川田 龍平 オフィシャルブログ

6月14日(火)、厚生労働委員会 で質問をいたしました。

今回は、東日本大震災の被災地における介護保険サービスについて、被災地では介護保険サービスを必要とする高齢者でどれくら増加する見込みであるのか、被災地への介護職員の派遣について、介護職員の賃金について等を質問いたしました。


会議の様子はhttp://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php よりご覧になれます。6月14日の厚生労働委員会を選択し、さらに発言者を選べる欄がございます。


以下、議事録(未定稿文であるため一部変更がある可能性があります)を掲載します。


○川田龍平君  みんなの党の川田龍平です。
 東日本大震災の被災地における介護保険サービスについて質問いたします。
 この度の震災で被災した人たちの中で、在宅サービスを利用している人は何人いるのかお答えください。また、居宅介護支援事業所を含む訪問介護サービス事業所など、在宅サービス提供事業所の中で被災した事業所の数、被災により休業あるいは廃業した事業所数はどのくらいになるのか、把握されている数字をお知らせください。
○政府参考人(宮島俊彦君)  まず、居宅介護支援を含む訪問介護などの被災状況ですが、岩手県で被害を受けた事業所は百十、そのうちサービス提供が困難になったのが三十六、宮城県では被害を受けた事業所は三百十七、サービス提供が困難な事業所は五十三、福島県では、三十キロ圏内の地域で居宅サービス事業所数は百六十九事業所ということでございます。
 それで、最初の方の御質問の、被災した人たちの中で在宅サービスを利用している人は何人になるのかという御質問でございますが、これデータといたしましては、二十三年十一月の時点でこの被災三県の沿岸部の三十四市町村では四万四千七百六人の方が居宅のサービスを受けていました。ただ、この方たちは今避難所あるいは施設へ避難されている方々もいるということで、今現在こういう方たちが何人いるかの実数の把握はできていない状況でございます。
○川田龍平君  岩手、宮城、福島三県で介護などを必要とする高齢者は約二十一万七千人という新聞報道がありますが、被災地で介護保険サービスを必要とする高齢者はどれくらい増加すると予測されているのかお答えください。
○政府参考人(宮島俊彦君)  二十一万七千という委員のおっしゃった数字でございますが、これは介護保険事業状況報告における平成二十一年三月末の岩手、宮城、福島三県の六十五歳以上の要介護認定を受けた方の数でございます。
 この数が今現在どうだということは、各県に聞き取りなどを行っていますが、各県ともまだ今の現在の状況を把握するのは困難な状況であるというふうに報告を受けているところでございます。
○川田龍平君  この被災地に介護が必要な人たちのためのサポート拠点を百か所設置する予定とのことですが、現在どのくらい設置されているのかお答えください。また、サポート拠点に必要な介護職員などのマンパワーは何人くらい必要と見込まれており、サポート拠点に介護職員を配置する準備は整いつつあるのかどうかもお答えください。
○政府参考人(宮島俊彦君)  サポート拠点についてのお尋ねでございます。
 岩手、宮城、福島三県におけるサポート拠点の現在の検討状況でございますが、現時点で小規模施設も含めて六十五か所程度の見込みでございます。
 小規模とフルスペックというか、大規模をどういうふうにつくるかで、これからの検討でございますが、例えば総合的な拠点サービスで見ますと、デイサービスで利用定員十五人程度でありますと、介護職員や相談員や調理員などが九人ぐらい必要になる、それからそれに併せて総合相談とか事務職員などが必要になるというようなことでございます。それから、中規模なサポート拠点ということになりますと、総合相談、地域交流などで、相談職員と事務職員、介護職員など四名ぐらいの体制ということで、こういった総合型をつくっていく、あるいは中規模なものをどのように組み合わせてつくってくるかでこのようなそれぞれの人数を掛け合わせた数が必要になってくるという、そういう関係でございます。
○川田龍平君  この震災により大半の避難所でのケアが行き届かずに運動機能が低下したり、また体調が悪化した人がいると。それから、震災前は介護を必要としなかった人の症状悪化が目立つといったことも言われています。是非とも介護をしっかりと受けられるような状態にしていかなければ、これはどんどんこのサービスを受ける人も増えてしまうということになっていきますので、是非とも早急に実態を把握していただいて、しっかりすぐにこの介護のサービスが受けられるようにしていくというための措置をしていただきたいと思います。
 次に、厚生労働省は、都道府県に対して介護職員の派遣を数次にわたって要請し、全国で八千六十人の派遣が可能との回答を得たということですが、実際に介護施設、障害者施設に派遣されたのは千八十八人と報告されています。
