2019年5月9日に三菱自動車は本日、2018年度決算を発表しました。同時に2019年度業績見通しも発表。
(記事抜粋)
『1. 2018年度業績概要
2018年度の売上高は前年度比14.7%増加の2兆5,146億円となり、営業利益は前年度の982億円から1,118億円に増加し、営業利益率は4.4%となりました。当期純利益は、1,329億円となりました。
2. グローバル販売状況
2018年度通期のグローバル販売台数は1,244千台となり、前年度から13%増加しました。アセアン地域では、『エクスパンダー』がインドネシアのみならず、フィリピン、タイ、ベトナムでも販売を開始し、前年度比17%増の318千台となりました。
日本市場では、『エクリプス クロス』や『アウトランダーPHEV』、新型『デリカD:5』が販売増を牽引し、前年度比7%増の105千台となり、回復基調が続いております。加えて、2018年度末には新型軽自動車『eKワゴン』『eKクロス』を発売しました。
また、主力地域であるオセアニア、注力地域である北米・中国他なども含め、全地域で販売台数が前年度を超え、期初公表の通期見通しを概ね達成することができました。
3. 2019年度 業績見通し
2019年度のグローバル販売台数は、前年度比5%増の1,305千台を見込んでいます。
ブランド価値向上や販売ネットワーク強化による営業効率の最適化を推進し、アセアンを中心に好評を得ている『エクスパンダー』の販売を強化するほか、世界戦略車である『アウトランダーPHEV』や『エクリプス クロス』等の販売台数を伸長することにより、持続的かつ安定的な成長を目指します。
当社は2019年度の業績予測として、売上高で前年度比3%増の2兆5,800億円を見込んでいます。また、一層不透明感を増す市場環境下において、持続可能な収益を確保することに重点をおき、営業利益900億円、当期純利益650億円の達成を目指します。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。
www.mitsubishi-motors.com/jp/newsrelease/2019/detail5316.html
概要:三菱自動車工業株式会社
三菱自動車の企業コミュニケーションワード「Drive@earth」
地球を走る。地球と生きる。三菱自動車。
人とクルマ、社会とクルマ、地球とクルマの新しい時代を拓くために。いま、三菱自動車は挑戦を始めています。走行中のCO2排出ゼロ。地球温暖化防止に貢献する新世代電気自動車、i MiEV(アイミーブ)の世界投入。軽自動車で培った技術を存分に活用、燃費性能にすぐれたグローバル・スモールの提案。世界の環境基準をクリアしながら、走りの楽しさにあふれた三菱ならではの小型SUVの開発。さらに、新ディーゼルエンジンによるラリー参戦を通じて、走りと環境を両立する、新次元のクルマづくりを追求してゆきます。
私たちは信じています。私たちのクルマへの熱い想いと技術が、新しいクルマの価値をつくることを。ドライブ・アット・アース。走る歓びが永遠であるように。クルマが地球と共生できるように。
詳細はこちらからご覧ください。 www.mitsubishi-motors.co.jp 』
https://www.asahi.com/and_M/pressrelease/pre_2247367/
2018年度決算で「増収増益」を支えた海外仕様のモデルがある。一番パッと思い浮かぶのがトライトン。「トライトン」は、タイで人気のピックアップトラックだ。タイで作られて日本へも輸入・販売されているトヨタ「ハイラックス」のライバル車となっている。
また、そのトライトンをベースに作られたSUVが「パジェロスポーツ」。これも日本での販売を2019年12月に終了するというパジェロ。今後はこのパジェロスポーツが日本で売られるのか?このパジェロスポーツ、一時期三菱のタイ現地トップが乗っていた。そういう意味で、タイの三菱の中で最も信頼できる高級車と言える。
最後はインドネシアで発表、発売以降に爆発的なヒットとなったコンパクトMPV(クロスオーバーSUV的なミニバン)の「エクスパンター」。インドネシア工場で生産し、東南アジア地域用に開発した3列シート車だ。インドネシアだとミニバンとして販売されるが、タイなどではSUVに区分されるという。車体は「ミラージュ」用の改良版っぽい。
日本では元気がない三菱自動車。今、日本の道をみてみてもほとんどなくなっただろう。しかし、実は過去最高利益を計上するなど業績は絶好調。タイ、インドネシア、フィリピンなど海外で爆発的に売れているこれらのモデルのおかげで、海外での三菱の存在感は増している。
<川崎大輔 プロフィール>
大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより「日本とアジアの架け橋代行人」として、Asean Plus Consulting LLC にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。専門分野はアジア自動車市場、アジア中古車流通、アジアのアフターマーケット市場、アジアの金融市場で、アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア研究センター外部研究員。