川田 龍平 オフィシャルブログ

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6月19日(火)、厚生労働委員会で質問いたしました。この日は午前は一般調査がおこなわれ、午後は障害者総合支援法の審議が行われました。
午後の審議には、委員会の傍聴に数多くの障害をもった当事者の方々が傍聴にこられ、この会期末にかこつけて三党合意で強引な審議がおこなわれたことたいして、そして、障害者自立支援法違憲訴訟の和解における基本合意をほとんど無視した法律の中身にたいしての怒りの声を上げられておりました。
私も、当事者としてこの法案の審議のやりかたも、内容も到底受け入れられるものではないことを質問にて発言いたしました。

以下、議事録を掲載いたします。
※未定稿文ですので一部変更の可能性がございます。

○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 最初に、衆議院修正部分について田村委員に質問させていただきます。
 二つ質問させていただきます。まず一点目は、障害者自立支援法違憲訴訟の和解における基本合意文書及び総合福祉部会の骨格提言について、どのように受け止めていらっしゃるかをお教えください。また、今回の修正で障害程度区分を障害支援区分に変え、心身の状態を総合的に示すものから必要とされる標準的な支援の度合いに変わったわけですが、なぜこのような変更をしたのか、前段の基本合意や骨格提言との関係を考慮に入れた上でお答えください。
○衆議院議員(田村憲久君) 冒頭、二問御質問をいただきました。
 一番目の御質問なんですが、敬愛する川田委員でございますのでお答えしなきゃならないのかも分かりませんけれども、これ当事者じゃないものですからちょっとお答えのしようがないので、この基本合意に関しましては、どうぞ政府の方とお話をしていただければ有り難いと思います。我々は基本合意をした当事者でも何でもございませんので、お答えのしようがないということでございます。
   〔委員長退席、理事梅村聡君着席〕
 それから、二番目でございますけれども、これは、もう以前からこの知的障害の方々、精神障害の方々に関しましては、先ほど衛藤委員の御質問にもお答えしたんですけれども、一次判定から二次判定で大きく覆るといいますか、程度が上がるというような事案が多うございまして、両方とも四割以上そのような事例が出てくるということがございますので、これを何とかしてほしいという声が障害者の方々、御当事者の方々から我々いただいておりました。
 そこで、一つは、障害程度、名前も悪いんですが、障害の程度の重さみたいなものを区分しているような、そんな錯覚がございますので、そこはやはり心身の状態に応じて支援の必要な度合いと、標準的な支援の必要の度合いというようなものを区分するというようなことに改めさせていただいたわけでありまして、もう一点は、障害特性という部分をしっかりとこれは盛り込まないことには、どうしても先ほど言いましたような一次判定から二次判定で大きく覆るということがございましたので、こういう部分を入れた中におきまして、障害者の方々が求められておられるそういうような支援が受けられるためにということでこのような形で改正をさせていただいた次第であります。
○理事(梅村聡君) 傍聴の方は、議事の妨げにならぬようお静かにお願いしたいと思います。
○川田龍平君 田村先生、ありがとうございました。
 以降は政府に対して質問させていただきます。
 次に、制度の谷間ができるのではないかとの危惧について質問させていただきます。
 障害者総合支援法案の中で、障害の範囲について、治療方法が確立していない疾病その他の特殊な疾病であって、政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度であるものを加えることが示されましたが、仮に現行の難病患者等居宅生活支援事業の対象疾患のように疾患ごとに難病の対象範囲を決めるということとなれば、同じように日常生活上の困難があっても制度の谷間が残るのではないでしょうか。なぜ、法の対象となる障害の範囲について障害者基本法第二条第一号の規定をそのまま適用しなかったのでしょうか。併せてお答えください。
○大臣政務官(津田弥太郎君) 川田委員にお答えを申し上げます。
 このサービス給付法である障害者総合支援法では、市町村などの現場に混乱を生じさせることなく確実に実施してもらうため給付対象を明確にする必要があることから、障害者基本法の審議の、その他の心身の機能障害には難病による心身の機能障害なども含まれるとの答弁を踏まえ、このような規定をしたものであります。
 対象となる具体的な範囲につきましては、現在の難病患者等居宅生活支援事業の対象疾患百三十疾患及び関節リウマチを参考にして、厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会での議論を踏まえ、施行に向けて検討することとしているわけでございます。
