3月31日(火)に行われた『厚生労働委員会』

その質疑応答の模様をお伝えします。

 

こちらのやり取りの模様は参議院TVでも閲覧可能です。

川田龍平(立憲・国民.新緑風会・社民)

 

また、youtubeからも閲覧可能ですので、

ご覧いただければと思っています。

 

 

問 川田龍平)

参議院議員の川田龍平です。

今日はマスクをしたまま質問させていただきます。

聞き取りにくかったら外しますが。

私も元々HIVに感染をしていることもあって

基礎疾患がありますので、大変この感染症については

普段から気をつけておりましたが

今年 今月の初旬にちょっと熱が出まして

37.5度 38度と熱が出て、ちょっと国会も一日休むことに

なってしまったのですが。

やっぱり病院に問い合わせても、やっぱり4日間 38度を

超えてないと、あっ37度か38度を超えていないと

PCR検査はしないということになっている

ということで検査はしなかったんですが。

私もやっぱり非常に周りの人に感染させてはいけない

という思いで、やっぱりちょっと出来るだけ

不要不急のものはしないとか、

会合にも出来るだけ出ないようにしていたんですけども。

比較的、今回の風邪と同じような症状が起きる、

この新型コロナについては、

やはり本当に病院がパンクしないよう事というのが

すごく大事な事だと思いますので、

特に、私も病院の検査、定期検査、三か月に一回 

行ってるんですが、それも遅らせて、本当に今

自分のかかりつけの病院というのが

ちょうど感染症のこういう外来や何かもありますので、

そういう意味では、やっぱりそこに行くと

逆にそこの発熱外来に行くことで、

また余計に感染してしまうんではないかということも

恐れて、そういう意味では

なかなかそういった発熱外来に行くこと

自体も僕はちょっと余り行かないようにしていたんですが。

 

そういう意味でやっぱり感染しているかもしれない

という人が、どのような状況で病院に行くべきか。

特にそれから現場の人、現場の人が、今、陽性者だと

いうことが分かった時にどういった対応を

医療機関が取るべきなのかということについて、

これはおさらいですけども、質問しておきたいと思います。

 

答 宮崎雅則 健康局長

お答え申し上げます。 

今 委員からもございましたが受診の相談の目安とか

受診の目安とかを示させていただいております。

 

その考え方としましては、もう委員からも

お話ありましたが、いきなり外来に殺到して

逆に感染リスクが上がるとかそういうことも含めて

示させていただいておりますが

一方で我慢すればということでもなくて、

まあ今の時期でしたら当然風邪とかインフルエンザを

疑って早めにかかることがあると思いますけども

段階を追って問題があったらセンターに相談して

というような、そういうことをしていただきたいと

いう事で示させていただいておりますので、

それも含めて最終的にはそれぞれのところで柔軟に

ご判断いただくというのが一番大事だな

という風に思っています。

 

 

問)陽性者が出た場合の現場の対応としては

3月9日に通達がでていると思いますが、

それについてお答えいただけますか

 

答 宮崎雅則 健康局長)

3月1日の通知の委員のご指摘のところというのは

高齢者とか あっ9日ですか

すみません お答え申し上げます。3月9日 

9日ですよね。ちょっとすみません 確認させてください。

 

問)

要するに現場のお医者さんがこの指定感染症であると

いうことで隔離しなければいけないんじゃないかと

思ってしまうところを

今回 自宅で療養することもそれも範囲に入れると

いうことで通達がでていたと思うんですが、

それについての現場の先生たちから

やっぱりそういったことが現場で本当に徹底されているのかというところが、やっぱりこれから本当に

混乱が起きないかどうかということについて、

やっぱり是非懸念しているということであります。

 

それからPCR検査のキャパですとか、

それからECMOとか人工呼吸器の数など、

これ厚労省の方で把握しているんでしょうか。

 

答 宮崎雅則 健康局長)

