日本中が、ヨルダンとイスラム国支配地に関心を振り向けている時に、とんでもない事態が密かに進行していた。
 東京・千代田区の朝鮮総連中央本部(写真)の土地・建物を約22億円で落札した不動産会社マルナカホールディングス(本社・高松市=以下、マルナカと略)が、山形県内の不動産会社に転売されるというのだ。29日にも売却手続きが終わったようだ。


朝鮮総連ビル


マルナカから買ったのは、年商1900万円の「街の不動産屋」
 名前は把握していないが、元参院議員が転売取引の仲介をしたという。
 最初、元国会議員が関与し転売先が山形県の不動産業者と聞いて、引退した元自民党衆院議員の加藤紘一ではないか、と疑った。だが参院議員となれば、違う。とすれば、07年に引退した元自民党参院議員の阿部正俊氏か。
 この転売が極めて不明朗であることは、マルナカが転売する山形県酒田市の不動産業者である。07年9月に設立されたばかりの資本金はわずか300万円、年商は1900万円ほどの「街の不動産屋さん」に過ぎない。
 マルナカが売ったというのだから、落札額の22億円より高値で買い受けたのだろう。一説には、40億円以上と言われる。マルナカは、短期間のうちに20億円近くも鞘を抜いた形だが、酒田の不動産業者はこの資金をいったいどこから捻出したのか? いや、誰が出したのか?


マルナカホールディングスが落札した時点で出来ていた筋書きか
 公安当局は、朝鮮総連が今後、現在使っている本部ビルを賃借し、中央本部として引き続き使用する可能性があるとみている。
 こうなるとマルナカが二番手として落札した時点で、筋書きは出来ていたのではないか、と疑う。ちなみにマルナカはイオングループと関係が深い。マルナカホールディングスが別会社として分離したスーパーのマルナカはイオングループに入っており、スーパーのマルナカを切り離したマルナカホールディングスはイオン株を保有する法人株主となっている。
 イオンと言えば、持株会社の社長とグループCEОは、岡田元也氏であり、バラマキスト民主党代表の岡田克也は実弟だ。
 ここに、どうしてもコリアンコネクションの影を感じてしまうのである。


拉致被害者などの特別調査委員会を立ち上げさせる裏取引の可能性も
 ただ、別の味方も可能だ。
 例えば昨年5月、安倍政権は北朝鮮ならず者集団と日朝政府間協議を始め、7月に北朝鮮に拉致被害者などの特別調査委員会を立ち上げさせることに成功した。
 政府間協議の正式発足前、北朝鮮ならず者集団は、一時、朝鮮総連本部ビルの競売の問題に介入し、日本政府に引き続き朝鮮総連が本部ビルを使えるようにせよ、とお門違いの要求をしたことがある。
 ところが政府間協議が始まると、北朝鮮ならず者集団はその要求を引っ込めた。
 これは邪推であって欲しいが、安倍政権は北朝鮮ならず者集団に特別調査委員会を立ち上げさせるために、こうした落としどころを提示して、彼らと裏取引したのではないか。


安倍政権は北朝鮮ならず者集団に一杯喰わされたか
 だとすれば、北朝鮮ならず者集団は約束どおり特別調査委員会を発足させはしたが(14年7月5日付日記:「北朝鮮ならず者集団の日本人『行方不明者』の特別調査委立ち上げで金正恩の本気度を読む」を参照)、実際は見せかけだけの休眠委員会にし、途中報告も不誠実にサボっていることからして、日本政府はまたしても北朝鮮ならず者集団に一杯喰わされたことになる。
 そして朝鮮総連が、本部ビルを引き続き使用するのであれば、拉致被害者のご家族を落胆させるにあまりある。
 安倍政権は、この経緯を説明する責任がありはしないか。
 この一方で、朝鮮総連の関連団体などが入居する「朝鮮出版会館」(東京都文京区)の土地・建物が大阪市の不動産会社に売却されたことも判明した。売買は23日付。公安関係筋は、本部維持に必要な資金を調達するため、売却した可能性がある、と見ている。


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