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今日は昨年、4月と5月に質問した聖マリアンナ医科大学の精神科指定医不正取得事件に絡み、被験者であった方からの実名告発による臨床研究の不正と臨床研究適正化法案への取り組みについて厚生労働大臣を追求しました。

その他にも、血液製剤やワクチンなどの製造販売業抜における外資規制について、また樺太抑留の死亡者名簿についても質問しました。

↓の議事録についてもぜひご覧ください。

○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。
 私が二十年前に薬害エイズ問題で実名を公表してから、もう既に、三月六日でしたので、ちょうど二十年が、約、経過をいたしました。
 私は、今日は聖マリアンナ医科大の精神科における臨床研究の不正の告発についてお伺いいたしますが、昨年の四月、五月にも私はこの聖マリアンナ医科大の問題、取り上げさせていただきました。
 その中で、この研究、特にこの治験に関わる問題についても取り上げましたが、あの後、私のところに、昨年の八月、川崎市にお住まいの湯浅円香さんという方から一通のメールが届きました。本日は、この御本人の強い意向で実名での告発ということでこれを取り上げさせていただきます。
 昨年、この委員会で取り上げたときに、精神保健指定医資格の不正取得事件で二十三人もの指定医が資格を取り消された聖マリアンナ医科大学病院で、この臨床試験でも数々の不正や被験者の人権を踏みにじる対応を行っていたという問題です。
 詳細はこの配付資料に、この読売新聞のヨミドクターをお読みいただけると分かると思うんですが、これを御覧ください。
 この湯浅さんは、二〇一〇年に過労で体調を崩されて、地元の診療所での初診では一次的な精神病性の障害と診断されたのですが、聖マリアンナでの診断は統合失調とされ、抗精神病薬を服用する臨床試験への参加を勧められました。そのときに主治医から手渡されたメモ、これが理事会の協議で今日、資料配付は認められませんでしたが、このロナセンという薬に丸印が付けられています。湯浅さんはこのとき気が付きませんでしたが、比較試験にもかかわらず、最初から医師が薬を選んでしまっているというこれは証拠です。
 試験に参加しても、幾度もの検査を受けて、診断された病名に落ち込みながら時を経て回復をした湯浅さんですが、昨年の指定医資格の不正報道によって、この主治医が患者データの使い回しで処分を受けたことを知り、自分の個人情報の取扱いを不安に感じて臨床試験からの個人データの削除と検査結果の原本閲覧を求めたところ、理不尽な対応をされて、私のところに相談に来られたのです。
 その後、専門家のアドバイスを受けて病院側とやり取りを続けた結果、研究の二重登録、プロトコル違反、同意のない患者データの使い回し、カルテの改ざんなど、臨床研究の倫理指針に反する数々の不正疑惑が出てきました。そして、この被験者の人権を著しく踏みにじる対応、言動を、暴言を今も繰り返しています。
 聖マリアンナ側は、この生命倫理委員会の指摘を受けて当該臨床試験を中止し、学内に調査委員会を設置して今月中に結論を出そうとしていますが、しかし、この調査委員会に外部の第三者委員会を入れないというのは不適切ではないでしょうか。また、湯浅さん御本人に調査委員会としてヒアリングをすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘がございました事案について、調査委員会には客観性、公平性の観点から第三者を入れることが望ましいのではないかと考えており、聖マリアンナ医科大学病院の担当者に対して既に行政指導を行ったところでございます。
 厚生労働省としては、大学病院に対して、適切に臨床研修が実施されていたかどうかということの調査を行った上で研究対象者に丁寧に説明をすべきだということを求めてまいっております。
 告発者からのヒアリングについては、大学病院の調査委員会においてその実施の判断が行われるものではないかというふうに考えておるところでございます。
○川田龍平君 私は、第三者も入れた形で湯浅さんから直接話を聞くべきと考えます。
 この指定医資格の不正取得で処分されたほかの医師が関与する臨床研究についても、不正がないか調査すべきではないでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) これまでも告発を受けた研究については、聖マリアンナ医科大学に対して適切に調査をするよう指導してきているところでございます。また、現在、聖マリアンナ医科大学病院では、特別に調査委員会を設置いたしまして、事実関係の調査を行っているところと承知いたしております。
