川田 龍平 オフィシャルブログ

7月12日(火)、今回の厚生労働委員会ではイレッサの問題についての質問をいたしました。


以下、議事録です。

※未定稿文ですので一部変更の可能性があります


○川田龍平君  みんなの党の川田龍平です。
 まず、五月二十四日に厚生労働省から発表されたイレッサ訴訟問題検証チームの報告書について質問いたします。
 これは、イレッサ訴訟の和解勧告を国が拒否する時期に複数の学会が和解を受け入れるべきではないとした声明を発表しましたが、その下書きを厚生労働省が書いていたという問題に関する検証の報告書です。
 震災の前日、三月十日の予算委員会でこの問題に対する私の質問に細川大臣は、それが事実ならばもうとんでもないことだと、私もその話を聞きまして本当に怒りが込み上げてきたところでしたと。このことは、私も本当にこんなことはあってはならないと思っておりますとおっしゃっていますが、私も同じ思いです。
 これ、大臣、震災前ですが、覚えていらっしゃるでしょうか。これ、震災前ですが、ちょっと確認したいと思います。
○国務大臣(細川律夫君)  この件につきましては、委員会で指摘をされましてそれに対して私が答弁をした、そういう内容で、よく覚えております。
○川田龍平君  しかし、この報告書をよく読んでみますと、不十分な内容で、本当に二度と同じようなことを起こしてはならないという決意が全く見られない。大変残念です。
 まず、報告書の認定事実の、政務官が和解勧告に対する世間の様々な意見を広く収集するよう医薬食品局に指示した日時がこれは書かれていませんが、いつ指示したのでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君)  今御指摘いただいた政務官というのは私のことだと思いますが、イレッサの訴訟で和解勧告が一月七日に裁判所から出まして、それでその和解勧告への対応をどうしていくかということが議論になりましたが、当然のことでありまして、それを受けて、この一月七日以降、対処方針を検討するために医薬食品局と打合せを行ってまいりまして、その過程で世間の様々な意見を広く収集することをするべきではないかということで話をしたと、こういうことであります。
○川田龍平君  それはいつですか。
○大臣政務官(岡本充功君)  いつかということでお話をさせていただきますと、なかなか正確にこの日だということまで私も今明確に覚えているわけではありませんが、この和解勧告が出て以降にこういった話をしたということであります。
○川田龍平君  これは一月十九日の読売新聞の夕刊で、厚生省のOBが、薬系技官トップだった土井氏がイレッサ被害を防げたはずというふうに述べている記事が出た後にこれはやったのではないでしょうか。そうだとすれば、様々な意見とは、この和解拒否をすべきという意見のみの収集を指示したのではないでしょうか。これを厚生労働省の世論操作と言わずして何と言えばよいのでしょうか。
 この読売新聞の記事が出た後、医薬食品局主宰の局議がなされ、メディア対策として学会に見解発表の要請をし、そのためにやれることは何でもやるべきとの方針がまとまったとされますが、この局議の出席者は誰だったのでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君)  少なくとも私が記憶をしている範囲では、私はその局議には出席をしておりませんが、事務方の方で開催をされたというふうなことがあったということを、多分、委員今御指摘になられているんだと思いますが、今話をさせていただきましたように、私が直接出席をしたものではございません。
○川田龍平君  出席していなかったとするならば、この方針についての報告は受けたのでしょうか。
○大臣政務官(岡本充功君)  局議が開催されたことも私は承知をしておりません。
○川田龍平君  この聴取結果の記録や関係資料をなぜ開示しないのでしょうか。そうでなければ都合の悪いことが報告書にきちんと報告されているかどうかチェックのしようがなくて、こうして委員会の場で再度質問しなければならないと、真相が解明されなくなってしまいますが、なぜ全部開示しないのでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君)  ヒアリングにおいて正確な事実関係を確認すること、これが一番求められたことでございます。その意味で、公表を前提とせず任意で協力をいただいたものである、こういうことでございます。このため、ヒアリング結果の記録を公表することは差し控えをさせていただきたい。また、関係資料については、学会関係者の個人名が特定できるもの等を除いて、報告書に添付し、既に公表しているところでございます。
