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昨日の質疑についての速記録が出ました。記録に誤りがないか、詳細について今後チェックを行う予定ですが、ぜひご覧いただきたいと思います。

○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。
 今日は、経済・財政等についての質問をさせていただきます。
 安倍総理は、所信表明演説において、一億総活躍の最も根源的な課題は、人口減少課題に立ち向かうこと、そして希望出生率一・八の実現を目指しますということを述べられております。麻生大臣も、少子高齢化という構造的課題に真正面から取り組んでまいりますということもおっしゃっております。
 そこで、私は、子供の命を守り育てていく政策について、具体的な提案も含めて、総理並びに関係大臣に質問いたします。時間に限りがありますので、簡潔な答弁をお願いいたします。
 保育園落ちた、日本死ねと題したブログが注目を集めています。安心して子供を預ける仕組みが今のところ本当に不十分で不足しています。一方で、資格を持っているにもかかわらず保育士として働けていない、働いていない潜在保育士は全国で六十万人以上と言われています。現場に復帰できていない理由の一つには、保育所での仕事が長時間労働という声、もちろん処遇の問題もあります。一方で、短時間でも自宅にベビーシッターが欲しいとのお母さんたちの声を私は聞いております。
 そこで、私は、この潜在保育士を掘り起こして、高い質が担保されたベビーシッターを国の負担で自治体が派遣する仕組みを提案したいと思いますが、厚労大臣の所見を伺います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 保育士確保が厳しい中で必要な保育士を確保していくために、より多くの潜在保育士の方々にベビーシッターを含めた保育の現場で活躍いただくことが重要ではないかというふうに考えておりまして、今ベビーシッターの御提言をいただきましたが、このベビーシッターについては、保育所などにおける保育を補完をし多様なニーズに応えるものであって、安全で質の高いサービスとして提供されることが重要でありまして、このため専門的な知識と技術を有する保育士がより多くその担い手となっていただくことが望ましいというふうに考えておりまして、昨年の四月から施行された子ども・子育て支援新制度において市町村の認可事業として、保育者が乳幼児の自宅において保育を行う居宅訪問型保育事業を新設しておりまして、一定の研修を受けた保育士などに担い手となっていただく仕組みとしておるわけでございます。
 こういうような形でベビーシッターを含めた保育の充実とその質の確保に取り組んでいるわけでございまして、今、国がということでございましたが、まずはこういうような形で、今できることを精いっぱいやっていくという形で人材を確保し、またサービスを確保していくことが重要かなというふうに考えておるところでございます。

○川田龍平君 今のベビーシッターの制度には公的な資格制度というものがありません。ベビーシッターには、利用料が高い上に、また、一昨年もインターネットでベビーシッターを雇った方の子供が亡くなるという事件がありましたけれども、密室での虐待などの不安もあります。今、インフルエンザの治療が終わった後の自宅の待機の間の期間中なども保育園に預けられないときというのもあります。随分これはお母さんたちも、お父さんも助かるのではないかと思いますが、大臣、是非、公的のベビーシッター制度、サービスの創設を是非御検討ください。よろしくお願いいたします。

 次に、子供の貧困対策に関して伺います。
 貧困の連鎖を断ち切るには教育が重要なことは、これまでもこの委員会で何度も取り上げられてまいりましたので、言うまでもありません。とりわけ、年々値上がりをしています大学の授業料について、これが大変大きな家計への負担となっております。公立、私立、文系、理系問わず、大学の授業料を基本的にこれ無償化すべきではないでしょうか。
 私はドイツの大学に留学をしていたときが一時期ありますが、軽減税率ですとか様々な、軽減とは言えず据置きですけれども、こういう税額の問題、間接税のことを言うときにヨーロッパを引き合いに出す割には、ヨーロッパの大学は無償で大学の授業を受けられます。そういった意味では、是非、ヨーロッパを税率において取り上げるのであれば、教育についてもやっぱりヨーロッパを参考にすべきではないかと私は思っています。
 また、高校や大学受験を迎える中三や高三の子供の家庭というのも、一年間大変大きな塾代なども出しているということで、家計を、大変教育に掛ける費用が掛かります。是非こういった塾代なども、大阪市が先行して塾代を出すということをしていますけれども、一部を出すということをしていますが、これについても国が負担すべきではないかと考えますが、文科大臣の見解を伺います。

○国務大臣(馳浩君) 子供たちの未来が家庭の経済状況によって左右されるようなことがあってはならないと考えております。
 学習塾に掛かる経費をクーポン券等で直接個人に助成をすることや大学の授業料無償化については、財源の確保や受益者負担の在り方などから慎重な検討が必要であると考えております。
 文科省としては、来年度予算において、地域未来塾の実施、あるいは無利子奨学金や授業料減免を拡大するとともに、所得連動返還型奨学金制度の導入に向けた制度設計などを盛り込んでおります。これらの取組を通じて、今後とも、家庭の経済状況にかかわらず誰もがいつでも希望する質の高い教育を受けられる社会の実現に向けて取り組んでまいります。