お答え申し上げます。

まず、PCRのキャパシティーの関係でございますが、

昨日時点で全国では九千件を超える検査能力を

確保しているというような状況でございまして、

それから、各地方衛生研究所あるいは一部保健所でも

やっておられますが、その実施可能件数というか

キャパも都道府県ごとに把握しているところでございます。


 また、今、人工呼吸器、ECMOの関係の御質問も

ありましたが、人工呼吸器、ECMOにつきましても、

各都道府県を通じて各感染症指定医療機関の保有状況及び

稼働状況を把握させていただいております。

人工呼吸器につきましては、

三月二十四日の時点になりますが、感染症指定医療機関で

八千台保有しておりまして、そのうち四千台が使用可能

という御報告をいただいております。

 

ECMOにつきましては、保有の時点は

二月二十二日で六百台保有ということですが、

三月二十四日の時点で約四百台が使用可能というような

御報告をいただいております。
 

 それからあと、感染症病床の関係でございますが、

これは三月二十六日の時点で四十四の道府県で

御報告をいただいておりますが、

感染症指定医療機関のうちの空き病床が一千床、

それからそれ以外の一般病床が約二万四千床ということで、

全国で二万五千床確保しているという御報告をいただいて

いるところでございます

 

 

問)

 ありがとうございます。
 東京がこれから大変危機的な状況になるかもしれない

という状況の中で、東京二十三区や三多摩地区の隔離病棟

などもしっかり整備するのかといったことも含めて、

東京とやっぱり是非連携をしっかり密に取って

いただきたいと思います。
 そして、ECMOなど人工呼吸器、特に医者がそのまま

使えるわけではなくて、皆が使えるわけではなくて、

技術が必要です。特にメディカル、そういった

技術者というか、そういった人たちの力も必要に

なってきますので、是非そういった人の確保を

やっぱり是非するためのこれからの養成なども含めて、

是非しっかりやっていただきたいということで、

要請で終わらせていただきます。

よろしくお願いいたします。
 

 それでは、雇用保険法改正案の質疑に入ります。
 

 早速ですが、この法案の大前提である

雇用保険特別会計が潤沢であるということは事実なのか

どうかということを一問目に用意していたんですけど、

足立先生に聞かれましたので、その雇用保険法改正案の

前提となる特別会計の潤沢かどうかということについて

先ほど聞かれてしまったんですが、三月の月例経済報告で、

景気の総括判断を、新型コロナウイルス感染症の影響により

足下で大幅に下押しされており厳しい状況にあるとして、

また、安倍総理も、リーマンを超える経済対策を打つ

と言及されています。
 これ、新型コロナ感染症が日本経済に負のインパクトを

与えるということで総理も認められているということ

でしょうが、実際に個人事業者や中小企業の経営者から

大変悲鳴にも近い声が日夜報道されています。

このような状況、不安定な経済状況の中で、

現状が潤沢であるから大丈夫ということではなく、

国庫負担金を低くしたままでよいという論理は

これ成り立たないのではないでしょうか。
 

 基本的なこととして確認したいのですが、

国がこの新型コロナウイルス感染症禍の影響によって

どれほどの失業率、失業者があると見込んでいたのか、

また、可能性も勘案した上で特別会計が潤沢であるのか

そうでないのかという議論をすべきですと思いますが、

リーマン・ショックのときにこの失業給付金が七千億円の

支給だったという事実、これは現状と比較して

十分に積立てがあるという言い方をしますが、

しかし、安倍総理ですらリーマン・ショックを超えると

言及しているのですから、リーマンと比較して

大丈夫だという議論では矛盾していると思います。
 これはきちんと、政府であらかじめきちんと

試算しておくべきだと考えますが、

大臣、このコロナ新型ウイルス感染症禍の影響について

どのような見積りを出しているでしょうか。

答 加藤勝信 厚生労働大臣)

