河内マサヤンのブログ

河内マサヤンのブログ

私が作成した創作花札を掲載しています。創作花札とは花札の形を借りた「書」「イラスト」「言葉遊び」が三位一体となった作品です。

ナマステ!

今回はインド。五千年の歴史と世界第七位の面積を持ち、そして人口は2023年ついに中国を抜き世界一となりました。

そして地図にはめ込んだのは「ターバンの男と二羽の小鳥」です。一昔前のインド人男性といえばターバンを巻いた姿がステレオタイプでしたが、ターバンを巻くのはシク教徒で2%の割合だそうです。「インド人男性=ターバン巻いてる」というイメージはプロレスラー「タイガー・ジェット・シン」の影響も少なからずあると思います。頭にターバンを巻き、リング内外でサーベルを振り回し、場外でも買物中のアントニオ猪木・倍賞美津子夫妻を襲撃するなど「インドの狂虎」と呼ばれる暴れっぷりでした。しかしプロレスを離れるといたって紳士であたったことは有名な話。積極的に慈善活動を行い、カナダにはその名を冠した「タイガー・ジェット・シン・パブリックスクール」という公立高校もあります。そして日本でも東日本大震災で被害を受けた福島県の子どもたちへの支援を評価され、令和六年春に旭日双光章を授与されました。

 

みなさんは「う~んマンダム」をご存知でしょうか?もう50年以上前になりますか。男性化粧品「マンダム」のテレビCMで、「荒野の七人」や「狼の挽歌」で有名なダンディー俳優『チャールズ・ブロンソン』がアゴを撫でながら呟くセリフです。当初「マンダム」は商品名でした。発売元の株式会社丹頂は経営不振に陥っていましたが「う~んマンダム効果」で危機を脱し、社名も「マンダム」へと変更したのです。ジェリーウォレスの歌をバックとしたCMはまさに「男の世界」、インパクトあるCMでした。マサヤンも書塾の生徒から「先生あごになんかついてるで」→「う~んマンダム」をよく食らったものです。

さて、ブロンソンの本名は「チャールズ・デニス・ブチンスキー」といい、バルト三国のひとつリトアニアの移民でした。ほかの二国、元大関の把瑠都がエストニア、「戦艦ポチョムキン」のエイゼンシュテイン監督はラトビアの出身です。

 

ブラ!

今回はフィジー。メラネシアに属する三〇〇余りの島々とサンゴ礁からなる国です。オセアニアで4番目94万人の人口をもちます。イギリスの植民地時代にインドからの移住が進み、現在では人口の4割がインド系住民です。

ラグビーが国技といわれるほど盛んで変幻自在のパスワークとランニングは「フィジアンマジック」と称えられ、ラグビーW杯ではベスト8が3回、よりスピードとテクニックが求められる七人制(セブンズ)ではW杯2回、五輪1回の優勝を誇ります。ラグビー試合前のウォークライ(舞踏)はオールブラックス(ニュージーランド代表)の「ハカ」やトンガ代表の「シピタウ」、サモア代表の「シバタウ」等がありますが、フィジー代表は「ジンビ」を踊り自らを鼓舞します。

さて今回は、魔法のように美しい黄色と青のアイシャドーを持つ「レモンピールエンゼル」をはめ込みました。その美しさゆえ、人気の観賞魚ですがフィジー代表の如く「戦意旺盛」で『混泳は要注意』だそうです。

ブエナスタルデス!

7月に入り、2024年も半分が過ぎましたね。7月といえば、日本書紀に「雄略天皇22年(478年)7月に丹波国で浦嶋子なる者が巨亀を釣り上げる」との記述があります。亀は美女に変身し、浦嶋子は妻に娶り、共に海中にある蓬莱国へ赴き仙人たちに会って回ったとのこと。皆様ご存知の「浦島太郎」の原話ですね。万葉集になると、蓬莱国に3年滞在したのち里帰りすると既に300年経過しており、「開けてはいけない」と言われた箱を開け一気に老化してしまうというストーリーになります。浦島太郎は竜宮城で超スローライフをおくったのでしょうが、今回のはめ込み地図は、亀に乗るのは浦島太郎ではなく『ナマケモノ』、英名でも「怠惰」を意味する『Sloth』とあまり有り難くない命名です。移動速度は分速2m~3m程、スローライフ故に代謝が極端に少なく食事も1日10g程で木の葉や芽、自分の体毛に生えたコケを摂取しています。一生のほとんどは樹上で過ごしますが、週に1回地上に降りて排便を行います。ただしこの時が一番危険でオウギワシなどの天敵に襲われやすく、ナマケモノの50%が排便時に命を落とす、まさに「命がけのおトイレ」なのです。