○川田龍平君 この難病対策の見直しについて衆議院では、希少・難治性疾患の定義を基本に検討するとの答弁でしたが、それでは元々の難病治療研究に乗っていない線維筋痛症や筋痛性脳脊髄炎、いわゆる慢性疲労症候群、その他多くの慢性疾患の患者などが希少要件などで排除されるのではないでしょうか。政府の見解を伺います。
○大臣政務官(津田弥太郎君) 先ほど答弁したとおりでございまして、今回の規定につきましては、障害者基本法の審議の、その他の心身の機能障害には難病による心身の機能障害なども含まれるとの答弁を踏まえたものでございます。
 繰り返しですが、対象となる具体的な範囲については、厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会での議論を踏まえ、施行に向けて検討することにしているわけでございます。
○川田龍平君 この障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言である制度の谷間に置かれている難病や慢性疾患の患者等においてもそのほかの心身の機能の障害があるものとし、障害者手帳がなくても、医師の診断書、意見書、その他障害特性に関して専門的な知識を有する専門職の意見書で補い入口で規制しないことというのを実現するためには、医師の意見書等で補って入口規制しないことを法律に明記する必要があると思いますが、大臣の所見を伺います。
   〔理事梅村聡君退席、委員長着席〕
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほど津田政務官が答弁をさせていただいたとおりなのでちょっと繰り返しになってしまいますが、障害者総合支援法では、市町村などの現場に混乱を生じさせることなく確実に実施してもらうため給付対象を明確にする必要があるので、障害者基本法の審議の、その他の心身の機能障害には難病による心身の機能障害なども含まれるという答弁に基づいてこういう規定にしています。
 対象となる具体的な範囲については、難病対策委員会での議論に基づきまして施行に向けて検討をすることになると考えています。
○川田龍平君 次に、障害支援区分の認定について質問させていただきます。
 障害支援区分の認定については法律施行後三年を目途として政府が検討するとのことですが、どこでどういう構成員が入って検討するのか、お示しください。
○副大臣(西村智奈美君) 今回の新法では、障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方を含めて、検討に時間を要するものについて法施行後三年を目途に見直しの検討を行うことにしております。この検討に当たっては、障害当事者やその家族、その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じることを法律に盛り込んでおります。
 具体的な検討の仕組みについては法律の施行に向けて検討していきたいと考えておりますが、当事者やその御家族等、関係者の御意見をできるだけ反映できるよう努力してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 是非、当事者の方が入った形での検討をお願いします。
 さて、今回審議される法案とは少しずれますが、障害施策として今日絶対に確認しておかなければならない点がありますので、質問させていただきます。
 障害者基本法二十六条で、防災に関して必要な施策が取られるように改正され都道府県や市町村の障害者基本計画に反映されるようになっていますが、大飯原発が災害をもたらした際の障害者の避難計画についてどのような対策がなされているのでしょうか。障害者であるかどうかにかかわらず、安全対策、避難路確保がきちんとできていない中で障害者が守られていると政府が認識されているのでしょうか、お答えください。
○副大臣(牧野聖修君) 川田委員の御質問にお答えをさせていただきます。
 最初に、大飯原発三、四号機につきましては、福島の事故のような地震、津波に襲われても燃料損傷には至らず、したがって放射性物質の外部環境への大量放出には至らない対策と体制が整っていることを判断しております。
 一方、御指摘の要援護者対策につきましては、国の防災基本計画において地方公共団体が平時より避難誘導体制の整備に努めるとする旨が規定されていることを踏まえて、各自治体の地域防災計画において要援護者の避難も規定しているところであります。
 具体的に、大飯発電所の立地自治体である福井県やおおい町の地域防災計画におきましては、災害時要援護者も含めた避難施設をあらかじめ指定しており、原子力災害発生時のPAZの即時避難に対応できるようになっているほか、社会福祉施設の災害応急体制や平時からの退避等誘導体制の整備に努めているものと承知しております。それからさらに、平成二十二年の十月の二十六日に福井県おおい町等で災害時の要援護者の避難訓練が行われ、その実効性の確認が行われたと承知しております。
