 降りて周囲を観察する。
 風車がのんびりと回っている(下の写真の上)。国境線の隣に人のいない監視塔が残っている(下の写真の下)。とうに利用されなくなった監視塔だ。ソ連時代は、同じソ連国内でも、厳しく移動を監視していたはずだ。


国境の風車

国境の監視塔

 人のいない監視塔こそ、自由の象徴、ヨーロッパ統合の象徴でもある。


追記 シリア、パルミラ占領のISIL、バール・シャミン神殿を破壊の暴挙
 シリアの世界遺産の古代都市跡パルミラを占拠しているISIL(自称「イスラム国」)が、パルミラでも最も保存の良いバール・シャミン神殿を爆破した。アサド独裁政権の文化財保護担当者が明らかにした。ISIL側も、インターネット上に破壊の模様を伝える画像をアップした(写真)。23日に爆破されたと見られる。


バール・シャミン神殿の爆破

 ISILは、大量の爆発物を仕掛けてバール・シャミン神殿を破壊した。パルミラでは墳墓やライオン像などが破壊されているが、バール・シャミン神殿のような大規模神殿まで破壊されたのは初めて。
 こうなると古代ローマ時代の列柱や円形劇場も危ない。
 ISILは、今月中旬、元の遺跡管理責任者で著名な考古学者ハレド・アサド氏の首を斬り、首を遺跡に曝す映像も公開している。
 いつまでも人類の遺産の破壊を許していていいのか。アメリカやフランスは、軍事介入してでもパルミラを解放せよ!


昨年の今日の日記:休載