はめ込み地図のコスタリカにはナマケモノが多く生息し『ナマケモノのとおりみち』という名の「生物回廊農園(植樹により生き物の通り道を作り共生を目指す)」プロジェクトも立ち上げられています。コスタリカは「環境保護先進国」といわれ、国土の4分の1が国立公園・自然保護区で地球上の5%もの生物が生息し、世界で最も昆虫が多く住む国とも言われています。生物との共生を目指す姿勢が影響しているかは分かりませんが、世界で数少ない常備軍を持たない国でもあります。

浦島太郎が訪れた蓬莱国(竜宮城)は共生とスローライフを満喫できるコスタリカのような国だったのでしょうか。

ちなみに作中では泳ぐ亀に乗っているナマケモノですが、泳ぎは比較的得意で、地上の3倍の速度で泳げるとのことです。

 

今回は三十年程前❝鈴木悠斎❞の作品をご紹介します。

ハワイアンのスタンダードナンバーです。
碧水の上に珊瑚礁、下に藤浦洸氏の訳詞を書きました。
 
珊瑚礁と言えば、先日妻がシュノーケリングをしに沖縄へ行っておりました。
「綺麗な海と珊瑚と魚が見たい」との事でしたが、那覇到着時は警報が出るほどの大雨。風と波も大きく「海に入るの厳しいかも…」と危惧しておりましたが、泳ぐ日になると奇跡的に天気は回復、波も穏やかになり、美ら海を堪能できたそうです。
金鎚のマサヤンはお家で大人しく動画を見ていました(最後はビクッとしました…)

 

 

ンボテ!

コンゴ共和国は中部アフリカに位置しますが、東隣には「コンゴ民主共和国(旧ザイール)」があります。両国の違いはコチラをご参照あれ↓

 

コンゴには「世界一オシャレな男たち」がいるそうです。

年収の約4割を高級ブランドに費やすオシャレ泥沼にハマった猛者たちは『サプール』と呼ばれています。これは「オシャレで優雅な紳士達の協会」を略しているとのこと。しかしながら高級ブランドに身を包めば『サプール』になれる訳ではありません。3色以内での洗練されたコーデが必須、さらに立ち振る舞いも重要で「ディアダンス」と呼ばれるステップを踏みながら歩き、民衆の注目を浴びることも忘れません。『サプール』の起源はコンゴの伝説的社会運動家アンドレ・マツワが関係しています。彼がパリからブラザビルに降り立った時、本場パリ仕込みのオシャレファッションを見た民衆に衝撃を与えた事が起因だと言われています。『サプール』は何より❝平和❞を尊びます。「争い?服が汚れちゃうじゃないか…」との考えのもと彼らはオシャレを楽しみ、エレガントに振舞うのです。

さて今回のはめ込みは「体を洗う女性」です。男性はファッションセンスを磨くのですが女性は肌で勝負、美肌を磨いているのでしょう。

ボンジュ!

マルタ共和国はシチリアの南に浮かび、面積は東京23区の約半分程の島国です。

地中海の中央に位置する為、古くから交易の重要地点でしたが。故にカルタゴ、ローマ、アラブ、スペイン、オスマントルコ、フランス、イギリスなど多くの外憂に曝されました。「防御の歴史」を歩んできたマルタは16世紀の対オスマン帝国「マルタ包囲戦」や第二次世界大戦での対枢軸国「第二次マルタ包囲戦」で鉄壁の守りを見せつけました。16世紀の「マルタ包囲戦」で当時不敗を誇ったオスマントルコを退けたのが「マルタ騎士団(聖ヨハネ騎士団)」です。40年前オスマン帝国に「ロードス島」を追われ、『毎年鷹1羽』という破格の賃借料でマルタ島に入った聖ヨハネ騎士団は以後「マルタ騎士団」と呼ばれ、現在でも13,500人もの騎士が在籍(日本人も1名在籍)しています。ではマルタ共和国の首長はマルタ騎士団長なのかというと、そうではなく、オスマン帝国を破った騎士団長「ジャン・ド・バレット」にちなむ首都バレッタに本部を置いているわけでもありません。本部はローマにある「マルタ宮殿」です。実は「マルタ騎士団」はイタリア、ドイツ、スペインをはじめ世界112ヶ国との外交関係を持つ『領土無き独立国』として扱われているんですね(ただし日本やアメリカは国家として認めていません)。

