川田 龍平 オフィシャルブログ

6月16日(木)、厚生労働委員会にて質問にたちました。

今回は後発医薬品利用促進についてや、医薬品のネット販売、、市販類似薬の保険負担の見直しについて質問いたしました。


なお、今回の質問は日刊薬事WEBに以下のように掲載されました。



外口保険局長  患者負担見直し スイッチ開発への影響懸念( 2011年6月16日 )


 厚生労働省の外口崇保険局長は16日の参院厚生労働委員会で、政府の社会保障改革案で浮上しているOTC類似薬の患者負担の見直しをめぐって、スイッチOTC薬開発への影響などに懸念を示した上で、関係者の意見を踏まえて検討していく考えを示した。

 外口保険局長は、OTC類似薬の保険適用除外をめぐっては、厚労省の社会保障審議会・医療保険部会で検討したが、特定の患者への負担が著しく増大することや、対象となる医薬品の範囲選定が困難なことなどが指摘されたことを報告。その上で「スイッチOTCなど新規の一般薬開発への影響の可能性も否定できず、この課題についてはさまざまな意見を踏まえながら検討していくべきものと考えている」と答えた。

 政府の社会保障改革に関する集中検討会議が2日にまとめた改革案では、保険給付の効率化のため「医薬品に対する患者負担を市販医薬品の価格水準も考慮して見直す」と明記している。



細川厚労相  後発品促進 信頼性高める環境つくる( 2011年6月16日 )


 細川律夫厚生労働相は16日の参院厚生労働委員会で、後発医薬品の使用促進に向けて、後発品の信頼性を高めるための環境づくりに努力する考えを示した。川田龍平議員(みんなの党)への質問に答えた。

 細川厚労相は答弁で、患者の自己負担の軽減や医療保険財政の改善の観点から、後発品の使用促進は「大変重要なことと考えている」と指摘。その上で「国民の皆さんが自発的に後発品を選択していただけるように、今後とも後発品の信頼性を高めるなど環境づくりにもしっかり努めていきたい」とした。

 川田議員はまた、後発品の使用促進策をめぐり、欧州が導入している参照価格制度に対する政府の見解をただした。

●参照価格制度に慎重姿勢
 参照価格制度の導入について厚労省の外口崇保険局長は、「患者への負担増の影響、後発品の安定供給の確保、新医薬品開発への影響などの課題についてさまざまな関係者の意見を聞きながら、慎重に考えていくべきものと考えている」と述べた。