 なぜ被災地への派遣人数が少ないのか、その理由をお聞かせください。また、この派遣人数が少ない原因として、短期滞在を希望する派遣者側と長期滞在を求める被災地側との調整が困難という分析がありますが、国として長期派遣を可能とする支援体制の準備をする予定はあるかについて併せてお答えください。
○政府参考人(宮島俊彦君)  委員御指摘のとおり、六月十日時点で全国から派遣可能な人数として登録されている方は七千七百三十二人でございます。これに対して、派遣された人数は千二百五十七人ということでございます。これは派遣を希望する事業者の側と全国の方の事業者がお互いに話し合ってマッチングするということでやっているわけでございますが、現地の、被災地の方で道路やライフラインが復旧して被災した施設の職員が復帰すると派遣のニーズが少なくなってくるという側面が一つございます。
 ただ、派遣のためには派遣に関する旅費、宿泊費などが必要ですが、これは災害救助費から支弁するという形になっておりまして、また、派遣された職員の手当も、超過定員でオーバーしても介護報酬を払うということにしておりますからその中から払われるということで、今後、長期のものもできないかどうかという点も含めまして、介護職員の派遣を適切に進めてまいりたいと考えているところでございます。
○川田龍平君  是非よろしくお願いします。
 次に、介護職員の賃金について質問いたします。
 二〇〇九年度の介護報酬改定は、介護職員の給与引上げのため三%のプラス改定が行われましたが、介護職員の離職傾向に歯止めが掛からずに介護職員処遇改善交付金が設けられました。介護職員の、最近、賃金は月約一万五千円アップしたと報告されていますが、施設サービス従事者と在宅サービス従事者の間で賃金に相当の差が付いています。まだまだ在宅サービス従事者の賃金を引き上げる努力が必要と思われますが、政府の見解をお答えください。
○政府参考人(宮島俊彦君)  賃金の上昇が介護職員処遇改善交付金でどうなったかということですが、施設系では一万二千円から一万六千円、居宅系でも一万二千円から一万七千円となっておりますが、そういう居宅系の中でも一万二千円の程度のところもあるということでございます。
 そういうことでございますので、この在宅サービス従事者を始めとした職員の処遇改善、今後も検討すべき課題ということでございまして、給付費分科会などの議論を踏まえて方策を検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○川田龍平君  先ほども質疑がありまして、答弁で年末までという話もありましたが、この介護職員処遇改善交付金は今年度までの時限的措置ということで、来年度以降について、交付金を延長すべきという意見と介護報酬に組み込むべきという意見があり、この二つの選択があると大臣は答弁をされております。また、どちらにするかについては社会保障審議会介護給付金分科会で年内に結論を得ると答弁されていますが、この介護給付費分科会では、賃金は労使の話合いによる、あるいは経営者の裁量で決めるという意見も出ています。
 労使の話合いと言いますが、産業別で、医療福祉分野の労働組合組織率は二〇〇九年度で七・八%と報告されています。医療の方が介護より組織率が高いと推測されるため、介護労働者の組織率は極めて低いと考えられています。
 未組織労働者が多い中で介護職員の給与引上げ分を基本報酬に組み込むことは、経営者の裁量となる可能性が高く、再び賃金が下がることが懸念されています。介護職員処遇改善交付金のまま給与が維持されることは介護報酬の原則から外れるかもしれませんが、来年度以降も当面の措置として交付金を維持する必要があるとも考えられますが、政府の御見解をお答えください。
○大臣政務官(岡本充功君)  御指摘のとおり、先ほど大臣の方からも御答弁させていただきましたとおり、このいわゆる介護職員の賃金をどうしていくかというのは大きな課題でありまして、両側面での議論があります。
 もちろん、先ほど三原委員からも御指摘がありました、年末大分議論したんだろうという御指摘でした。おっしゃるとおりで、大分議論しましたけれども、様々な論点があって、少し整理をしてこの年末に向けて決めていくと、こういうことになろうかというふうに思っております。先生からの御指摘も含めて、我々の中での議論を進めていきたいと、このように考えております。
○川田龍平君  次に、介護福祉士の教育課程について質問いたします。
 専門学校を卒業することで国家試験が免除される規定が三年間延長されましたが、今後の教育体制をどのように考えているのかどうか。また、教育課程そのものが実務経験の少ない学者によってつくられ、教えられている現実に対し、改革するつもりはないのでしょうか。現場でのノウハウが個人に属したままで教育課程に生かされていないから離職率も高いのではないかと考えますが、お答えはいかがでしょうか。
○政府参考人(清水美智夫君)  介護を取り巻く環境、変化してきてございます。認知症ケアでございますとか、今も御審議いただいている喀たん吸引等の医療ケアの実施など、したがいまして介護福祉士に求められる役割も変わりつつあるというふうに考えてございます。