足下の状況を踏まえてリーマン・ショックを超えると

いうことだと思いますけれども、雇用ということになると、

一時的なショック以上に、どのくらいの期間それが

続くのか総合的に判断しなきゃいけないので、

直ちに雇用全体として見たときの影響というのは、

これはなかなか算定しにくいんだろうと

いうふうに思います。
 例えば、リーマン・ショックのときの完全失業率

というのは五・五です。今、令和二年の、今日出たのが

たしか二月が二・四だったと思います。

それから、有効求人倍率も〇・四二と一・四五と

いうことですから、随分、その足下の水準は随分違うと

いうことがまずあるんだろうというふうに思いますので、

それがこれからどう動いていくのか、これはしっかり

注視しなければならないと思います。
 その上で、リーマン級のことの、これ時間軸も含めて、

起きたときに支えられるのかということに関しては

一定程度の試算ではありますけれども、単年度で七千億、

二か年にわたると約一兆の支出増ということが

当時の状況から試算をされるので、仮にそのぐらいの支出が

今の支出に乗ったとしても積立金の幅を考えると対応は

できる、こういうことを判断をしているところであります。
 もちろん、その場合には、その後の運営もありますから、保険料率をどうしていくのか、それから二か年終わった後の国庫負担をどうしていくのか、これは当然議論しなきゃ

いけないところだと思います。

 

問)この失業者の試算というのはしているんでしょうか

 

答 小林洋司 職業安定局長)

そういう状況は試算しておりません。平成三十年度の状況を基に今の状況で推移すればということでやっております。

 

問)これ、二年前の二〇一八年の三月二十九日に

ちょうど質問主意書を出したんですけど、私の出した

質問主意書で、国際観光旅客税の関係の質問主意書を

出したときに、訪日外国人旅行者が減少する影響だけで、

当時ですね、二年前に、経済損失で二・七兆円、

観光業などの雇用が五十八万人これ失業するということで、

当時、二年前に政府が出しているんですね。
 それによって、今回、国際観光の観光業だけじゃない

今この経済的な損失が生じているということを考えると、

一年間でということになるとまた違ってくると

思うんですが、本当に現時点でやっぱりそういった試算を

やっぱりしっかりしておくべきではないかと思います。

そして、試算に基づいてやっぱり法案を提出すべきでは

なかったかと思います。
 この当時も、国際観光旅客税のこういった使用目的

としてこれやっぱり旅行目的ということになっているんですが、これやっぱり国際的な感染症対策にも

これ広げるべきではないかと思いますが、

大臣、いかがですか、通告していないんですけど。

国際観光旅客税について、是非これ国際的な感染症対策にも税金をやっぱりちゃんと振り向けていくということを

考えてはどうかということなんですが。

 

答 加藤勝信 厚生労働大臣)

その国際観光旅客税自体を、ちょっと済みません、

十分に承知をしておりませんが、多分それは何に使うか

という決まったものなんだろうというふうに思います。
 ただ、いずれにしても感染症対策はもう現時点では

最優先の課題でありますから、どの税金ということに

関係なく必要なものをしっかり実施し、それに対する

財源措置を様々な形で対応していく、

そういうことなんだろうと思います。

 

問)