さてさて、今回はネコちゃんをはめ込みましたよ。マルタ島は「猫島」と呼ばれ人口の二倍のネコが闊歩し、地元猫が集まる猫ポイントなど記した「ネコMAP」も発行されている超猫処。特に青が灰色の短毛なのは「マルタネコ」や「マルティーズキャット」と呼ばれています。ところで「マルティーズ」って聞き覚えありませんか?実は犬の「マルチーズ」もマルタ島原産なんですねぇ。じゃあ犬もはめ込みたいところですが、はめ込みスペースが足りずネズミに・・・「マルチーズ」ってことで「チーズ」はめ込んどきますか(笑)

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久々の創作花札です。やはり季節を楽しみたいですね。

千万ドルの夜景と神戸市花である紫陽花です。酸性土壌で寒暖差が大きい六甲の紫陽花は「六甲ブルー」と言われ、三宮の文具店では「六甲フォレストブルー」という万年筆用インクも売られています。そして六甲は酒処「灘」を育んだ『宮水』、そして「赤道を越えても腐らない」と各国の船乗りから絶賛された『KobeWater』の産地です。梅雨入りも近いですが、名水湧き出す六甲のマイナスイオンたっぷり空気と紫陽花を堪能しながら千万ドルの夜景を眺めるのも良いですねぇ。

 

サワディーカップ!

タイは長い間他国の植民地になっていない国です(16世紀から19世紀の300年以上長きにわたり繰り広げられたビルマとの争い『泰麺戦争』では首都を占領され属国になったこともあります)。今回のはめ込み地図はタイの北部と東部を大きな耳、マレー半島を長い鼻にして、タイの国獣ゾウにしました。

さて「長い」という言葉がよく出てくるタイですが、実は首都の名前も長いのです。タイ国外ではバンコクと呼ばれていますが、正式名称は非常に長く(以前少しご紹介しましたが、長くなるので意味は割愛しました…)

「クルンテープ・マハーナコーン・アモーン・ラッタナ・コーシン・マヒンタラー・ユッタヤーマ・ハーディ・ロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニー・ブリーロム・ウドムラー・チャニウェート・マハー・サターン・アモーン・ピマーン・アワターン・サティット・サッカタッティヤ・ウィサヌカムプラシット」で
意味は「インドラ神がヴィシュヴァカルマン神に命じてお作りになった、神が権化としてお住みになる、多くの大宮殿を持ち、九宝のように楽しい王の都、最高・偉大な地、インドラ神の戦争のない平和な、インドラ神の不滅の宝石のような、天使の大都」とのこと。
地元タイの人々はこの長い正式名称を正確に言えるのでしょうか?Youtubeで検証していましたが、間違えずに言えた方は10人中1人でした。タイの人は「クルンテープ」と呼んでいるようですね。

 

改めまして「はめ込み地図と花札展」が無事に終わり、御礼申し上げます。ご覧になった皆様は珍しがって喜んでくださいました。おそらく世界でこんな妙なことをやっているのはマサヤンくらいでしょう。まあ当たり前に珍しいのだと思います(笑)

実は百数十か国の大使館や領事館に案内を出しておりましたが、スロベニアとカメルーンから御礼状を頂きました。

スロベニアはアシカの曲芸にしましたが、あちらではニワトリと言っているそうです。多くの国ではこのように自分の国は何々に似ていると言っているんじゃないでしょうか。世界はめ込み地図もこれからもっと広まってくれればと思います。

そしてこのブログをご覧になっている方々、「はめ込み地図と花札展」にご来場いただいた方々、応援下さった方々、皆様のお陰で本当に励みになっております。ありがとうございました。

「カメのように歩み、ウサギのように休みながら」ではございますが、引き続き精進して参ります。

 

         河内マサヤン