それでは、議事録(未定稿であるため一部変更の可能性あり)を公開致します。


○川田龍平君  みんなの党の川田龍平です。
 まず初めに、後発医薬品の利用促進について質問いたします。
 後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品については、政府もその利用を促進させるべく、安心使用促進アクションプログラムを作成されています。先日の当委員会でも中西議員からの質疑では、残念ながら具体的な数値目標については述べられませんでしたが、平成二十四年度までに数量ベース三〇%以上という現在の数値目標を達成されていないという現状を考えますと、当然、より思い切った推進策を考えた上で、より具体的かつ高い達成目標を考えていただけるものと理解しています。
 しかしながら、先日の答弁においても、直近の調剤メディアスの数量シェアは、平成二十二年十二月現在で二二・八%と御答弁いただきましたように、後発品の使用が伸び悩んでおり、目標の三〇%に至っていない現状への打開策が必要な状態にあります。
 こうした状況を打開するためには思い切った政策を考えなければ後発品の利用は進まないのではないかと考えますが、例えばフランス、ドイツなど後発医薬品の使用が高い国では、参照価格制度の存在が大きな意味を持っています。この参照価格制度がすばらしいというわけではありませんが、政府の規制改革会議などでも参照価格制度の是非が討論されていると聞いていますので、この際、参照価格制度についての政府の見解をお示しください。
○政府参考人(外口崇君)  後発医薬品については、患者さんの自己負担の軽減や医療保険財政の改善に資することから、平成二十四年度までに後発医薬品のシェアを三〇%以上にすることを目標として、その使用促進を図っているところであります。
 議員御指摘の参照価格制度は、先発医薬品の保険償還価格を後発医薬品と同一とし、先発医薬品の価格が保険償還価格を上回ればその差額は患者さんの自己負担となる制度であると理解しております。このため、その導入につきましては、患者さんへの負担増の影響、後発医薬品の安定供給の確保、新医薬品開発への影響などの課題について様々な関係者の御意見をお聞きしながら慎重に考えていくべきものと思います。
○川田龍平君  この海外の状況が全て正しいとは思いません。しかし、欧米での後発医薬品の議論では、先発医薬品と後発医薬品の同等性は少なくともその使用においては国がしっかりと保証しているのだから大丈夫であるという姿勢が貫かれています。したがって、国民も安心して後発品を選択できる環境が整っていますし、また後発医薬品が目に見えて安く購入できるシステムになっているので、国民がおのずと後発医薬品に変えたいと考えるようになっています。
 他方において、我が国においては、医師や薬剤師などが後発医薬品に変更しやすい環境整備が一定程度なされておりますが、国民が進んで後発医薬品に変えたいと思うような施策が十分に練られているとは言えません。
 国民が自発的に後発医薬品に変えていきたいというような施策が政府に、ほかに何かあるのかどうか、お示しください。
○政府参考人(外口崇君)  患者さんや医療関係者が安心して後発医薬品を使っていただくためには、後発医薬品に対する品質や供給面等での信頼を高めることや、後発医薬品を使用することのメリットを理解していただくことが重要であります。
 このため、国や後発医薬品企業において、安定供給、品質確保、情報提供体制の強化、各都道府県における地域の実情に応じた取組の支援、一般国民や医療関係者向けの広報の拡充など、後発医薬品の信頼性向上のための環境づくりに努めているところであります。また、保険者においても、後発医薬品に切り替えた場合の差額通知の実施、ジェネリック医薬品希望カードの配付、ジェネリック医薬品に関するセミナーの開催などの普及啓発事業を実施しているところであります。
 このような取組を更に進めて、国民が自発的に後発医薬品を選択していただけるような環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
○川田龍平君  是非、この信頼性の向上については重要なことだと考えますので、国民が安心して使えるような社会環境の整備に是非力を尽くしていただきたいと考えます。
 また、現在の保険制度では診療報酬や調剤報酬に後発品変更への加算という形で乗ってしまいますので、実質的に国民の負担が増えてしまうという問題もあります。こうした問題も総合的に対処していく必要があると考えますので、そして何よりも国民が自発的に変えられる環境づくりが大事だと考えますので、大臣に一言、是非この意気込みをお願いいたします。
