インド旅ではいろんな寺院(神社)をまわってきた。
日本の神社はいわゆるパワースポットと呼ばれる澄んだ空気感だが、インドの寺院は石や岩盤を削って重厚に造られており、真っ暗な洞窟の中にいるようで怖い。
観光気分では跳ね除けられるような、生半可な気持ちでは入っていけない空気感。
「お前は本気でココに来ているのか?」と、神々の像から厳しい目で睨まれている感じがする。
(神々の像や寺院の雰囲気は凄かったが、撮影禁止なので写真はない。というより、祈りに来たのだから撮影する気にもならなかった。)
巡礼の最後は護摩焚きを行う。
自分の背丈を越えるような炎の前で1時間以上お祈りをする。
しんどくて泣きそうだった。
炎の目の前で座禅を組むためずっと火傷状態。
そして焚き火の中に大量のお供え物を焚べていくのだが、これが地獄!
お供え物を外から投げ込むと怒られる。
ソンナンジャ ダメヨー!
ホノオノ マンナカニ オイテクダサイ!
つまり、炎の真ん中まで生身の腕を入れて果物やスパイスを置いていくのだ。それも何十回と!
熱くて泣きそうになったが、ココまで頑張って巡礼して来たのだから、焼ける覚悟で炎の中にお供え物を焚べていった。
炎に手を入れたくらいで死ぬことはない。
死ななければ、それで良い。
インド人はこうやってケガレを流し、燃やすのだ。
そして、最後の洗礼。
護摩焚きの終盤に、井戸から汲んだ茶色い泥水を手に注がれた。
セイナルミズ デース。
コレヲ 3ハイ ノンデ クダサーイ。
うげぇぇぇっ!!
この泥水を飲むのー!?
さすがに躊躇しかけたが、ココまで頑張って来たのだから、死ぬ以外どうなっても良い。
これでケガレが落ちるなら、食中毒なんてかわいいものだ。
泥水を思い切りゴクゴク飲んでやった。
こうして、インド巡礼が終わった。
とりあえずやり切った。
寝る時間も少ない過酷な巡礼で意識朦朧、体力も限界。
ちゃんと祈れているのか?
心身が清められたのか?
それらを感じる余裕もなかった。
最終日、半日だけインド観光したが、疲労で何も覚えていない。
帰国して山形の実家に帰り、5日間寝続けた。