南部アフリカ周遊旅行の「後遺症」から、昨日やっと脱出した。宅配してもらっている朝日新聞と日経新聞の2紙が、10日分が溜まっていたから、それを読了することだ。

やっと溜まった10日分の新聞を一掃
 現代社会の動きに一刻も目を離してはいられないので、帰国時点でもはや「古聞」となっていたとしても、2紙をそのままちり紙交換に出すわけにはいかないのだ。
 これが、きつい。なぜなら毎日少しずつ束を減らしていくのだが、毎朝、毎夕、新しい新聞が配達されてくるからである。さながら「積み木崩し」のような苦痛である
 その「古聞」を読みながら、あらためてオバマ大統領のいくじなさを痛感させられた。リブパブリが出発前、サリンを使ったアサドに懲罰を加えると、化学兵器関連施設と軍事施設に焦点を絞った限定攻撃を麗々しく公言していたのに、アメリカ世論と議会の反対が多数と見るや、みるみる姿勢を後退させ、ロシアのプーチンの意を受けた外相ラブロフの甘い誘いに乗って、振り上げた拳をあっさりと下ろしてしまった。

あと3年、オバマに世界を委ねるのか
 こうしてアサドの化学兵器使用の責任は黙認され、課題は当てにもならない化学兵器の廃棄にすり替えられた。それは、化学兵器廃棄の責任を負う形で、アサド政権の支配の正当性をアメリカが認めることに他ならないのに。
 オバマ大統領という人物に失望させられたのは、これで何度目だろうか。世界最大の民主主義国として、アメリカは世界の平和と民主主義・人権の護持に特別の責任を負う。その特別の責任のためには、時にはエセ平和論者や独裁国の反対をおしきっても実力行使を行うことは当然の責務だ。
 あと3年、民主主義世界は、このような優柔不断で無責任な「口だけ男」の手に委ねねばならない。

今や反体制派はアルカイダが主力に
 オバマ大統領の優柔不断さは、いずれ詳述するがシリアの戦況を大きく変えてしまった。かつてのアサド独裁政権対反独裁・反体制派の戦いが、国外から雪崩れ込むアルカイダ系テロリストの激増で、アサド独裁政権対アルカイダ系との戦いに変質しつつある。
 アルカイダ系テロリストは、さらにかつて反体制派の中核となっていた自由シリア軍やクルド系・キリスト教徒などの少数派をも攻撃し、勢力を削ぎつつある。アサドが仮に倒れれば、かつてのタリバーン支配下のアフガニスタンとなる恐れは大きい。実際、アルカイダ系テロリストの支配地域では、厳格なイスラム法が適用されているといわれる。
 アサドによれば、反政府軍の9割はアルカイダ系テロリストだそうだが、そこまでいかずともアサド独裁政権と戦う反政府軍の5割弱~3割強が今やアルカイダ系で占められていることはアメリカも認識している。1年前は、こうではなかったのに、だ

ヒラリー・クリントン氏、立候補の意思表明
 こうしてみると、グズで軟弱な男よりは強い意思を持った女性の方が、よほど民主主義世界にとっては頼りになる。
 08年の大統領選の予備選で、オバマ氏に敗れたヒラリー・クリントン氏が、ついに沈黙をやぶって16年の民主党の大統領候補予備選に出る意思を表明した、と外電は伝えている。
 ヒラリー・クリントン氏は、オバマ大統領の1期目に国務長官として支えたが、フリーハンドを得るために2期目には政権を離れた。オバマ氏の将としての器のなさに見切りをつけ、ヒラリー待望の声に乗って16年の民主党大統領候補予備選に出るかまえ--これは、早くからアメリカ政界では常識だった。

世論調査ではヒラリー氏待望が圧倒的
 そのヒラリー・クリントン氏が、いよいよ動き出す。
 対抗馬となる共和党の候補はまだ混沌状態だが、現状ではヒラリー氏が次期大統領の最有力候補であることは疑いない。
 ちなみにアメリカCNNの世論調査では、次期大統領として民主党支持層の65%がヒラリー・クリントン氏の立候補を望んでおり、オバマ氏の介添人に過ぎないバイデン副大統領を挙げる声はたったの10%に過ぎない。
 ドイツのメルケル首相とともに、強い指導力でならず者たちを制し、民主主義世界を引っ張ってほしい、と願う。


自費出版のリブパブリのブログ


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 なお写真は、ケープタウン、テーブル山訪問の補遺写真。
 上からタイヨウチョウのメスかと思われる野鳥(オスと思われる個体の写真は昨日参照)、中央はテーブル山の崖面に咲くワイルドフラワー。黄色い花はキク科のデイジーかと思われる。は展望台に集う観光客。遠くに見える山並みの一部には雪が残っている。

昨年の今日の日記:「バラマキスト民主党幹事長、輿石留任で「決められない政治」へ逆戻りの愚」