下表は、再び獣医学部新設について(9)(5月19日) の再掲です。黄色の背景は私立獣医科大学です。

 

表の右欄の数字は各大学が公開している在学生数を調べたものです。上の表にあるとおり、既存(だった)5つの私立獣医科大学には大学院(博士課程)があります。

 

関連ブログを加計学園の「あかさたな」(2)(5月25日) や 加計学園新文書は三択か?(5月23日) に書きましたが、獣医学部新設に「前のめり」になった理由が今一(いまいち)、理解不能です(-_-;)。

 

獣医師になれば、安定収入が期待できるのかも知れませんが、産業獣医(公務員獣医)の処遇は良くありません。

 

対立の図式を書けば、首相 + 加計学園 + 首相官邸(官房長官、官房副長官、首相参与、首相補佐官、首相秘書官等)+ 内閣府 + 今治市 vs. 文部科学省 + 日本獣医師会等でしょうか。折角、4月に開学した岡山理科大学獣医学部がどうなのかはこれから明らかになるでしょう。愛媛県は中間の立場でしょうか?

 

私の調べた限りでは、今治市は1975年の開発から塩漬けの用地を無償提供し、市町村合併の特例債から補助金を拠出します。ただし、全額が地方交付税から保障されません。10年後には20億円@年の収益が見込めるとの「大甘」の算定がありますが、良しとしましょう。愛媛県の補助は県の負担です。

 

(1PM、追記)

日経新聞(大阪本社版)朝刊の社会面(37頁)に『北海道内の国立大学である小樽商科大(小樽市)、帯広畜産大(帯広市)、北見工業大(北見市)の3大学が運営法人の統合をめざして協議していることが、24日、関係者の取材で分かった』とありました。帯広畜産大学畜産学部獣医学科はすでに、北海道大学獣医学部と共通獣医学課程をスタートしています。5つある既存だった私立獣医科大学もレベルアップを図っています。このままでは、岡山理科大学獣医学部と既存だった16国公私立獣医学部/獣医学科との差は広がるばかりのように思います。

(3PM、追記)

全国で86ある国立大学が47都道府県の数+αになれば、国立大学、私立大学上位、私立大学中位で200〜300校位になるのでしょうか?特色のある地方私立大学は残るのでしょう。

 

さて、今回の騒動で誰が一番、得をして、誰が一番、損をしたのでしょう?獣医師会が損をしたのでしょうか?寧ろ、「獣医学」が陽の目を浴びて良かった面もあります。優秀な人材が集まれば、「獣医学」全般にはプラスです。産業獣医(公務員獣医)を養成するには、健康な家畜だけでなく、病気の家畜(患畜)が必要ですし、附属動物病院が稼働していなければなりません。また、創薬などライフサイエンス系では、最先端の研究を行っている医学部や製薬会社との連携が不可欠です。地の利を考えて良かったのかどうかは、1、2年内に明らかになるでしょう。

 

(関連ブログ)

再び獣医学部新設について(9)(5月19日)

岡山理科大学と京都産業大学(3)(5月19日)

獣医学は錬金術か?(11)(5月11日)