 先ほど先生から御指摘のあった事案だけではなくて、指定医の取消処分を受けた全ての医師が関与する研究について適切に実施されていたか調査を行うよう指導してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 湯浅さんに対して臨床試験の検査データを破棄したとうそを言ったことについて、病院の医療安全担当も大学院の研究推進課も口裏を合わせていたということは、湯浅さんが私に提供してくれた面談時の録音からもこれは明らかです。このUSBの中に録音データが入っております。
 この聖マリアンナは特定機能病院に指定されていますが、昨年、群大病院、それから東京女子医大の事件を受けて、大臣の特命で特定機能病院の医療安全対策の強化を打ち出したばかりではないですか。この医療安全担当も含めた病院ぐるみで被験者の人権を侵害した行為が発覚した以上、聖マリアンナの特定機能病院指定を取り消すべきではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 打ち続く特定機能病院の問題に対して、私どもとしては、この安全確保の体制をどう再構築していくのか、そのまた中での安全確保の体制そのものがどうなのかということを、今も引き続き、特定機能病院のガバナンスの在り方、意思決定の在り方、これについて引き続き検討を続けているところでございます。
 今の御指摘の点につきましては、聖マリアンナ医科大学に対して適切に調査するように指導してきたところであります。そして、その後の対応については、調査結果の報告を受けて、必要に応じて社会保障審議会医療分科会において議論をいただいて決め込んでいきたいというふうに思っております。
○川田龍平君 この音声データは後ほど大臣にもお渡しいたしますので、被験者の実名告発というこの重い決断を是非踏みにじらない対応を求めたいと思います。とはいえ、指針というレベルでは厚労省には権限はなく、法律がないために立入りの調査もできません。結局、この国には被験者の人権を守るための臨床試験の法制化がないことが問題なのです。
 この臨床研究の適正化法案の検討の進捗状況について、これ二国会連続でC法案とされているこの臨床研究の適正化法案、この一月の予算委員会でも、私が大臣に進捗状況を聞いたところ、最終的に詰めているところでございますのでまだ御議論をいろいろ賜りたいとの答弁でした。大臣、これ、いつまで待てばよいのでしょうか。
 これ、先日担当の課長にお話を聞いたところ、内閣法制局が忙しくて法案審査が進まないとのことでした。聞くところによれば、大臣肝煎りの児童福祉法改正案は関係団体との調整が終わらずに閣議決定に間に合わないということになったそうですね。できれば、法制局を待たせている間にこの臨床研究適正化法案の審査をお願いしてはいかがでしょうか。どうでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、児童福祉法は必ず出したいと思っておりますので、間に合わせたいというふうに考えております。
 臨床研究の適正化法案につきましてお尋ねをいただきましたが、平成二十六年の十二月、つまりおととしの十二月に既に臨床研究に係る制度の在り方に関する報告書、ここで、倫理指針の遵守を求めるだけではなくて法規制が必要だという指摘を受け、これを受けて昨年来複数回にわたって与党において臨床研究の規制の在り方について議論をしていただきました。
 先ほどお話がありましたように、少し時間が空いてしまいましたけれども、おととい、三月の八日から議論を与党の中において再開をいただいて、かなり議論百出だったようでございますが、今後とも、与党とよく相談をさせていただきながら、法案提出に向けて精力的に検討を進めて、この環境整備がちゃんとできて臨床研究も進むように、それも適正な形で進むようにしていきたいというふうに思います。
○川田龍平君 報道によりますと、規制緩和の流れの中で臨床研究の規制強化によって新薬の開発に支障が出ないのかとの発言が与党のPTの中で出たということですが、一体どのような形でこんな発言がされたのか、会議に出席された太田政務官、御答弁ください。
○大臣政務官(太田房江君) 三月八日に開催されました御指摘の自由民主党PTでございますけれども、これに私も出席をさせていただいて議論を拝聴いたしました。議論百出ということの表現がございましたけれども、久しぶりに開催をしていただいていろいろな御意見を伺いましたので、確かに様々な意見ございました。
 例えば、御指摘のような意見もございましたし、また、臨床研究ばかりを規制して不適切な医療を規制できないのはバランスが悪いというような意見もございました。さらには、事故を未然に防ぐような仕組みはやはり重要なのではないかという御意見もございました。まさに議論百出であったわけでございます。
 厚生労働省といたしましては、臨床研究の適正化に関する検討と併せまして、医療機関における高難度新規医療技術や未承認医薬品等を用いる医療の適正な実施につきましても、安全管理体制の強化を求めることを検討し続けております。