是非、国際観光旅客税、二年前に議論になったときに

そういったことを質問させていただいていたんですが、

観光をスムーズにするために使うとか言って

いたんですけど、全く使われていないということで、

やっぱりこの感染症対策にもっと国際観光旅客税を

ちゃんと使っていくようにと。

それが日本国内だけではなく、海外にも使えるようにと

いうことをやっぱり是非主張しておきたいと思います。
 

 次に、法案の高齢者の就業機会の確保及び

就業機会の促進についてですが、

厚労省の法案資料によれば、七十歳までの雇用を

目的として、雇用以外の措置を検討する場合は

労働者の過半数を代表する者の同意を求めるとしています。
 この同意の公平性の証明については、衆議院の議論でも

複数回質問されていますし、また先日の石橋委員からも

質問がありました。

しかし、政府答弁を聞いていても、全くもって政府の誠意

を感じることができません。これもまた無責任というか、

被用者の人生に対して余りに他人事、人ごとのような

答弁しかないんです。
 労働者の過半数を代表する者というのが

例えば組合であれば、会社の言いなりの組合、

御用組合とかちょうちん組合の場合、

この要件自体が無意味にならないでしょうか。

経営者の希望どおりに受け入れられるような組合で

あっては高齢の被用者の権利を守ることはできませんし、

ましてや、組合がないような企業の場合に、

会社にとって都合の良い人間ばかりが労働者の過半数を

代表する者として選ばれることも珍しくありません。
 そんな恣意的な代表者の同意でどれほどの意味が

あるのか分かりませんが、政府にこれは聞きたい

と思いますが、同意はもちろんですが、

こうした意思決定プロセスにおいて被用者の意見を

正しく反映するためにどういった措置を

具体的に立てるつもりなのか、お考えを教えてください。

 

答 小林洋司 職業安定局長)

お答えいたします。
 労働組合の組織率一七%程度という現状の中で、

今御指摘いただきましたような過半数代表者の選任を

適切にするということは非常に重要な意義を有しておると

いうふうに考えております。

一方で、過半数代表者の選出につきましては、

例えば会社側が指名する等の不適切な方法で行われている

という割合も一定程度というような調査結果があることも

承知をしておるところでございます。
 このため、創業等支援措置を講ずる場合の

過半数代表者の選出の手続等についてでございますが、

必要な内容を省令に規定することといたしたいと思います。また、適切な手続により選出する必要があるということを

指針に明示するということで審議会で御議論いただきたい

というふうに考えております。
 また、実際に同意を得る際でございますが、

措置の内容ですとか、当該措置を選択する理由、

あるいは雇用関係がない場合には労働関係法令が

適用されないことといったことについて過半数代表者等に

十分説明するということも重要でございますので、

こういったことも指針に明記する方向で審議会の方で

御議論いただきたいというふうに思います。

問)

ガイドラインを示すといっても、問題は、

このガイドラインをきちんと遵守して同意を得られたのか

どうかということが問題なのではないのでしょうか。
 同意を取るプロセスが適切であったかどうかの確認は

どのように取るのでしょうか。

また、この同意プロセスが適切でなかった場合には、

当該企業に罰則も含む適切な指導をするという理解で

よろしいのでしょうか。

 

答 小林洋司 職業安定局長)

先ほど申し上げましたように、労働者の側が、

この同意プロセスあるいは創業等支援措置が労働関係法令が適用されないといったことについて十分な知識を持っていていただく必要があると思いますので、そういった基本的な

認識を労使でしっかり共有していただくということが必要になるというふうに思います。
 その上で、罰則についてのお話ございました。

今回新設する措置につきましては、努力義務ということも

ございますので、罰則については法律上規定していないわけでございますけれども、この労使合意というのは

創業等支援措置をする上での非常に重要なプロセスだと

いうふうに思いますので、ここの欠落といったような

法の趣旨を逸脱した取扱いがなされているような場合には、都道府県労働局により必要な指導、助言等を行って

まいりたいというふうに思います。

 

問)この罰則がない努力義務で

企業が守るのかということなんですが、こ

んな不適切な同意プロセスで被用者の権利は守れないと

思います。

税務上のペナルティーなり何らかの罰則を考えるべきだと

思いますが、是非検討をお願いしたいと思います。
 さらに、不当にこの同意が得られたという事実があった

場合、具体的に、圧倒的に不利な条件で非雇用状態に

なってしまった高齢者について教えていただきたいと

思います。
 瑕疵のある同意プロセス、あるいは労働者の意見が

正しく反映されないプロセスで形成された同意によって

雇用が失われたことが後になって分かった場合、この非雇用状態を雇用の状態に戻すことは可能なのでしょうか。

こういう場合に、元被用者が個々に裁判に訴えなければ元被用者の原状回復、この場合でいえば地位確認ができないとなると、この法律は天下の悪法となってしまいます。
 ここはしっかりと国家が管理して、きちんと

原状回復させる強制力を持つようにすべきと思いますが、

この同意プロセスが不当であった場合の非雇用契約の取扱いについて教えてください。

 

答 小林洋司 職業安定局長)