○川田龍平君  このA学会、B学会、C学会とF学会については分かるんですけれども、この資料のA学会、B学会、C学会、F学会、それからC学会のオ氏というのは分かるんですが、このD学会、E学会、それからA学会のア氏とか、このアというのは誰なんでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君)  先ほど言ったように、公表を前提とせず任意で協力をいただいたということですので、こういう調査報告、御理解いただきたいと思います。
○川田龍平君  これ、一月二十八日の、厚生省が和解勧告を受け入れられない旨のこのイレッサ訴訟和解勧告に関する考え方を公表するに当たって、各省の政務三役の説明のためにこの学会見解というのを利用したのでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君)  報告書では、大臣政務官から和解勧告に対する世間の様々な意見を広く収集するように、こういう指示を受けて個別に意見収集を始めた等々認定をしております。
 このことから、和解勧告への対処方針を検討するに当たり学会等の意見を聞くべきということについては、政務三役も事務方も共通認識だと考えております。したがって、事務方が政務三役の説得のために学会の見解を利用したというような状況にはなかったものと考えております。
○川田龍平君  これ、厚労省は、自分の主張を書いた下書きを学会に渡して、そのとおりの内容を学会見解として公表させた上で、それを利用して自ら和解勧告を批判するとともに、学会に異論があることを和解勧告拒否の理由としてこれ利用しているんですね。
 これ、自分たちで要請しておいてそれを説得のために使うというのは、まるで自作自演じゃないですか。九州電力のやらせメール問題と同じ構図か、よりひどいですよ、下書きまで書いてそれを使っていると。
 これ、一月二十四日に見解を発表したA学会とB学会にこの文案を提供しなかったとしていますが、この日本臨床腫瘍学会に文案の提供はなかったということでよいですか。
○大臣政務官(小林正夫君)  個別の学会名についてのお答えは差し控えをさせていただきたいと思います。
 ただ、A学会とB学会に対しては、それぞれメールにて、和解勧告の受諾に消極的な見解の公表を求める趣旨で課長名義の要請書と資料を送付したことを認定していまして、厚生労働省から声明文案を提供した事実は確認できませんでした。
○川田龍平君  この配付しました資料のA4の横の表にありますように、日本腫瘍学会の見解と厚労省の文案というのはそっくりです。黒い部分もそうですけれども、赤い字の部分というのはもうそっくりそのままで、ほとんどそっくり、たくさんそっくりな場所があるんですけれども、文案提供がなかったのに、なぜこういうそっくりなのかという原因を調べるべきですが、調べたんでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君)  個別の学会名についてのお答えは差し控えさせていただきます。
 厚生労働省が声明文案を提供した事実が認定できなかったある学会関係者のヒアリングでは、同じ学会の別の関係者が何らかの経路により厚生労働省が作成した声明文案を入手しており、この関係者が学会の見解を作成するに当たり厚生労働省が作成した声明文案を参考にしていたということは確認できました。なお、この声明文案を入手したとされている学会関係者と厚生労働省が接触した事実は確認できず、入手経路は明らかになっておりません。
 また、厚生労働省が作成した声明文案とA学会が公表した声明文案の比較についてもお触れになりましたけれども、両文章が冒頭、患者への哀悼の表明から始まって、抗がん剤治療に対する患者の期待、和解勧告の問題点の指摘、結論といった構成、論旨である点は同じだと、このように認識をしております。他方、A学会の声明は厚生労働省の文案の約二倍の量があり、分量が大きく異なっている、表現ぶりについて全く同じ表現を用いているのはごく一部で、ほとんどが独自の表現となっているなど必ずしもそっくりとは言い切れない違いも多く存在している、このように認識をしております。
○川田龍平君  この報告書にはその他の団体というのが出てくるんですけれども、その他の団体というのは、これはアストラゼネカじゃないんですか。
○大臣政務官(小林正夫君)  その点については確認しておりません。