 与党PT、自由民主党PTとも、これで議論が終わりということではなく、引き続き御相談申し上げるということだと理解しておりますので、しっかりと御相談を続けながら、まずは法案提出に向けて精力的に作業を進めていきたいと考えております。
○川田龍平君 与党のPTの皆さんにもやっぱり是非この議論を早く進めていただきたいと思います。
 私は、TPPには極めて反対の立場に近い、慎重な意見というか反対ですけれども、加盟国でこの臨床研究が法制化されていない国は日本だけではないでしょうか。これは、日本発の創薬を目指すという話も先ほどありましたけれども、そうであるならば、このTPP関連法案として今国会に提出すべきだったんではないかというふうにも考えます。やはりこういった臨床研究進まない、特に世界のレベルに追い付いていない、そういった意味でこの臨床研究をしっかり進める、治験も進めるということであれば、特にこの臨床研究の法制化をしっかりとやった上で、適正な臨床研究をしっかり進めていく上で大変重要な法律だと思っています。
 そして、この間に、昨年のこの議論の中にも分かったわけですけれども、こういうこの被験者、患者の人権がおとしめられる事件が数々起きています。これ、たった一件ではないと思います。これは氷山の一角だと思います。湯浅さんのような人が身を挺してこうして訴え出てくれなければ埋もれてしまうような臨床研究の不正というのは数々これまでも起こっています。そういった不正によって、単に研究者が罰せられないだけではなく、こうした被験者の人が苦しんでいるんです。被験者の人は必要もない薬を与えられていたのかもしれない、一時的な病気であったのかもしれないのに、この臨床試験に参加することによって、薬を飲み続けることによって、この診断が結局、試験結果のデータが良く出るかもしれないと思って、結局、そういう薬を飲む必要のない人までこの治験に参加させられたり臨床試験に参加させられて、そしてその結果、この人は人生の五年間、それ以上を棒に振ってしまっている。そういった被験者の人権をしっかり守るためにも、これは法律が必要なんですよ。本当にそのことを分かっていただきたい。
 こういった臨床試験によって人生をないがしろにされている、人権をないがしろにされている、そういう人たちがいるんだということを、そのことを身をもって実名で告発してくれている人がいるということを是非理解して、これは是非、厚生労働大臣、積極的に是非進めていただくようによろしくお願いいたします。一言、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私は一貫してこの法制化を後押ししてできるだけ早く出すということでやってきた人間でございますので、今の川田先生の、特に被験者が不幸な経験をさせられているというケースも多々あるように今お話がございました。そういうことも踏まえて進めてまいりたいというふうに思っております。
○川田龍平君 あわせて、この国会での、是非、議員立法でも出させていただいております。是非、委員の皆様にも、大変、今国会、法律が多くてなかなか議員立法まで時間が回るか分かりませんが、是非とも議員立法の方の審議も是非、委員長、よろしくお願いいたします。
 そして、次の話題に入らせていただきます。
 医薬品については、国民の命を守るために必要なものであり、国が責任を持って安定供給を図るべきものと考えます。今や業界トップの武田も外資の比率が三三%、塩野義が三六%、アステラスが五一%、中外に至っては七六%に達しています。これでは、国内での製造生産体制を整備しても安定供給が確保されて危機管理ができているとは言えないのではないでしょうか。医薬品、とりわけ血液製剤やワクチンの製造販売業への外資規制について行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中垣英明君) 今御指摘の外資への規制ということでございますが、まず血液製剤につきましては、WHOの自給に関する勧告、あるいはその感染症対策の観点、また過去に海外からの遺伝子組換え製剤の供給が停止した問題とか、いろんな問題が生じたことを踏まえまして、安全な血液製剤の安定供給の確保に関する法律、いわゆる血液法と言っておりますけれども、この第三条に基づきまして国内の自給を原則といたしているところでございます。
 また、ワクチンにつきましては、予防接種法に基づきまして策定した予防接種基本計画におきまして、危機管理上の観点から、国は、パンデミックが発生し世界的に供給が不足するおそれがあるワクチンにつきましては国内で製造できる生産体制を確保していこうということでやっておるところでございます。
