川田 龍平 オフィシャルブログ


2月15日(水)、国民生活・経済・社会保障に関する調査会に出席しました。

調査会の制度は衆議院には無く、熟議のできる参議院にしかない国会の議論の場です。


今回のテーマは「高齢社会における経済活性化」についてで、参考人のダイキン工業株式会社人事本部グローバル人材グループ長・部長中川雅之氏と駒澤大学経済学部准教授飯田泰之氏からお話を伺いながら、議論をしました。

以下、川田龍平と参考人との質疑応答です。

(未定稿文のため一部変更がある可能性があります)


○川田龍平君  
 今回、会派の変更があって、みんなの党にこういった席があるということで質問させていただきますが、私は障害者の雇用の問題にやっぱり関心がありまして、ダイキンさんの資料を読ませていただいて、障害者の雇用については子会社の方で積極的にやっているということで、特に高齢者の雇用ということと障害者の雇用ということで、やっぱりそういった体力がなかったり力が発揮できないという方の労働環境を整備するために三十年近く掛けてやってきたということで、資料を読ませていただいて、やっぱりすごく時間の掛かることだと思うんですが、大企業でできることとやっぱり中小企業でできることというのはかなり変わってくると思うんですが、かなり中小企業の方でもそういった雇用を維持するということがどうやったらできるのかということですとか、それと、中川参考人には、地域雇用の拡大への参画というところの課題に事業仕分で委託業務受託がなくなりということで、先ほど民主党の委員の中に事業仕分でこれなくなったんだねということで笑っている方がいらっしゃったので、ちょっとどうなのかなということで思ったんですが、こういった形で、この地域の雇用拡大をしていくのにどういった形でやるのがいいのか。
 その中で、飯田参考人には、産業政策の視点を捨てて、そういった新しい政策的なところではどういうふうな形で雇用を創造していくのがいいのかということと、是非、積立方式の年金に、やっぱり僕も、私は三十六歳で飯田参考人と同じ年で、吉川さんも三十五歳なんですけれども、ちょうどやっぱりこの若い世代が実は本当に年金をもらえるのかどうかという不安をやっぱり多くの同世代の人たちが抱えていて、本当に早く積立方式には移行すべきではないかと思っているんですが、本当にこの時期について、今ちょうど団塊の世代と私たち団塊ジュニアの世代が、やっぱり本当にそういう意味では、子供のことを考えている団塊の世代というのがいるときにやっぱり今年金のことを早く動くべきではないかという、本当にそこの決定をやっぱり早くしなければいけないんではないかと思っているんですが、是非その点についてどう思うかということで、時期についてどう思うか、是非お話しいただければと思います。

○参考人(中川雅之君)  高齢者雇用あるいは障害者雇用の推進、とりわけ中小企業での難しさというのは非常にあるかと思います。ただ、障害者雇用も、これ特例子会社の先ほど言いました七十一歳の社長とよく話しておりますと、特例子会社でいいのかなと、本来ならば障害者の方であっても何でも条件、環境さえ整えば同じ仕事はできますので、特例子会社の方がやりやすさはあるんですけれども、先ほど言いました高齢者の作業姿勢の問題をやることによって生産性が上がるということと同じように、障害者の人を普通のラインに入ってもらったりということの方が社会としては生産性が上がっていくに違いないというふうに思っています。
 大阪府雇用開発協会というのを、私、委員会の委員長なんかもやりながら、中小企業を年に一回ぐらい見学させていただいたりするんですけれども、大阪の、柿の葉ずしというおすしを販売しておられるあじみ屋さんという会社がありまして、ここは夜の間ずっと工場が動いて、昼はもうレストランとかに配送するのでお昼の仕事はないと。そこは障害者の方ばっかり数十人で柿の葉ずしを作っておられると。そこは、経営者の強い思いといいますか、障害者を雇用するために会社をやっているんだというふうな社長さんがおられます。そのことがやっぱり会社を、社会のお金を預かって、そのことによって社会に何か、自分の仕事は何かというようなことで考えている障害者雇用の、まあ障害者雇用の鬼みたいな方ですけれども、おられて、それをまた受けて総務部長さんも必死でやっておられるというようなことがあって、経営者の強い意思が今一番大事かなと。
 それを支え合うのが、先ほど言いました、元々任意団体で始まった、雇用開発協会というのは二つの団体があれしておるんですけれども、一つは、早川徳次さんというシャープの創業者が始めた、戦争で視力をなくした方に工場を造ってそれで職場を与えたと、非常に高い生産性でもって、その会社がシャープ特選工業というんですけれども、早川特選工業かな、というのがずっと存続しておるとか、あるいは、高齢者も非常に、先ほど言いましたように、我が社の職場でも高齢者が多い職場というのが、意気に感じてやっているとか、あるいは高齢者でしかできない職場というのが一つございまして、我が社でいうと社史編さんのような、五、六名、平均年齢が六十八歳か九歳かだと思うんですけれども、の職場があります。こういうところは、ダイキンの今の強みを社内に伝承していくだけじゃなしに、どう海外にも展開していくんだというふうなことを、先ほど先生言われましたように、決してそういう力においては高齢とか年齢、関係ないわけですね。そこのところをうまく使っていっておるというふうなことがあると思います。
 したがいまして、そういういろんな事例を高障機構はあれやったりPRしたりしているんですけれども、そういうことを、地域のやはり企業家の団体である雇用開発協会みたいな会議を非常に大切にするという気持ちがまず社会として持つべきではないかというのが私の主張であります。
 したがいまして、事業仕分、結構なんですけれども、そうじゃなしに、本当に雇用というのはその経営者の意思の問題であり、それと、そこにいろんなアイデアというものがあって初めて成り立つものですから、そういうことをやっている団体に対して、支援ということをお願いしているわけじゃないんですけれども、認知されること、あるいは、機械的な仕分をされるんじゃなしに、必要な事業とは何かということを議論していただきたいというふうなことをお願いしておるわけでございます。
 以上でございます。

