大阪万博の「経済効果」についての疑問 ① (11/29) の2回目です。前回はミクロな視点から世帯当たりの用途別支出内訳について書きました。個人消費の観点からは支出先が変わるだけで、大阪万博の「経済効果」は他地域での消費の落ち込みで相殺されると考えています。
「経済効果」というマクロな数字は大阪万博に来場する「消費者」の内訳(外国人観光客、近畿圏以外の国内居住者、近畿圏在住者の数)、消費の内訳(入場券、滞在費(宿泊費、交通費、飲食費、土産代等)など精緻な数字の積み上げが必要に思います。
2022年の都道府県別の国内総生産(GDP)は
- 東京都:115.7兆円
- 大阪府:41.2兆円
- 愛知県:40.9兆円
でした。大阪万博の会場の夢洲では建設、土木工事等が進行しています。国家予算から建設・土木事業者への工事代金の流れはありますが、建設・土木事業者の本社所在地は東京都が殆どです(5大ゼネコンのうち、コード順で新宿区、港区、中央区、港区、非上場の竹中工務店のみ大阪府)。2022〜2025年のGDPを見れば経済効果が「発生」したかどうかは分かるでしょう。2024年からはパビリオンの設備工事が始まるので近畿圏の設備工事業者の受注があるでしょう。2025年4月13日からの会期中にどれだけ増えるかは未知数です。
大阪万博の「経済波及効果」についてはアジア太平洋経済研究所が試算しています。
産業連関表での分析なので、近畿圏での観光収入が増えれば、他地域の観光収入は普通は減ります。結論の一部を引用すると
1. 経済効果を生産誘発額でみれば、基準ケースでは2兆3,759億円、拡張万博ケース1では2兆7,875億円、拡張万博ケース2では2兆8,818億円と試算された。拡張万博の効果を考慮した場合、経済効果は約4千~5千億円程度の上振れが見込まれる。
大阪万博の「経済効果」についての疑問 ① (11/29) の2回目です。前回はミクロな視点から世帯当たりの用途別支出内訳について書きました。個人消費の観点からは支出先が変わるだけで、大阪万博の「経済効果」は他地域での消費の落ち込みで相殺されると考えています。
「経済効果」というマクロな数字は大阪万博に来場する「消費者」の内訳(外国人観光客、近畿圏以外の国内居住者、近畿圏在住者の数)、消費の内訳(入場券、滞在費(宿泊費、交通費、飲食費、土産代等)など精緻な数字の積み上げが必要に思います。
2022年の都道府県別の国内総生産(GDP)は
- 東京都:115.7兆円
- 大阪府:41.2兆円
- 愛知県:40.9兆円
でした。大阪万博の会場の夢洲では建設、土木工事等が進行しています。国家予算から建設・土木事業者への工事代金の流れはありますが、建設・土木事業者の本社所在地は東京都が殆どです(5大ゼネコンのうち、コード順で新宿区、港区、中央区、港区、非上場の竹中工務店のみ大阪府)。2022〜2025年のGDPを見れば経済効果が「発生」したかどうかは分かるでしょう。2024年からはパビリオンの設備工事が始まるので近畿圏の設備工事業者の受注があるでしょう。2025年4月13日からの会期中にどれだけ増えるかは未知数です。
大阪万博の「経済波及効果」についてはアジア太平洋経済研究所が試算しています。
産業連関表での分析なので、近畿圏での観光収入が増えれば、他地域の観光収入は普通は減ります。結論の一部を引用すると
1. 経済効果を生産誘発額でみれば、基準ケースでは2兆3,759億円、拡張万博ケース1では2兆7,875億円、拡張万博ケース2では2兆8,818億円と試算された。拡張万博の効果を考慮した場合、経済効果は約4千~5千億円程度の上振れが見込まれる。