カーリング代表チームはなぜ選抜ではないのか | 観客席から見たカーリング 2nd Season

この話も世間で「おかしいよ」と言われている内容ですよね。

なので解説しますね。


カーリング日本代表は、なぜ選抜チームではないのか。
なぜ、クラブチームがそのまま代表になる、というシステムなのか。


答えは、

選抜チームを作ってしまうと、日本の有力チームが全てダメになってしまい、日本のカーリングのレベルが下がってしまうから。
です。


どういうことか。

カーリングチームは、試合に出るのは4人で、
「フィフス」と呼ばれる補欠の選手1人、計5人で構成されています。
(補欠選手の呼び名は他にも色々あります)

そこで、選抜チームを作るとします。

Aチームから2人、Bチームから2人、Cチームから1人、選抜したとします。

Aチームは、元は5人のチームでした。
なので2人抜かれてしまうと、3人になります。
Bチームも同じく3人に。Cチームは4人になりますが、カーリングチームには4人のチームもあるので、それであれば3人になってしまう可能性もあります。

2人の選手が選抜されて、Aチームに残った選手は3人です。
3人ではカーリングができません。
新人を入れれば4人以上になって、試合はできるかもしれません。
ですが、選抜されるような実力のある選手が抜け、新人が入ったチームのチーム力はガタ落ちでしょう。

Bチームも、Cチームも、です。
選抜される選手がいるような有力チームが、全てそうなってしまいます。

選抜チームは強いチームになるかもしれません。
ですが、それ以外に残されたチームがみんなダメになってしまいます。


野球やサッカーのように、チームの人数が多くて控えの選手も多く、2~3人抜けても何とかなる、という競技なら、選抜として選手を抜くことができるでしょう。

ですが、カーリングはチームの人数が少ないために、それができないのです。

やってしまったら、有力チームがみな機能しなくなり、日本のカーリングがおかしくなってしまうのです。


だって、
現実に、スキップとサードが抜かれてしまったら、そのチームはもう無理ですよね。

そういうことなんです。



以前、選抜に近い性格のチームが日本にありました。
でも、長い年数をそういった状態で続けるのは難しかったようです。
すごく、残念でしたが。


だから、カーリング代表は、

選抜チームではなく、
一番強いクラブチームが代表になるのです。