 今後は、防災指針の見直しを踏まえて、UPZの広域避難についても福井県において地域防災計画の改定に向けた検討作業が進められております。国としても、地域防災計画の作成マニュアルの改訂等を通じて地域の取組を支援していくつもりでございます。
 よろしくお願いいたします。
○川田龍平君 福島第一原発の事故はいまだに収束しておりませんし、事故後の検証も、この国会における事故調査委員会での結果報告書も出ていない、そのような中でこの再稼働は拙速ではないかと思います。さらには、この検討、安全対策もされていない、福島原発以前の安全対策すらも取られていない大飯原発だということを認識の上で、そのような不十分なまま大飯原発を再稼働されることがどうして許されるのでしょうか。
 命を最優先されるという発想が全くこの国には、政府にはありません。国民の命と生活がそれで本当に守られるのでしょうか、お答えください。
○副大臣(牧野聖修君) この点につきましては、各委員会、いろいろな協議会あるいは調査委員会等でも再三議論をしてきたところでありまして、枝野大臣、細野大臣、そして先般は野田総理からも決定に至るまでの経緯、その考え方、基本的には説明をしていただいたと、こういうふうに思っておりますので、私どもはそれを踏襲して安全の対策のために努力をしていきたい。
 そして、たまたま昨日、私、おおいに行きまして町長さんにお会いをしました。安全というのはこれでいいんだという、そういう状況はもうないと、とことん常に気を引き締めて万全に万全を尽くしていく、そういう体制で臨む必要があるから、国の方も頑張るけれどもおおいも徹底的にやってほしいと、そういう話をして帰ってきたばかりであります。
○川田龍平君 牧野議員は静岡出身で浜岡のこともずっと取り組んでおられて、総理とは全く考えは違うと思いますが、それでは、再び法案の中身について質問させていただきます。
 繰り返し議論されていることですが、障害者自立支援法違憲訴訟の和解に政府が違反していることについて、大臣にお伺いします。
 今回の法律の基となった厚生労働省案が二月八日の障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会に提出されましたが、裁判上の和解について、行政がこれに違反した法律を作ったと言わざるを得ません。政府は、障害者自立支援法違憲訴訟の基本合意と今回の法案との関係をどのように考え、また和解した原告が今どのような思いでいると受け止めているのかをお答えください。
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の新法では、障害者基本法に基づいた基本理念を盛り込むとともに、法律の根幹となります名称や目的規定を改正することにしていますので、基本合意にも掲げている障害者自立支援法の廃止になると考えています。
 また、改正の検討に当たりましては、元原告団、弁護団と定期協議を実施してきたほか、取りまとめに当たりましても、直接、元原告団、弁護団とお会いをして説明を行っています。
○川田龍平君 原告は到底約束が守られたとは思っていません。
 続けて、和解との、順に関連して質問いたします。
 障害程度区分について、百六項目に上る医療申請の質問項目は障害者の心身の能力を問いただすもので、権利条約で目指されている社会モデルではなく医学モデルとなっています。質問の中には、例えば、物を取られたなどと被害的になることがあるかどうか、しつこく同じ話をしたり不快な音を立てることがあるかどうか、助言や介護に抵抗することがあるかどうか、家に帰るなどと言い落ち着きがないことがあるかどうかなどの質問をしますが、地域社会、社会生活を保障するためにこのような質問が必要なのでしょうか、お答えください。
○政府参考人(岡田太造君) 障害支援区分の認定を含めました支給決定の在り方につきましては、医学的モデルということを申し上げましたけど、介護者や居住の状況など障害者の置かれている社会的状況をどう反映させるか、それから骨格提言であります協議調整モデルとか支援ガイドラインといった課題もありまして、これにつきましては、何度も御答弁させていただいていますが、客観性、公平性を保ち安定的な制度運営を確保することを基本的な考えとしつつ、法施行後三年を目途に検討していきたいというふうに考えているところでございます。
 御指摘の障害程度区分の認定の項目の問題でございますが、これにつきましては、日常生活行為であるとか意思疎通、行動障害、精神面など認定に必要となる百六項目の調査項目について認定を行っているところでございます。