○国務大臣(細川律夫君)  委員御指摘のこの後発医薬品の使用を進めていくということにつきましては、患者の自己負担の軽減、医療保険財政の改善に資するということから大変重要なことと考えておりまして、現在検討中の社会保障改革案の中にもこれが盛り込まれているところでございます。
 国民の皆さんが自発的に後発医薬品を選択していただけるように、今後とも後発医薬品の信頼性を高めることなど環境づくりにもしっかり努めてまいりたいと、このように考えております。
○川田龍平君  ありがとうございます。
 それでは、次に医薬品のネット販売の問題について質問に移ります。
 枚方市の三牧ファミリーファーマシーで、ネット販売にて販売が許可されていない第一類医薬品をネットで販売している事例が告発され、書類送検されました。医薬品の適正使用、使用安全の観点から、こうした事例は看過してはなりません。ネット販売を安心して使えるような環境を整える意味でも、違法性が認められる例はしっかりと取り締まらなければなりません。
 例えば、医薬品のネット販売がより弾力的に運用されるようになったとしても、違法性のある事例を取り締まることができないのであれば、違法取引や偽造医薬品の流入を許すことになりかねません。
 まずは、こうした違法事例について厚生労働省の見解をお示しください。
○大臣政務官(岡本充功君)  御指摘のとおり、インターネットを通じて第一類の医薬品を販売する等、ある意味、薬事法が求めている適正な医薬品の使用を妨げるような事案につきましては、厚生労働省としても看過できないと考えておりまして、御指摘のように、書類送検をされた、こういった事例があることも承知をしているところであります。
 六月十四日には、そういった中、今御指摘がありました、大阪府におけるインターネットを通じた第一類医薬品の販売を行っていた業者、このホームページをアップしておりますプロバイダーに対しまして、そのホームページの削除を厚生労働省として文書で要請をしたところであります。
 今後とも、こういった事例に厳正に対処をしていくということは大変重要だと考えております。
○川田龍平君  この違法事例を看過しているうちに脱法行為や違法行為が既成事実となってしまうのは避けなければなりません。法律がおかしいから破るのだというのは詭弁でしかないということを明確に示す必要があります。経過措置として認められているこの医薬品のネット販売とはしっかりと峻別する必要があり、違法行為については厳しく取り締まるようにお願いいたします。
 また、この枚方市の薬局のホームページでは、麻薬類似性の成分が含有された商品が漫然と販売されており、大量購入も可能であったと聞いています。この商品は第二類医薬品に分類されており、第一類医薬品のような厳しい規制は受けないものと理解しますが、薬物依存や副作用予防の観点から十分な配慮が必要という印象を持っています。
 厚生労働省もこうした危険性には予防的な配慮がなされており、こうした依存性を疑われる医薬品については一本ずつ販売するように通知を出していると聞いてもいます。しかしながら、今回の事例では明らかなように、漫然と数本の該当医薬品を販売する医薬品販売業者が存在することも事実です。
 この問題はネット販売に限った問題ではありませんが、今回の事例では、当該医薬品を一か月に十本まで購入できるようになっていました。こうした無責任な販売が想定外の事故を引き起こしてしまっては大変困ります。こうしたグレーな取引を軽減させるためには、どのような方策が有効なのかについて十分に議論していただく必要があると考えます。
 デンマークでは、例として、このネット販売を規制していく議論のプロセスで、十八歳以下に販売することを禁止する、医薬品のネット販売をいかにして取り締まるべきかの議論が進んでいると聞いています。
 政府も通知を発出しているほどに危険を熟知しているのですから、医薬品販売業者がきっちりと遵守するように適正に指導していくべきと考えますが、政府の見解をお願いいたします。
○大臣政務官(岡本充功君)  御指摘のとおり、その医薬品の含有成分、これ十分着目して、依存性を惹起するような医薬品等については特に注意が必要であると考えています。
 御指摘のように、こういった依存性の起こり得る医薬品、第二類に分類をして、この販売について十分注意をするように平成二十二年の六月にお知らせをしたところでありまして、今デンマークの話をされましたけれども、その中で、例えば購入希望者が高校生、中学生等若年者の場合には次のいずれかの確認を行うこととして、購入等希望の事実について保護者による確認、それから身分証明書等による氏名、住所、年齢、学校名等の確認、こういったものを、コデインリン酸塩水和物及びジヒドロコデインリン酸塩等を含有する一般医薬品の販売に関してお知らせをしたところでありまして、これからも厚生労働省としてネット販売を重点的に監視するよう都道府県等に改めて依頼することとしておりまして、しっかりと対応してまいりたいと思います。
