父ご乱心

母が家を出ていった。

私は一人暮らし中だったので

実感はなかった。

 

ただ、就職先をどうしようか。。。

 

それだけを考えていた。

 

母が家にいる前提で就職先を探していたけど

母が家を出た今

実家に戻るということは

父と姉のお世話係になるということ。

 

家事一切を押し付けられ

また我慢の日々になることは明白だった。

 

 

 

実家には戻ってはいけない。。。

 

 

 

そう心に刻んでいたある日、

父が下宿先にやってきた。

 

 

就職先を知り合いに頼んだから。

卒業したら家に戻ってきなさい。

いらないものは今のうちに持って帰ておくわ。

 

 

勝手に家財道具を車に積み始めた。

 

 

このまま黙ってたら

実家に連れ戻されちゃう。

言わなきゃ!!

 

 

『わたし、実家には戻らへん!!

勝手なことせんといてッ‼』

 

 

 

父の顔がみるみる鬼の形相になった。

 

 

『なんやと?!もう二度と帰ってくるなッ!!』

 

 

 

父はそう怒鳴って帰っていった。

 

 

 

もうなんなん?

就職先どうしよ。。。

卒論も書かなあかんのに。。。

国家試験もあるのに。。。

何も手につかへん。。。

 

友達に相談しても

みんなドン引きしてる。。

 

彼氏ももちろんドン引き。

 

そりゃそうだよね。

わたしも冗談にできるくらい

自分の気持ちの整理もできてないし

重いわ。。。w

 

みんな卒論や国試対策、就職と

自分のことで精いっぱい。

他人のことなんかかまってられない。

 

 

わたしは結局

父にも母にも怒りをぶつけられず

自分の感情にフタをして

目の前のタスクを淡々と

こなすことしかできなかった。

 

卒論は何とか形になって提出。

就職先は未定のまま大学を卒業。

 

下宿先には大家さんに事情を話して

そのまま継続して住まわせてもらった。

 

あ~ぁ、もうなんなん・・?

 

そして国家試験です。

つづく