この過半数代表者等との同意が適切な方法で行われて

いない場合でございますが、一義的には、十条の二の本文

の方に雇用によるという選択肢が定められておりますので、そこに戻るという形になりますが、

一方で、改めて適切な方法で過半数代表者等の同意が

得られればそれは創業等支援措置として有効になり得ると

いうことでございますので、そこの二つの選択肢の中で

どちらを選択していくかということになろうというふうに思っています。
 いずれにいたしましても、そういった中でその雇用を

選択するということになった場合でございますけれども、

その場合には、その創業等支援措置の対象になっていた

高年齢者についても、本人の希望を踏まえて、

新たに講じる措置の対象とするということが求められて

くるというふうに思います。
 今後、法の趣旨を踏まえた適正な運用が図られるように、必要に応じて都道府県労働局により指導、助言等を行って

まいりたいというふうに思います。

 

問)確認ですけれども、行政が、瑕疵ある同意であった場合にはこの原状回復を強制するという理解でよろしいんですね

 

答 小林洋司 職業安定局長)

先ほど申し上げましたように、しっかりとした同意という

ことが形成されれば創業等支援措置という選択肢も生きてくるわけでございまして、そこが欠落していれば雇用の方に

戻ると、そういう関係でございます。

 

問)やはり、確実に元の状態に戻せるようにできなければ

フェアな労働契約とは言えません。人生百年時代を

安心して生き抜くためにも、きちんと対応をお願いしたい

と思います。これは、何でもかんでもこれ救済しろ

と言っているわけではありませんで、適切な同意プロセスを経ていない企業に、その同意プロセスによって生じた

不利益を是正するように命ずるだけですから、

是非よろしくお願いします。
 

 次に、高齢者の雇用環境という点から質問させていただきます。


 この法案では七十歳まで働くことが前提とされていますが、高齢者が気持ちよく、それこそ健康に働き続ける

ためには、それに応じた労働環境が整備される必要が

あります。まずは、高齢者が働く場所である就業環境の改善はどうなるのか。

例えば、バリアフリー、照度の調整、聴力サポート、若年層とは異なる労働安全衛生、衛生教育の必要性、ここでは健康面ではなく事故防止という観点ですが、こうした様々な問題があると思います。
 労働契約を延長するという前提で、被用者である高齢者が働きやすい環境についてどう考えているかについて、明らかにしてください。

 

答 達谷窟 庸野 障碍者雇用開発審議官)

お答え申し上げます。
 近年、労働者の高齢化が進む中で、労働災害で死傷された方のうち六十歳以上の方々の占める割合が上昇し、

特に女性の転倒災害が増加するなど、高齢者が安心して

安全に働ける職場環境づくりが重要な課題と

なってございます。
 このため、厚生労働省におきましては、労使が

取り組むべき内容をまとめたガイドラインを策定した

ところでございまして、その周知啓発を通じて、

高齢者の安全と健康確保のための労使の取組を

促進することといたしてございます。

 

問)この職場環境というのは、一般に働く人々の

意識改革も必要だと思います。

エイジフレンドリーガイドラインと称した

ガイドラインがあるということですが、ここには事業者と

高齢者である被用者への意識改革を求めているだけで、

高齢者ではない同僚の意識改革までは書き込まれていません。フレンドリーとうたっているのであれば、労働者全体の意識改革も必要です。そういうことにも力を入れていただきたいと思います。職場全体がフレンドリーになれるようにする施策を期待しています。
 それでは、同様に、この高齢者である被用者の健康状態の把握はどうなのでしょうか。就業者の年齢構成の幅が広がるのですから、労働者が健康かつ安全に働いていくための

労働安全衛生についても再考が必要です。高齢者が働く

という状況に備えて、労働安全衛生法の適正化、

特に法定健康診断の中身を改めるなどの措置や、

産業医に対して老齢医療について十分な知識を付けるような研修制度の充実などは検討しているのでしょうか。

また、健康診断でリスク因子をしっかりと確認して健康に

働けるような環境を整える、その上で産業医が労働環境の

改善について助言する、そのためには、十分な知識が

なければ高齢者が安心して働ける環境など

つくれるはずもありません。
 健康面への配慮はどうなるのかについて教えてください。

 

