薬学部の4年制と6年制(8月16日) に、『私が大学に通っていた40数年前は、薬学部は4年制で、いつの間にやら6年制になりました。少し調べると2006年から6年制と4年制が併存するようになり、2012年に6年制卒業予定者に対して薬剤師国家試験が実施されることになったようです。…』と書きました。

 

下の表は「大学2020受験案内」(晶文社)から、旧帝大の東大京大と私立大学で医学部のある慶應義塾大学北里大学、日本大学と薬学部として伝統のある東京薬科大学について、薬学科(6年制)と薬科学科(4年制)の入学定員と進路をまとめたものです。

 

 

私の通っていた大学では、4年制は薬科学科、6年制は薬学科に分かれていて、4年制卒業生の殆どは大学院に進学します。大学/製薬企業で研究の道を志すのであれば、4年制の薬科学科を選びます。薬学部として一括して入学し、4年次に薬科学科薬学科に振り分けられるようです。18歳で現役合格して、6年で24歳、修士課程(2年)と博士課程(3年)で27歳となります。それから大学/製薬企業等での研究が始まります。

 

高校生の時、比較的、理数系が得意で英語もそこそこであれば、薬学部に入学して、さらに6年間、勉強が続けられれば、薬剤師国家試験に合格できるのでしょう。ちなみに、3月に発表があった結果は

  • 東京大学;12名受験、9名合格、合格率75%
  • 京都大学:43名受験、35名合格、合格率81.4%
  • 慶應義塾大学:172名受験、156名合格、合格率90.7%
  • 北里大学:268名受験、233名合格、合格率86.9%
  • 東京薬科大学:552名受験、448名合格、合格率81.2%
  • 日本大学:326名受験、229名合格、合格率70.3%

となっています。東京大学の結果は、ほぼ例年並みのようです。

 

(6AM、追記)

薬科学科(4年制)から大学院に進学して研究者になることを志望するか、薬学科(6年制)で薬薬剤師になることを選ぶかは、各人各様なのでしょう。基礎知識がなければ、博士号を取得しても、薬剤師資格が得られても、それからが大変です。

 

(9AM、追記)

昨年亡くなられた下村 脩(1928-2018)氏、北里大学特別栄誉教授の大村智氏は、ともに苦学されましたが、道を究めました。高校時代に有機化学に関心があり、受験勉強が苦にならなければ、上の方にあげた大学を志望するのがいいのでしょう。決して、薬剤師資格を得るために、「入りやすい」大学を選ぶのは、好ましくありません。私は、大学に入ることだけが目的ではないと思います。

 

千葉科学大学薬学部の薬剤師合格率(3月25日) にも書きましたが、薬剤師の仕事はAIに置き換わっていくと見ています。医療費抑制のこともあります。また、「禁忌」については大学病院や調剤薬局に拘わらず、重要な問題です。すでに、薬剤師国家試験の合格率の低い大学は定員充足率が年々、低下しています。