川田 龍平 オフィシャルブログ


患者の立場での医療を提唱し続けている大熊由紀子さんが年に1回開催する「えにしを結ぶ会」に、今年も参加しました。


第一部は認知症について。ノーマライゼーションの提唱者として知られるバンク-ミケルセン財団の千葉忠夫さんがデンマークからの報告をし、精神病院に長年勤め、現在は訪問診療している上野秀樹さんが日本での実践を報告、それを認知症といえばこの人という代表者の一人である永田久美子さんによるコーディネートで会が行われました。
上野さんは、精神的な問題を抱えている人は医者や病院が嫌いで行きたがらないので、そのまま放置されて、症状が悪化し、拘束や投薬という強制力が働く病院に入院せざるをえなくなるという負のスパイラルがあるということを、実体験からお話になり、病院に通院できなくて悪くなるならば、こちらから訪問診療すればいい、と発想転換し、実践してくると、悪化せずにうまく症状をコントロールできるのです。
そして、こうした考え方はデンマークでは当たり前、と上野さんが対応するというやりとりを聞いていて、認知症だから施設に入れる、のではなく、地域の住みなれた場所でケア体制がしっかりとある中で充実した生をおくるこの実践例を日本中に広めていかなければ、と実感させられました。


第二部では、医療と福祉の質と費用の問題を考えるとのテーマで行われました。コーディネートするのは、震災の取材で現場にずっと入っていた朝日新聞論説委員の浜田陽太郎さん。『おひとりさまの老後』が大ベストセラーになった上野千鶴子さんの、家族がいないでも質の高い福祉を受けられるかという問いを受けつつ、各現場からの報告がありました。高齢者の地域包括ケアを続けてきたこぶし園の小山剛さんは、施設を増やせという要求は、家族のニーズであって本人のニーズではなく、本人がどういうケアを必要としているか、というところから出発してケアをしていくべきで、それを実践してきた報告をしました。口腔ケア世界一と評価された熊谷崇さんからは、定期的なメンテナンスすれば一生全ての歯を維持できるのに、悪くなって削っては埋めて、埋めたところが悪くなってやり直すという過程で、ブリッジになり部分入れ歯になり総入れ歯になるというひどい状況の日本の口腔ケアの異常さを国際的にありえないものと断じ、日本でもそれが可能な実例を紹介されました。在宅ケアの診療所ネットワーク世話人の太田秀樹さんからは、ほとんどの人は入院の必要がないのに、入院することで、どんどん自立度が落ちていくだけで何の解決にもならずQOLは確実に落ちる。骨だって放置すればくっつくわけで、医療に頼りすぎて、社会的入院させるのは間違いで、必ず標準的医療をしなければいけないというのも単なる医者の保身ではないか、との大胆な意見を出されました。費用の問題で重要な社会保険の支払基金理事長の河内山哲朗さんからは、われわれ自身が医療費の増大とその使い方について、きちんと情報を得て、どうしていくか考えなければいけない、という問題提起をされました。とにかく、第二部のキーワードは、障がい者でも高齢者でも施設に入れようというは、本人のニーズではなく周囲のニーズであり、施設は避難所なのだから、一時的にいても元の場所に戻る、そのためにできうる限りのことをするのが本来のあり方だ、ということに尽きます。


第三部では場所をパーティー会場に移し、一部二部の充実した討論を経て、それぞれが当事者の立場からその運営に挑戦していくさまを川田龍平と、元鷹巣町長の岩川徹さんとその奥さん、冤罪に問われ無実を証明した元厚生労働省雇用均等・児童家庭局長の村木厚子さんとその旦那さん、さらに北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点であるベテルの家からこられた伊藤さんと早坂さんの計7人のゲストスピーカーと毎日新聞社会部の玉木記者のコーディネートのもと会を行いました。
私、川田はなぜみんなの党に入党したのかというテーマで講演し、みんなの党に入党し厚生労働委員会に所属することができ、現在患者の立場から医療の現場を知る者として、国政で活動を行っていることなどを話しました。私は薬害というものを議員になる前に経験し、薬害エイズ訴訟を戦い、そして現在厚生労働委員会に所属する議員になりました。薬害の撲滅を行うには、薬害だけではなく医療全体のことを考えなければ、問題の解決にはならないというお話をいたしました。
べてるの家のお二人は恋のノーマライゼーションというテーマで講演され、ドラマのようには行かないけれど紆余曲折をへながら恋愛をされていることとのことを話していただきました。。
元鷹巣町長の岩川徹さんとその奥さんは公職選挙法違反の疑いで現在裁判を戦っている悲痛な思いを語られました。
元厚生労働省雇用均等・児童家庭局長の村木厚子さんとその旦那さんは、冤罪で無実の判決を勝ち取とられた経験を語られました。無実の罪であったとしても裁判で無罪をかちとるには検察、裁判官、当事者、そして運など様々な要素が必要である事を語られました。また、拘置所での刑務官から「泣いても始まらない、明日から裁判で戦うんでしょ」と励まされた心温まるエピソードも話されていました。


今後、川田龍平は今回聞いた医療・福祉についての当事者からの声を反映し、いのちが最優先される社会現を実現致します。



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(左から)川田龍平、大熊由紀子氏、妻(堤未果)