 委員御指摘の外資規制につきましては、一方で、海外で開発された革新的な製剤の活用をどうしていくのかということを踏まえる必要があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、今おっしゃったように、血液製剤、ワクチン、これも安定的に確保していくというのが非常に重要な課題だというふうに思っておりまして、私ども、昨年、事務次官を本部長として設置しましたワクチンと血液製剤のタスクフォースにおきまして、今後、これらの産業の在り方についても更に検討を深めていきたいと思っておるところでございます。
○川田龍平君 他の諸外国ではこの外資規制を導入している国というのはないんでしょうか。
○政府参考人(中垣英明君) 完全に調べ切っておるわけではございませんけれども、株式その他で規制している国はあるやに承知いたしております。
○川田龍平君 これは、我が国にも外為法上規制を掛ける仕組みはあるのですから、もっとほかの国のことも是非よく調べていただき、グローバル化という名の下に国民の命が守られないような社会ではなく、命が守られる社会を実現するために、真逆の方向に進まないように是非お願いいたします。
 次に、介護保険第二号被保険者の保険料徴収開始時の通知の在り方について伺います。
 私は、今年の一月に四十歳になりました。歳費の明細というか、たまたま送られてきた明細を見たところ、介護保険料が天引きされていることに気付きました。まさか自分が介護保険料を払うような年になるまで生きられると思っていませんでしたので、全くこの介護保険料を払うということを想定していなかったんですが、先ほど四十一歳の清水委員にも聞いたところ、自分も知らないうちに払っていたと。やっぱりこの四十歳というのは何の通知もなくいきなり天引きが始まっているんですね。これ、少し違和感を感じました。何の事前もなく徴収を開始することに違和感を感じたのは私だけなんでしょうか。
 大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 四十歳から介護保険料を払っていただくということを決めたときに、私もう既に議員でございましたので、私自身は四十になればということで、実際あのときは二十歳から掛けようという話もあったので、分かっているわけでありますけれども、若い方々は確かにそういうことは分からずにということで、初めて知れば驚くということもあり得ることだろうというふうに思いました。
 四十歳から六十四歳までの方の介護保険料については、今医療保険料と併せて医療保険者が徴収をしているわけでありまして、医療保険者が新たに四十歳になった方から介護保険料を徴収する際に事前に個別のお知らせを行う仕組みは今はございませんけれども、健康保険については、事業主が報酬から保険料を控除した場合はその控除額を被保険者に通知をする義務が法律で定められているわけであります。また、若者世代も含めた介護保険制度の周知については、厚労省のホームページあるいは介護保険者である市町村において、広報とかあるいはパンフレットなどを使って広報しております。それから、医療保険者においても、ホームページなどを活用して介護保険制度についても周知をしているところもあると承知をしています。
 これらに加えて、家族の介護が必要となった方々等に対して地域包括支援センターなどにおける介護サービスや介護休業制度等に関する情報提供の強化を行うということにしているわけでありますが、若者世代への更なる制度の周知方法が必要という今の御意見、これについては、医療保険者などの関係者とよく調整をして、どういうふうにすることがあり得るのかということを検討してまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 四十歳になってから特定疾病についても介護のサービスを利用できるということになっておりますし、それは病院からもこれは情報をいただけるのかもしれませんけれども、やっぱりこういったことも知っていると知らないとでは違うと思いますし、それから、やっぱり特に自分自身の介護保険サービスにとどまらずに、親の介護というのを控えて、介護休業ですとか地域包括支援センターの紹介などの介護家族として必要な情報提供というのも同時に行うべきではないかと考えます。
 是非、これ、たまたま今予算委員会の公聴会に行ったときに水戸市長が来ていて、水戸市の資料としていただいたパンフレットですけれども、大変こういうふうによくできた資料があるんですが、これは六十五歳以上に配られるんですね。やはり四十歳になったときに何の通知もなく来られると、結局親が介護が必要になったときにも慌ててしまって、ちょうど今これから雇用についての法案も出てくるときに休業の話も話題になると思いますけれども、やっぱり本当にこういったことってもっと若いときに知っておけばサービスを利用できたのになということがあるのではないかと思いますので、是非それについて大臣、これ早く通知を行う意見者、医療保険者と是非相談するということを是非よろしくお願いいたします。