○川田龍平君 是非、こういった大胆な政策の転換を行わなければ、出生率の一・八%の実現というのは難しいのではないかと思います。子供一人につき一千万円の現金給付という話も、提言もあるくらいですが、私は現物給付がやはり望ましいと考えますので、是非、教育にお金を是非使っていただきたいと思います。
 特に、老後の不安、医療やそして社会保障、そして教育について不安があるために、税金が上がることについてもやはり抵抗がある。そこに税金が取られても社会保障の面がしっかり整備されているのであれば、それは喜んで払うという人もいると思います。そういった意味では、税制の軽減措置というよりも、やはりこれから掛かるべきお金をしっかり税でもって負担できるようにしていくということが必要ではないかと思っています。
 次に、今なお残る事実婚や未婚の母の子供への差別の解消について伺います。
 長年の課題でありました婚外子の相続差別については二〇一三年の民法改正で解消されたところですが、共同親権や氏の承継など、まだまだ差別は残っています。未婚の母も税制上の寡婦控除の対象として保険料などの減免を行うべきと考えますが、財務大臣、厚労大臣の見解を求めます。
 そして、厚労大臣には、事実婚のカップルにも不妊治療への補助を検討すべきではないでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) この寡婦控除の話は、もう御存じのように、夫との死別、離婚でしたっけね、それから、等々、家族の生計を支えていなければならない者に対して税制上の配慮を行うということでありまして、いわゆる未婚の母には適用されておりません。
 お尋ねの、今、寡婦控除につきましては、これ、平成二十八年度の税制改正において、この大綱において、家族のいわゆる関わり方とか家族の在り方に関する事柄でもありますので、他の控除、例えば配偶者控除とか扶養控除とかいろいろありますけれども、こういったものとの関係にもよく留意しながら、夫との死別とか離婚とかいうものの事情に基づく配慮という制度の趣旨というものを踏まえていきますと、所得税のいわゆるいろいろな控除の在り方の議論の中でこれは検討を行うということにいたしておりますけれども、今、与党においてこれは検討の内容を、いろいろやっておられますので、その内容を注視しながら必要な検討を今後行ってまいりたいと考えておりまして、今の段階ではもう今申し上げたとおりです。
○国務大臣(塩崎恭久君) 未婚の母の税制上の扱いについては、今財務大臣から御答弁があったとおり、家族の在り方や他の控除との関係、それから所得税の諸控除の在り方の中で議論をしていくんだろうというふうに思います。未婚の母に係る問題というのはやはり家族の根本でありますので、そういうふうなことで考えていくべきだと思います。
 一方で、不妊治療への助成のお話がございました。
 これは、現行制度では、法律上の婚姻をしている夫婦を対象として助成を行っているわけでございますが、事実婚を対象とすることについて当然御議論があるわけでございます。これは産婦人科学会も、平成二十六年の六月に倫理指針の内容を見直しまして、事実婚の者に対する体外受精を認めるということにしたところでございまして、私どもとしては、社会情勢の変化による家族の在り方を踏まえながら検討をしていくべきではないかというふうに考えております。

○川田龍平君 この徹底した未婚のカップルに対する支援をすることで、出生率を二にまでに回復させたフランスをやっぱり是非見習うべきではないかと思いますので、是非支援を御検討ください。
 次に、原発事故に伴う放射線被害に関する丸川大臣の、一か月前になりますけれども、許し難い、まあ撤回はされましたが、発言について伺います。
 二月七日の長野県の松本市での年間一ミリシーベルトに根拠はないとの発言は撤回して、放射線に関し不安を抱えている国民に謝罪をされましたが、現存被曝状況下での健康値としての一ミリシーベルトについても、科学的根拠がないと丸川大臣は今でもお考えでしょうか。

○国務大臣(丸川珠代君) まずもって、先生御指摘いただきましたように、発言については撤回をさせていただきましたし、福島の皆様に御不安を与えたことは大変申し訳ないと思っております。
 その上で、私が申し上げた科学的根拠がないというのは、統計学的な分析を行った疫学調査等の客観的な裏付けがあるかどうかという点について申し上げたのでございまして、もう先生よく御承知だと思いますけど、ICRPは放射線防護の考え方を示して、その中で目安を示しているということは専門家の間での共通の理解ではないかと思っております。
 専門家、科学的に議論をしたという意味においては科学的であろうかと思います。