答 坂口卓 労働基準局長)お答え申し上げます。
 今委員御指摘のように、近年の高齢化が進む中で、

高齢者の方が安心して安全に働ける職場環境づくりが

重要であると私どもも認識しております。
 そういった認識に立ちまして、また、七十歳までの

就業機会の確保に向けた今般の法整備に対応して、

有識者会議の提言を踏まえまして、高年齢者、高年齢労働者が健康かつ安全に働くために労使が取り組むべき内容を

まとめたガイドラインを策定したところでございます。
 その中では、健康診断あるいは体力チェックによって

高年齢労働者の健康状態や持久力、バランス、筋力等の状況を把握という、把握するということでありましたり、

あるいは高年齢労働者の特性を考慮した作業内容の見直し、具体的には、短時間勤務等への勤務形態の工夫とか、

あるいはゆとりある作業スピードへの改善等を推奨を

しているというところでございます。
 加えて、今委員から御指摘もございました、

労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断につきましてで

ございますが、これは、労働者の健康状態を把握して

労働時間の短縮等の事後措置を行い、脳・心臓疾患の発症の防止等を図るために事業者に義務付けているもので

ございますけれども、その項目につきましては、

制度の目的も踏まえつつ、今後も引き続きエビデンスを

収集し、エビデンスに基づいて今後とも検証してまいりたいと考えております。
 また、もう一点御指摘ございました、産業医を対象とした関係でございますけれども、産業医を対象とした

高年齢者の作業管理に関する研修につきまして、

産業医科大学において行われているところでございます

けれども、こういった研修のカリキュラムというものが

広めていけないかということにつきまして、関係機関と

相談をしてまいりたいと考えております。

 

問)

先ほどのエイジフレンドリーガイドラインですけれども、

資料にありましたが、米印の、請負の形式による

契約により業務を行う者についても参考にすることを

期待とか、結構備考にも大事なことが書いてあるかなと

思うんですが、このエイジフレンドリーガイドライン、

この労働者に求められる取組のところには、日頃から運動を取り入れ、食習慣の改善等により体力の維持と

生活習慣の改善に取り組む、これは高齢者だけではなくて、今これ、今、コロナウイルスなんかの状況も含めて、

やっぱりこれ本当にしっかりと、日頃からやっぱり

運動したり食習慣を改善することってやっぱり

免疫を高めていくためにすごく大事なことじゃないかなと

思っていて、本当にこういったことをやっぱり

もっと周知してもっと徹底していくことが大事ではないかと思うんですが、

例えば、今、ガス給湯機のコロナという会社がありますが、あっちの会社のコロナの方は、結構、社食を改善すること

によって、そして家族も含めて食習慣を改めること

によって大分その効果を上げてきているというようなことも聞いています。
 そういった、私は今、今年、特に学校給食に

力を入れているんですが、学校給食もそうですけれども、

社食など含めて、食習慣を変えていくことというのは、

やっぱりすごくこの体力維持と体力、生活習慣改善に

とっては非常に重要なことだと思いますので、是非、

この食習慣の改善ということにもっと力を入れて

いただきたいと思います。
 

 また、この国や関係機関による支援の活用ということで、社会的評価を高める仕組みの活用などもやっぱり

是非しっかりやっていただきたいと、そういった会社なども是非入れていただいてやることも含めて検討して

いただければと思います。
 次に、高齢になれば多くの疾病とお付き合いしながら

就業する被用者も増えてくるはずです。疾病を抱えて

程よく病と付き合いながら就業できる環境を整えなければ、働きながら生活することは難しいと思います。

広く一般に、この治療と仕事の両立支援ガイドラインというガイドラインを作成しているようですが、

こちらは高齢者特有の疾病を書き込んでいるとは言えない

のではないでしょうか。重篤な疾病だけでなく、軽度な疾患でも、年齢に応じたつらさというのがあります。

端的に言えば、つらいものはつらいということがありますし、あるいは、完治はしたものの完全な健康とは言えない

状態で働かなければならないという人もいるはずです。

こうした人々が個々の才能を最大限発揮できるような環境を一時的でも整えられるような制度も必要です。
 高齢者特有の健康状態をターゲットにした

両立ガイドラインは策定されると考えてよいのでしょうか。

 