○会長(鴻池祥肇君)  飯田参考人。

○参考人(飯田泰之君)  まずは、障害者又は高齢者まで含めた雇用についてなんですけれども、事、障害者雇用に関しましては、今後、NPO、中でも事業型NPOの役割というのが非常に大きくなっているかと思います。
 通常、どうも日本の場合、そうした障害者への対策というのは、篤志家ボランティアモデルというふうに僕らは呼んでいるんですけれども、特定の篤志家又は団体というのが全く営利目的を伴わずにやっていこうというシステムです。これは日本の場合は極めて困難です。なぜかといいますと、日本は大金持ちが余りいませんので、そういった篤志家モデルに頼るというのは必ずその活動というのを厳しくしてしまいます。
 その一方で、現在、非常に障害者雇用、実際実績としても実績を上げているのは事業型のNPO、つまりは給料分は実際に稼ぎ出しているタイプのNPOであったりします。雇用条件というのは、もちろん民間、大企業に比べたら圧倒的に安いものではあるんですけれども、そういった中で、例えば心のケア、また対障害者、より重度の障害者への福祉サービスにおいて軽度障害者がやれることというのはたくさんあると思いますし、そういったものが事業化できるベースというのが必要なんではないか。
 その中で一つ、日本の場合大きな問題になっているのが、NPOの認定が楽過ぎる問題と認定NPOになるのが大変過ぎるという問題でありまして、いわゆるNPOと呼ばれているものは、目的がよく分からないものまで含めると非常にたくさんある。その一方で、ある程度組織としての信頼度を得られる認定型のNPOというのは物すごく厳し過ぎて、本当にもうNPO法があるよりもずっと前から活動している実績ある団体のみにとどまっている。これは、一つは、その中間に当たる、それなりに最低限の規定というのをもう少し作った形で規定された中間ぐらいのNPO、まあちょっと僕もすぐにはネーミングが思い付かないんですけれども、事業型でのそういった団体があることで、そういったきめ細かなといいますか、ニーズに応じたサービスというのを、かつ完全なボランティアモデルではない形で提供していけるのかなと思います。
 もう一つ、積立てへの年金の移行の問題なんですけれども、これは実際急務だと感じております。例えば、我々一九七五年生まれですと、生涯を通じて支払と給付の間で大体千二百五十万損をします。これはもっと若い層、八五年ですと二千数百万円の損が出ます。この損の額というのはただただ発散していくだけですので、どの時点で移行するかによって損失が決まってくる。一番有名な試算では大体全世代五百万円の損にとどめる方法というのが提案されているんですけれども、これは遅くなればなるほど全世代七、八百万になり、全世代一千万になりというふうに膨らんでいくばかりですので、どの時点でロスカットするか。実際、年金改革をしますと、僕らにとっては損失は確定します。ただし、これもどんどん損失が膨らんでいくであろうよりは五百万損してくださいというのを生涯で、これは厚生年金のケースですけれども、先に損失額を確定させて限定、これ以上は損はさせませんと言った方がある意味では安定するんではないかというのが私の見解です。
 以上です。

○会長(鴻池祥肇君)  川田君。いいですか。

○川田龍平君  ありがとうございました。