 衆議院の方で平成二十六年四月から障害支援区分ということで修正が行われまして、その際、知的障害であるとか精神障害についてきちっと適正に判定できるような仕組みにすべきだということで御指摘いただいているところでございますが、障害程度区分の認定につきましては、身体機能、日常生活のADLといった身体機能ということに重きが置かれているんじゃないかというような御指摘がございます。意思疎通であるとか、行動で多動であるとか、こだわりが強いであるとか、それから精神面というのをもうちょっときちっと反映させる必要があるんじゃないかというようなことが御指摘をされておりますので、そういったことも踏まえまして詳細なデータの収集、分析を行いまして、調査項目の見直しも含めて検討し、障害者の特性に応じて認定が適切に行われるように対応していきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 ありがとうございます。
 最後に、報酬支払方式について質問します。
 障害者の通所施設について骨格提言では、事業運営報酬については月払とする案が提示されていますが、なぜこの報酬支払方式について検討を行っていないのでしょうか。また、骨格提言の打ち出している内容を取り入れようとしなかったのでしょうか。政府の見解を伺います。
○委員長(小林正夫君) 岡田部長。
 なお、時間が過ぎておりますので、簡潔におまとめください。お答えください。
○政府参考人(岡田太造君) 障害の報酬の支払方式につきましては、多様なサービスの組合せを利用することができるよう日払い方式としているところでございます。日払い方式は、サービスの利用のない日に、一部の方でございますが、利用者負担がないとか公費の支払を行う必要がない仕組みであります。
 月払から日払いになって非常に経営が不安定になったというような御指摘がございます。これにつきましては、日払い方式の導入に際しまして、利用量を加味した一定の欠員にも対応できるようにするとか、急に利用を中止した場合にも対応するとか、長期にわたって入院した場合の費用を加算で評価していくというようなことで、いろいろと工夫をしているところでございます。
 報酬の在り方につきましては、事業所の経営実態、各種サービスの利用実態など客観的、具体的なデータに基づいて検討をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 ありがとうございました。是非とも月払でよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

【反対討論】
○川田龍平君 私は、みんなの党を代表して、ただいま議題となりました障害者総合支援法案並びに修正案に反対の立場で討論を行います。
 国は、二〇一〇年一月七日、障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団との間で基本合意を交わし、二〇一三年八月までに障害者自立支援法を廃止し、新たな総合福祉法制を実施すると確約しました。同合意は、同年四月二十一日までに全国十四か所の地方裁判所で成立した訴訟上の和解においても重ねて国によって確認されています。
 この基本合意で約束した新たな総合福祉法制定のため、内閣総理大臣を本部長とする障がい者制度改革推進本部が設置され、障がい者制度改革推進会議で精力的な議論が尽くされ、二〇一一年八月三十日、同総合福祉部会は、障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言、新法の制定を目指してと題する骨格提言をまとめました。
 この新法の制定を全国の障害のある当事者が心待ちにしていました。しかし実際は、実質は障害者自立支援法等の一部を改正する法律でしかなく、法廃止でも新法の上程でも全くなく、法を廃止し、障害者の意見を踏まえた新法を作るという基本合意の根幹に反しております。
 国は、薬害肝炎全国原告団、弁護団との間において締結した基本合意に基づいて設置した薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会が取りまとめた薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しについての提言に基づき、厚生労働省から独立して医薬品行政を監視、評価できる第三者組織を創設するための法案を二〇一二年の通常国会に提出する旨確約しながら提出しないことに続き、約束を破ったのです。しかも、衆議院の修正で障害程度区分を障害支援区分とし、各個人の状態ではなく、支援の必要性によって支給を決めることで更に後退させた内容となっているのです。肝心な障害の範囲や難病対策についても先送りをしただけの法案であり、新法と言える要素が全くない名ばかり新法であります。私自身、障害者として当事者の立場から政策をつくる私としては、全く認められるものではありません。世界の要請でもある障害者権利条約に批准できる中身には到底届きません。
 障害当事者が主体となって議論をし、それが政策として実現できるよう最大限の努力を続け、命が最優先される社会の実現に向けて取り組むことをお誓いし、私の反対討論とさせていただきます。