今日は財政金融委員会で質問に立ちました。

 
 
テーマは「公益法人への課税の見直し」についてです。

今、政府によって法人実効税率の引き下げが検討されています。
具体的には、現在35%程度の税率を、今後5年間で20%台に引き下げようというもの。

ただ、引き下げが行われる分、当然税収は減るので、それをどのように補うかが課題で、課税の対象を広げることで対応しようということが検討され始めています。

そのような流れの中、公益法人に対しても、課税の見直しが行われようとしており、そのことについて、質問をしました。

例えば、公益法人の範囲についてですが、政府税制調査会で法人税改革の検討を進めている法人課税ディスカッショングループでは、

「非収益事業とされる場合であっても、一般の民間法人と競合する分野が生じている」

として、公益法人等の指定の範囲の再検討を指摘しています。

競合する分野とは、どのようなケースがあるのかを質問しましたが、古川副大臣からは、社会福祉法人としては介護事業者などがあげられるが、その他の公益法人などについてはこれから、しっかりと調査していきたい、との答弁にとどまりました。


 

また、認定NPO法人みなし寄付金
についても質問しました。

NPOなどの公益法人への寄付金に対して、寄付をした人へは寄付金控除の措置がとられ、公益法人自身もみなし寄付金制度が設けられています。

このみなし寄付金制度を利用すると、「収益事業」で出た利益を、寄付金として「非収益事業」(特定非営利活動に係る事業)へ損金算入することが認められており、結果的に法人税としてかかる負担が大きく軽減されます。

ただ、特定公益増進法人(例えば学校法人など)と、認定NPO法人ではこれらの措置が規定されている法律が異なっているのが現状です。

特定公益増進法人に対するみなし寄付金は、法人税法で規定されているのに対し、認定NPO法人では、租税特別措置法で規定されているのです。

法人税改革のために、租税特別措置の縮小が進められようとしている流れの中で、認定NPO法人だけが見直しの対象となり、公平性を欠くのではないか?といった指摘をしました。

認定NPO法人におけるみなし寄付金は、平成24年度に拡充されたばかりです。縮小の対象に含めるべきではないことも、併せて訴えました。

 
地域活性化の重要な担い手となるなど、公益社会法人の社会における役割は重要な位置を占めています。

すべてを企業と同じような課税の条件にしようとするのは、かえって公益法人の活動が大きく制限され、本来の役割が果たせなくなる可能性があります。

 

麻生大臣も古川副大臣も、法人課税ディスカッショングループの審議がまだ途中段階であるとの答弁を繰り返していましたが、法人実効税率の引き下げとは切り分けて、法人類型や、政策目的等を、時間をかけて慎重に議論する必要があると思います。

今日は、この他に、福島についての描写が騒動となっている「美味しんぼ」のことについても触れ、麻生大臣は、

「当然、著者は取材をしていると思うが、しっかりとした裏付けをとっていないのではないかと感じた」

と述べていましたが、調査をし続けることが本当に大事だと思います。

世界でも初めての、前例のない原発事故であることから、改めて、今後も引き続き調査にしっかりと取り組むことの重要性を訴えました。


 

法人税改革については政府と与党の動きが活発化してきています。今後もそのプロセスから目を離さず、指摘を続けていきたいと思います