これまでに書いたブログのデータを更新しながら考えています。タイトルの”死亡者が30人/日なら許容範囲だろう”については、リスクゼロ、死亡者ゼロはありえないという意味での現実的な許容範囲です。

 

再3・死亡者が減らないと「収束」ではない!!(10月10日) に掲載した、全国と1都3県(東京都神奈川県埼玉県千葉県)と大阪府の月別の死亡者数のリバイスです。私は大阪府在住です。4月〜6月は全国最多の死亡者数で忸怩たる思いでした。

 

黄色が全国最多です。7月以降は東京都がワーストワンです。埼玉県を除く1都2県の死亡者数は月別では2番目か3番目に多い月になりました。

 

 

10月は1日平均で28人でした。

 

下のグラフは「抗体カクテル療法」が認可された7月19日以降の重症者数死亡者数との相関です。散布図で、8月18日以降、2週間ごとに色分けして赤、紫、橙、白にしています。何やら、経済学の「景気循環」の図のような振る舞いをしているように見えます。

 

私は新型コロナの感染状況は「自然現象」ではなく、「社会現象」だと考えています。その意味では経済学の「景気循環」(在庫の積み上がりと解消)と比較するのも一案だと思います。下の散布図に「許容範囲」として重症者数が千人以下、死亡者数が30人以下を緑の破線で示しました。重症者が減れば、不幸にして死亡する人は減ります。

 

都道府県ごとで入院中の重症者数は異なります。年代、基礎疾患の有無で累計感染者数に対する致死率は異なります。大雑把には「第5波」での致死率は0.3〜0.4%で、季節性インフルエンザの致死率の0.1%よりは高いです。また、long-COVIDと呼ばれる後遺症があります。

 

横軸は重症者数、縦軸は死亡者数です。重症者数死亡者数には「正の相関」が認められます。重症者数は9月8日が2211人で最多でした。10月13日は413人でした。死亡者数は9月8日の89人が9月の最多でした。

 

「第5波」では東京都死亡者数が最も多く、また、1都3県の死亡者数は全国の5割を超えています。肺に水が溜まる普通の肺炎では1〜2週間、入院することはあっても死亡することはありません。凡そ、入院時点で治療計画を立てるので「想定外」が起きるのかどうか分かるかもしれません。東京都は累積感染者数が国内トップですが、致死率は1%弱でした。「第5波」では0.3%台です。

 

様々な要因で、第3〜第5波が起こりました。地震、台風のような自然災害ではない、多くは「人災」ですが、政治家は責任を取りません。無責任な政治家のトップによる「総災」だと総括しています。

 

菅政権で累積感染者数は22倍増、累積死亡者数は12倍増です。菅首相はおそらく、新型コロナ対策にはついては素人だったのでしょう。少しでも「科学」に明るければ、こんなに感染者も死亡者も出なかったでしょう。

 

(5PM、追記)

東京都の14日の死亡者数(報告ベース)は12人でした。内訳(年代(死亡日))は、50(9/11)、50(9/15)、60(10/4)、40(9/11)、80(10/6)、20(8/7)、50(10/9)、90(9/18)、70(10/2)、70(10/8)、60(10/11)、30(10/12)でした。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

 

(8PM、追記)

ゼロコロナは理想ですが、現実的ではありません。欧米で感染者数死亡者数とも多い米国、英国は参考にはなりませんが、ドイツ、韓国、台湾の9/30-10/13の2週間の死亡者数はそれぞれ、764人、137人、4人です。1日当たりでは55人、10人、0.3人です。過度に医療従事者に負担を求めるのは酷でしょう。

 

(15日、追記)

ドイツの国土は日本と同程度、人口は2/3です。欧米とは人種/民族、生活習慣、社会制度が異なるので単純比較は難しいです。新型コロナ対策についてはドイツは欧米諸国の中では優れていると判断しています。台湾は蔡英文総裁のリーダーシップ、オードリー・タン担当相の的確な対策が成功しています。ニュージーランドのアーダーン首相のリーダーシップも高い評価を受けています。

 

日本の新型コロナ対策の良かった点、悪かった点は総括が必要です。PCR検査件数では、昨年10月の菅首相の所信表明演説で『…今後、冬の季節性インフルエンザ流行期に備え、地域の医療機関で一日平均二十万件の検査能力を確保します。…』と述べていますが、昨年12月までは約6万件、1月からの本格的な「第3波」では約9万件、3月末からの「第4波」では約13万件、「第5波」では約17万件が1日の最多検査件数でした。

 

ワクチンについても厚生労働省の所管する法律の改正をすれば迅速な承認ができたのではないでしょうか?

 

分科会については、感染症の専門家以外に経済に係る専門家を入れましたが、行動経済学や統計学の専門家が見当たりません。また、米国のNIAID のA Fauchi 所長のような実際に治療薬、治療法を開発した経験のある専門家も見当たりません(要確認)。

 

それでも、尾身茂会長はじめ分科会の有志で東京五輪開催に当たっての警告を出した点は評価されます。

 

免疫学の専門家は分かりやすい説明だと自分で噛み砕いて話をされていても、殆どの人には理解が困難です。児玉龍彦・東大名誉教授の話は「正しい」と分かっていても、α株のN501Y変異、δ株のE452R変異ほか、COVID--19の立体構造が頭に入っている人でないとついていけません。

 

(15日1PM、追記)

欧米、特に米国と英国は昨年冬から感染状況が深刻でした。米国は 'field hospital' を設置、英国は「ナイチンゲール・ホスピタル」を設置しました。日本の分科会の問題は、①医療体制の構築の失敗、②ワクチンの開発、接種の遅れに集約されます。

 

田村前厚労大臣は退任挨拶で反省を述べましたが、菅前首相は「自画自賛」で終わりました。菅前首相は多分、「何〜んにも」COVID-19は分からなかったのでしょう(要確認)。自分がかつて秘書を務めた元国会議員の息子が横浜市長選で惨敗しても、地位に恋々としがみつこうとしていたので、凡そ想像力が欠落していたのでしょう(要確認)。私には「不思議ちゃん」、「絆ちゃん」としか思えないのですが、地元の選挙民には恩恵があったのでしょう。