答 坂口卓 労働基準局長)お答えいたします。
 労働安全衛生法におきましては、事業者に対しまして、

中高年齢者等、労働災害の防止に当たって特に配慮を

必要とする労働者については、これらの者の体力等に応じて適正な配置を行うように努めなければならない旨

規定しております。また、働き方実行計画において、

今委員御指摘がございましたような、

病気の治療と仕事の両立支援に取り組むということが

取りまとめられたものでございます。
 そういったことから、委員御指摘がございました

この事業場における治療と仕事の両立支援のための

ガイドラインということを策定して、今は事業者等に対して両立支援の取組を働きかけているところでございます。
 このガイドラインにつきましては、確かに

年齢にかかわらず全ての労働者を対象としているというところでございますけれども、

特に、がん、脳卒中を始めとした疾患、これは高齢者等になればその発症が増えているというような状況のものでございますけれども、そういった疾患について、

とりわけ適切な就業上の環境整備、あるいは個別の労働者

への支援の進め方ということを含めた事業場における

取組等をまとめさせていただいておるところでございます。
 今後、ガイドラインの周知等を通じまして

いろいろ意識の醸成ということを図りますとともに、

両立支援コーディネーターという、労働者の方を

トライアングル体制で支える、継続的に支える

コーディネーターの養成であったり、あるいは企業と

医療機関との連携を通じた取組ということについて、

高齢者も含む形でしっかり取組を進めてまいりたいと

思います。

 

問)また、重篤な疾病に罹患して就業機会が

失われてしまった高齢の労働者が再度雇用を希望する

場合の道筋はどうなっているのでしょうか。

高齢となって突然の病で仕事を辞めなければ

ならなくなった場合、病を克服した後の働き場所がないと

いうことになれば、健康でなければ働き続けることは

できません。

働くことが前提の人生百年プランをつくるのであれば、

第一線から退いたことを余儀なくされた高齢者の

就業機会の確保も重要な課題となります。
 こういう話をすると、ハローワークで高齢者向けの

職業紹介をしているという話を出されますが、

実際はそういった求人というのはほとんどありません。

紹介されるのはむしろシルバー人材の紹介で、

時給があるのかないのか分からないような

生きがい労働です。
 こんな不安定な状態で百歳まで安心して生きられるか

ということで、しっかりとした収入が確保できる仕事を

きちんと紹介できるようにしなければ、

一度でも病をしたら働けない世の中になってしまいます。

高齢者が生き生きと働けるための再雇用制度や就業機会の

創設こそが今求められると思いますが、これについて腹案があれば教えてください。

 

答 小林洋司 職業安定局長)お答えいたします。
 今、ハローワークのお話ございましたが、

ハローワークの方では、生涯現役支援窓口というのを

全国的に整備を図っておるところでございまして、

しっかりした求人がまだ十分ではないという御指摘も

あるかもしれませんが、高齢の方に対する寄り添い型の

きめ細かな支援に努めております。それから、実際に

高年齢者の方を雇い入れていただいた事業主の方に

対しましては、特定求職者雇用開発助成金といった助成金

もございまして、こういったものをうまく組み合わせて

事業主に雇用を促しておるところでございます。
 また、長期療養者就職支援事業というのも行って

おります。これは、がんですとか肝炎等の疾病によって

長期にわたる治療等を受けながら就職を希望する方に対して、ハローワークと医療機関が連携して就職支援を

実施するといったものでございます。
 こういった取組を行うことによりまして、働く意欲のある高齢者、その有しておられる能力というのを発揮できるように支援に努めてまいりたいというふうに思います。

 

後半に続く!