「裸の王様」デンマーク(Danmark) | 河内マサヤンのブログ

河内マサヤンのブログ

私が作成した創作花札を掲載しています。創作花札とは花札の形を借りた「書」「イラスト」「言葉遊び」が三位一体となった作品です。

ハイ!

今回は北欧のデンマーク。表題の国名表記はデンマーク語で「Danmark」作中は英語なので「Denmark」と綴っています。生活水準が高く、男女の賃金格差が少ない国です。

そしてデンマークといえば世界的童話作家のハンス・クリスチャン・アンデルセンが有名ですね。「みにくいアヒルの子」「マッチ売りの少女」「雪の女王」などが有名ですが、本作品には「裸の王様」をはめ込みました。

「裸の王様」のあらすじは以下のとおりですかねぇ

仕立屋(詐欺師)「これは世にも不思議な馬鹿には見えない服ですじゃ」

王様〈全然見えねぇ、でも…言えねぇ……〉

  「おっ…おお!これまた素晴らしいファッションアイテムじゃ、褒美を取らすぞよ」

仕立屋(詐欺師)「では、さっそく御召しを」

王様「どうじゃ、似合っておるかの?」

お付きの人々「お…おおっ、お似合いでござりまする!」

王様「よし!ファッションショーを兼ねて街頭パレードじゃ!」

街頭の野次馬「おお!あれが最新シースルーコレクションかっ!」

そこへやってきた子供「王様の耳はロ…いや…王様は裸だよッ!」

街頭の野次馬「あっ、やっぱり?なんか俺も思った」

街頭の野次馬「俺も俺も」

当然王様の耳には入るのだが、やめるにやめられず、パレードは続くのだった……

という感じですか。

さて、実際のデンマークでは2024年1月14日にフレデリック10世が新しい国王に即位しました。ハーバード卒で顎髭が似合う男前ですが、即位式でチベット仏教の数珠をつけていたのが話題になり「デンマーク国教徒としていかがなものか」という声もあったとか。とは言え国民からは歓呼で迎えられたようです。

「裸の王様」は周りがイエスマンばかりで現実が見えず下々に迷惑をかけてしまうトップを揶揄するための言葉でもありますが、デンマーク国民はどうなのでしょう?

実はデンマークは世界屈指の高税率国なのです。所得税は40%~60%持ってかれますし、消費税は25%で世界三位の高税率です。ちなみに自動車を購入する際には消費税25%の他に自動車税150%が加算されます。そんな高納税義務のある国で国民は不満爆発かというとそうではなく、国連の世界幸福度報告では常に1、2位に君臨している状態です(日本はおおよそ50位あたり)。

デンマークは世界最高レベルの福祉国家で、医療費無料、出産前後の費用も無料、教育費は幼稚園から大学まで無料で、しかも18歳以上の学生には給付金まで支給されます。そして高齢者向けの年金制度や介護制度も充実しており、葬儀費用も国が負担する「ゆりかごから墓場まで」カバーする完全型の福祉制度を敷いています。

腐敗認識指数が世界で最も低く、国民が「税金の使われ方」に納得し、社会福祉を通して自らに還元されていると肌で感じる事ができるからでしょうか。

新国王が政治に深くかかわることはないと思いますが、デンマークの現状と「裸の王様」のストーリーとはかけ離れている感じでしょうかね。