○川田龍平君  命を大切にする医療政策を実現するためにも、是非しっかりと取り組んでいただきたいと切に望みます。
 さて、ネット販売で常に争点となっているのが対面販売の問題です。政府の規制仕分でも、蓮舫大臣からは、対面でないと安全でないエビデンスを挙げてくださいという不思議な論点整理がされ、安全性とエビデンスの議論が少し変になったという感が否めないのですが、今回の枚方市の事例でも、逮捕された薬剤師は、オンライン上で消費者の健康状態をアセスメントしたので違法性はないと供述しているそうです。つまり、対面かどうかの議論の本質である専門家による評価、つまりアセスメントを経ているから十分だと自己判断しているということです。
 規制緩和のプロセスの中で、オンライン上でのアセスメントの方法についてはよく検証し、専門家が適切に判断できるよう基準のようなものは将来的に必要になってくると考えますが、例えば麻薬類似性の成分含有医薬品の例でもそうですが、販売者が該当する医薬品を販売するときに、目の前にいる購入希望者の状態をしっかりと判断する。つまり、この人には本当に三本売ってもいいのかどうかということをきちんとアセスメントして販売しているならば、それはそれで専門家の判断による販売と言えることになるのでしょうが、問題はこの専門的な判断が具体的に合理的であるかということが争点になります。
 現在の判断では、対面販売であればそれで足りてしまうということでしょうけれども、私はそれでは不十分だと考えます。現状を批判するばかりではないですが、対面販売という言葉だけが独り歩きしていて、対面でありながら何もしない薬局があるのも事実です。対面販売の重要性を唱える以上は、その内容についてもしっかりと政府の見解をお示しいただきたいと考えています。
 そもそも、生活者、消費者にとって安心な薬局の店頭における健康判断とはどのようなものであるのか、厚生労働省の見解をお示しください。
○大臣政務官(岡本充功君)  今御指摘のように、対面販売、顔を見れば全部いいというものではないのは当然です。
 薬剤師等、専門家が薬局等で対面販売して当該医薬品の薬効がその症状に適しているかとか、医療機関へ受診した方がいい、そういう病状なのかどうかとか、また誤用や乱用のおそれがあるようなのか、こういったことを考えるということが重要です。
 平成二十一年度に一般用医薬品販売制度定着状況調査というのがありまして、この中でも、いわゆる情報提供や相談応需の状況について、第一類医薬品について購入前に説明があったかどうかを聞いたところ、説明自体なかったという、こういう話が一九・八%あるなど、必ずしも対面販売であっても十分な説明がなされていない例もあると承知をしています。
 そういう意味では、委員から御指摘がありましたように、それぞれの患者さん、また求めに応じて買いに来る消費者のそれぞれの特性をどうしっかり見極めていくか、これは今後検討していかなければいけない課題であろうというふうに考えております。
○川田龍平君  是非よろしくお願いします。
 そして次に、政府の社会保障改革に関する集中検討会議の中で、医薬品の、本人、患者負担の見直しが議論されていると聞きました。本件については、六月二日の会見で香取照幸内閣官房内閣審議官が、市販類似薬については本人負担を見直すと明言されています。ついては、見直すと明言されていますが、確かに諸外国でも市販の医薬品に類似品がある場合には該当する医薬品の医療用医薬品を保険対象から外すのが一般的です。しかし、この市販類似薬を償還対象から外すということになれば、製薬会社はそもそも市販薬たる一般用医薬品の販売をちゅうちょするようになるに違いありません。
 我が国の一般用の医薬品は製薬会社が申請をして初めてスイッチ化が図られる制度となっていると聞いています。市販の類似薬が本人負担となるのであれば、製薬会社はスイッチ化を求めなくなるのではないでしょうか。これは政府が推進しているスイッチ化を後退させることにもつながるのではないでしょうか。
 政府の見解をお示しください。
○政府参考人(外口崇君)  医薬品に関する自己負担につきましては、市販医薬品の価格水準も考慮して見直すとの考え方が集中検討会議の改革案の中で示されているところであります。
 一方で、これまでも行政刷新会議において、漢方薬等の市販品類似薬を保険から外すことについて検討すべきとされたことを踏まえ、社会保障審議会医療保険部会でも検討いたしましたが、特定の患者さんへの負担が著しく増大すること、対象となる薬の切り分け、範囲の選定が困難であること等の指摘がなされたところであります。
 また、御指摘のとおり、スイッチOTCなど新規の一般薬開発への影響の可能性も否定できないところであり、この課題につきましては様々な御意見を踏まえながら検討していくべきものと考えております。
○川田龍平君  終わります。