 これ、ウエブに掲載するだけではなくて、やっぱり直接この本人に掲載すべきと考えますが、この徴収の開始というのは制度周知の良いとてもいい機会ですので、是非、厚労省から通知を出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) さっき申し上げたように、医療保険と一緒に徴収をしている保険料でございますので、保険者がそれぞれやるという考え方もありましょうし、そういうような様々な意見を糾合して、どのようにしたら一番若い人たちに気持ちよく払っていただけるようになるかということを考えていかなきゃいけないというふうに思います。
○川田龍平君 次に、この樺太抑留の名簿について伺います。
 三月七日に、「樺太抑留に新資料」という大きな記事が出ました。厚労省は、この読売新聞の指摘を受けて、急遽二百六十三人の死亡者名簿を入手したとありますが、指摘を受けたのはいつで、死亡者名簿を入手したのはいつでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。
 厚生労働省では、昨年六月に外交ルートを通じまして、ロシア連邦国立軍事古文書館に樺太、千島などの地域の抑留者関係資料の照会請求をしておりました。そうしたところ、本年一月十四日に、新聞社の方から、新聞社独自の取組で二百六十三名の死亡者名簿等の資料を入手したとの具体的な情報をいただきましたので、軍事古文書館に対しまして、取り急ぎ当該名簿について前倒しの提供を御依頼いたしまして、本年一月二十九日に入手しております。
 この情報につきましては、現在、翻訳の上、厚生労働省が保有する抑留死亡者についての資料と付き合わせを行ってございまして、漢字氏名、出身地等の確認を行った上で公表してまいります。
○川田龍平君 この死亡者を含む約二十九万人分の管理記録もこれ入手したのでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 御指摘の約二十九万人分の管理記録というのは、新聞に掲載された樺太の真岡にございました第三百七十九送還収容所に入った日本人の人数の内訳を整理した表などの記録のことと理解してございますけれども、その記録自体は入手してございません。
 ただ、抑留死亡者全体に係る記録につきましては、昨年六月に樺太等を含む情報について照会要求しているところでございまして、来年度にもお尋ねの記録も含めまして、現地で調査を行いまして、抑留死亡者の調査に関する必要な資料を入手してまいります。
○川田龍平君 この約二十九万人分の大部分は民間人のようですが、従来厚労省が把握していた樺太、千島からの引揚者の数は何人でしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 厚生労働省では、樺太又は千島から戦後日本の港に引き揚げてきた方の人数を把握してございまして、その引揚者数は約二十九万四千人、うち軍人軍属が約一万六千人、一般邦人、いわゆる民間人でございますが、は二十七万八千人と把握してございます。
○川田龍平君 これ、読売新聞は樺太抑留と称していますが、いわゆるシベリア、モンゴル抑留とは異なり、自由は制限されていたものの、自宅に住み続け、外出、移動もできたようですが、それでも厚労省は抑留とみなしているのでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 厚生労働省では、従来、シベリア、モンゴル地域を優先して抑留者調査を行ってきたということがございまして、昨年四月より、樺太や北朝鮮などの地域も含む約一万一千人分の死亡者名簿を追加的に公表するなど、対象地域を樺太や北朝鮮などの地域に拡大して身元の特定を進めております。
 樺太地域の方々につきましては、シベリア、モンゴルとは異なりまして、当時、自宅に住んでいる、あるいは、ある程度の外出、移動ができた方という方もいらっしゃるわけでございまして、ただ、それを個々の状況について把握するというのは、またそれはそれで困難なことでございますものですから、これらの方々も含めまして、抑留者としまして、身元の特定に向けた調査に取り組んでございます。
○川田龍平君 これ、大臣、昨年の五月にもこの指摘をいたしましたが、民間も含めた調査体制の抜本的な強化が必要と考えます。
 是非、これ大臣、民間も含めた調査、しっかりやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 新たな資料の入手に努め、そしてまた身元の特定に向けた調査、それは民間の方かどうかを含めて調査を進めてまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 ありがとうございました。