○川田龍平君 この放射線に対する考え方というのは、本当にこれはいまだに不安を感じている人たちがたくさんいらっしゃいます。これが科学的か非科学的かということももちろん重要ですけれども、二日の小川委員への答弁で大臣は、この反放射能派とは福島で被災をされて放射線に対して不安を抱えていらっしゃる方々のことではないと言いました。
 では、この福島県外において事故の初期にヨウ素に被曝した子供たちの健康を案じるお母さんたちのことを大臣は反放射能派と今でもお考えなのでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 放射能に対する予備知識がない中で被災された皆様方が不安を感じるのは、これは当然のことだと思いますので、私の発言は、少なくとも福島を含めてそういう現場で被災をされた皆様方を指して申し上げているわけではございません。
 私の発言の趣旨というのは、当時の社会においてゼロリスクでなければ受け入れられないというような、合理的な議論には耳を傾けないといった考え方に世論が引きずられていたということを申し上げたものでございまして、いずれにしても、これも撤回をさせていただいた発言でございます。
 なお、福島県外で被災された方への健康調査の必要性については、国際機関であるWHOやUNSCEARの報告書においてもその必要性が指摘をされていないことは先生も御承知かと思います。

○川田龍平君 これは、放射能が飛散する状況というのは、県境でこれが状況が違うということではなくて、これは福島県から、隣接している地域、それから関東地方にもこれ及んでいるわけです。そういった意味では、この放射線に対する考え方を、福島だけではないんですね。この福島の方たちだけにこれ謝ったということですけれども、それでよろしいんでしょうか。

○国務大臣(丸川珠代君) 福島県に関する発言を撤回して、その件について御不安を覚えた方には謝罪を申し上げました。

○川田龍平君 この福島県の子供の甲状腺検査は二巡目を迎えております。この甲状腺がんが多発をしていて、これまで百六十人以上が甲状腺がんないしがんの疑いと診断され、そのうち百十五人の子供が手術を受けました。
 この二巡目に五十一人も見付かったことについて、一巡目で見落としがあったかもと環境省はしていますが、そんないいかげんな検査だったんでしょうか、県立医大に任せておいてよろしいんでしょうか、大臣。

○国務大臣(丸川珠代君) 福島県立医大とは、環境省とよくコミュニケーションを取らせていただいて、状況を把握しながらやらせていただいています。
 なお、今、多発という御指摘がございましたけれども、それは福島県の県民健康調査の検討委員会の甲状腺検査評価部会の中間取りまとめで、甲状腺検査の結果、甲状腺がんの悪性ないし悪性疑いと判定された者が甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病率に比べて数十倍のオーダーで多いことが指摘され、その解釈については過剰診断の可能性が高いとの意見があった旨の記載を御指摘いただいているんだと理解をいたしますけれども、多発という言葉、多く発生することという理解でございますので、この中間取りまとめの表現とは異なるように誤解を受けるおそれがあることから、環境省としましては、ただいま御紹介をいたしましたように、例えば甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病率に比べて数十倍のオーダーで多いと正確に表現することが適切だと考えております。

○川田龍平君 この数十倍というのが多くないんでしょうか。
 環境省は、過剰診断で治療が必要のないがんを手術してしまったとしていますが、大事な福島や福島以外のこの子供たちの喉を必要もないのに切ったのであれば大問題ではないですか。一つ一つの症例について厚労省が調査すべきと考えますが、厚労大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) がんの治療につきましては、医師が患者及び家族に対して十分な説明を行った上でガイドラインに基づき適切な診断及び治療が行われているものと承知をしておりまして、福島県における放射線の健康影響の対策などにつきましては、先ほど来お話がございますように環境省が所管をしておりますので、環境省の答弁が政府としての答弁ということになろうかというふうに思います。

○川田龍平君 これ、しっかり厚労省でも取り組んでいただきたいと思います。これ、環境省がずっとやっていると、いつまでたっても環境省は関係ないということになってしまって、厚労省がしっかり対策を取るべきだと思います。
 質問時間がなくなりましたので、実はパネルも用意していたんですけれども、(資料提示)これ、サッカーの競技場の人工芝の、ここにまかれているタイヤの、古タイヤのゴムチップですけれども、これが今アメリカでは、がんの確率が高くなるのではないかということでこれが大変大きな健康問題になってきています。
 これについては省庁が、経産大臣、環境大臣、文科大臣、厚労大臣と大変多岐にわたる省庁に関係する事案ですので、これについて是非予算委員会で次回取り上げさせていただきたいと思っております。これはもうアメリカの消費者製品安全委員会、それから環境保護局、疾病対策センターと共同で、こういった人工芝グラウンドの充填剤として使用されているゴムチップの有害性について調査を開始すると発表しました。これについてまた是非、次回質問させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。