 このような介護現場でのニーズでありますとか、時代とともに深まっていく介護技術・理論を継続的にフォローいたしまして養成施設での教育に還元していく、そういうことが現場で真に役に立つ介護福祉士を養成していく上で不可欠であるというふうに私どもも思ってございます。
 介護福祉士養成教育に関しましては、大学の教員などの学識経験者とそれから第一線で活躍している現場の関係者、双方がバランスよく参画し、お互いに連携、共同していくことが重要であると考えてございます。今後とも、カリキュラムの検討でありますとか、実際の専門学校等養成施設での教育がそのようなものとなりますように介護福祉士の教育体制の在り方を考えてまいりたいと思っております。
○川田龍平君  次に、介護サービス情報の公表制度について質問いたします。
 介護サービス情報の公表制度では、事業所が申告した基本情報と調査情報を更に都道府県の調査機関の調査員が確認したものが現在都道府県ごとにホームページで公表されています。改正案では、調査機関による調査情報の調査は都道府県が必要と認めた場合に実施することに変更されますが、都道府県が必要と認めた場合の調査手数料はこれまでどおり事業所の負担となるのかどうかをお答えください。
○政府参考人(宮島俊彦君)  今回の見直し後でも、都道府県の判断で地方自治法に基づいて必要に応じて手数料を徴収することは法律上は可能ということでございます。ただ、今回の見直しでは、公表サーバーを国で一元管理するでありますとか、知事の調査、これは必要と認める場合というようなことになりますので、可能な限り手数料によらずに運営できる制度になっていくものというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君  この介護サービス情報の公表制度で都道府県のホームページに公表されている情報は、月平均アクセス件数が約二十五万件との答弁がありますが、利用者の選択に資するという制度の目的にかなうものかどうか疑問があります。
 介護保険サービスの利用者の平均年齢は、要支援認定者が八十一歳、要介護認定者が八十三歳と報告されています。インターネットの利用ができる年代の人とは到底考えられませんが、利用者の選択に資する目的の実現のためには公表の在り方について更に検討する必要があると考えますが、政府の御見解をお教えください。
○大臣政務官(岡本充功君)  御指摘のとおり、この公表制度については様々な御意見が寄せられていまして、昨年のアンケートでももう少し使い勝手の良いものにしてくれと、こういう意見がありまして、こういった御意見を受けて、今回、介護保険部会の意見においても検索機能や画面表示などを工夫するよう提言をされまして、結果として、今年度から専門用語の解説や検索機能を強化して、利用者にとって分かりやすいそういった表示をした公表画面簡易版を今作成、追加をしているところでありまして、この簡易版ですと大体プリントアウトをすると紙一枚ぐらいになるかということで、高齢者の方、また利用者やケアマネジャーの方、利用者の家族の方、こういった方に分かりやすく今後ともお示しをしていきたいと、このように考えております。
○川田龍平君  最後に、難病の患者さんは難病施設や介護保険の施策で難病ヘルパーや介護保険サービスを使える方もおられますが、どちらの制度からも漏れてしまう難病の患者さんも多くいらっしゃいます。そうした方々について障害福祉サービスの対象にするなど、何らかの対策が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(木倉敬之君)  お答えいたします。
 難病の方々につきましては、現在もまず難病患者等居宅生活支援事業という形で、一定の難病の方々について市町村がホームヘルパーを派遣して介護や家事のサービスを提供する事業を実施しておる。また、その介護保険法に基づきまして要介護状態と認定されました方については、介護保険法のサービスが受けられる。さらには、身体障害者福祉法に定めますような一定の肢体不自由のような状態になられまして身体障害者手帳を受けたような方につきましては、障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスによる支援が可能となっておるところであります。
 一方で、昨年六月に閣議決定をしております「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」におきましては、障害者自立支援法に代わります障害者総合福祉法の検討を進める、その中で制度の谷間のない支援の提供等の検討を行うこととされているところでありまして、現在、難病の関係の方も構成メンバーに入っておられます障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会において議論が進められているところであります。
 この部会におきましては、本年八月に提言がまとめられるというふうに承知しておりまして、厚生労働省といたしましては、これらを踏まえて新たな制度の在り方を検討してまいりたいと考えております。
○川田龍平君  終わります。