○川田龍平君  これ、二月一日に見解を発表したF学会というのが日本血液学会ですが、これもお配りした資料のA3の縦のこの文案を御覧いただきたいんですが、この文案と色が付いている部分以外の白地の部分というのは全く同じです。それなのに、これは公表された見解に不当な影響力が及んでいないとなぜ言い切れるんでしょうか。
○大臣政務官(小林正夫君)  声明文案を提供した学会等の見解の中には、声明文案の文言の一部がそのまま採用されている事実は確認されました。
 しかしながら、F学会の関係者に対するヒアリングですけれども、次のような内容が確認できております。一月末ごろ、学会の中からイレッサ問題についてはちゃんと考えた方がよいのではないかという話があった、声明文案は厚生労働省が学会側に配慮して作ってくれたものだと思う、厚生労働省としてはこれで出してほしいというわけではなかった、学会としては違和感がなければ使おうという認識だった、学会は独立した学術団体なので厚生労働省から出されたものをそのまま出すことはない、学会内の委員会で委員が一月末に集まって見解の掲載や可否について文案の構成を協議し、役員にメールで確認した上、二月一日に掲載をした。
 こうしたヒアリングの結果などを踏まえて、F学会について、接触した学会は元々和解勧告の受諾に慎重な意見が多数を占めていたこと、学会側も特段圧力と意識していなかったことから、不当な影響力ないし圧力が及んでいたとまでは認められないと認定したものでございます。
○川田龍平君  これ、不当な圧力とか不当な影響とかそういうことではなくて、これ、全く同じじゃないですか、ほとんど。一部と言うけれども、一部というのの、ちょっと色が見にくいですけれども、黄色の上にあるところだけが違うだけで、黄色だってほとんど言い換えているだけなんですよ。ほとんど一緒なんですよ。こういったものを出させておいて、これ、ここで、このようなことが起きないようにしてやっぱり再発を防止するということですが、これふだんもやっている通常の業務だということなんですね。これ、ふだんも通常の業務としてこういうことをやっているということで終えてしまったら、これまた起きますよね。これ、厳重注意で済む問題なのかどうかということなんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(細川律夫君)  このイレッサ訴訟問題の件については、私の方でこれを検証するようにということで、検証チームができまして、そこで報告を、五月二十四日にその報告書を私が提出を受けました。
 この報告書におきましては、こういうふうに書かれている、イレッサ訴訟について、国民に多様な意見が存在することを示そうと、和解勧告の受諾に慎重な学会等に見解の表明を要請したこと自体は、通常の職務の執行で範囲内であるというふうにされております。しかしながら、その過程で、声明文案の提供を行ったことについては、これは公務員として行き過ぎた行為であると、こういう報告でありまして、私もこの点については大変遺憾に思っているところでございます。
 そのために、五月の二十四日付けで関係職員に対しては訓告及び厳重注意を行うとともに、私としても今回の事例を真摯に受け止めて、今後、公務の信頼を損ねることがないように、このことを徹底してまいりたいと、このように考えております。
○川田龍平君  これで終わりますが、この報告書を読むと、事務次官もそれから平山審議官もかかわっていたんですね。こういったことを組織全体としてやっていたということが、大臣、副大臣、政務官、やっぱり真剣にこれ考えてくださいよ。これは、予算委員会でも言いましたけれども、こういう見解が学会から発表された後に患者に山のように嫌がらせの電話とかメールが来たんですよ。厚生省がこういうやり方で被害者を更に社会的に追い込んで、新薬を必要としているがん患者のアクセスを阻害するという批判を学会にさせることで、被害者とがん患者の不要な対立をあおるような世論誘導を行ったんですよ。
 こんなことをやっぱり許していてはいけないんですよ。こういう人たちをそのまま審議官や事務次官として、これ人事異動もしないということですから、これまた同じようなこと起きますよ。イレッサの問題、これでほっといて、和解、結局しないで、判決が出てもそれも控訴して、時間だけただ引き延ばして、結局こういう問題について解決しようとしないで、時間だけただ過ぎるのを待つだけなんですか。本当に、この問題で訴訟にばっかり時間掛けたり予算掛けたり人を掛けるんじゃなくて、本当に医薬品の安全を守るための業務をしっかりやってくださいよ。そのための厚生労働省なんですから、そのための役職を是非やっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。