さっそくガンジス川の沐浴を試みるが、これが拷問のようなチャレンジだった。
ハリドワールの気候は日本の東京に近く、今は冬。東京より少し温かいが、服を脱ぐと寒くて震える。
そしてヒマラヤからの雪解け水なので、かなり冷たい。
これは辛い。
川に入って3秒で嫌になった。
極め付けは、沐浴場なのにかなり急流で恐ろしくキケン!
毎日川に立ち込む俺でも、さすがにこんな深い急流には入らない。
バランスを崩したら流されるし、下流には渦巻く激流の段差が待ち構え、流されたら死ぬと思う。しかも裸足だし、川底はツルツル。
だから岸に用意されたチェーンにつかまって潜る。
それでもまともに立つのがやっと。
急流に押されバランスを崩しかけ、水も飲んだ。
まさに命がけだ。
てか、この場所。
間違いなく死者が出ていると思う。
それほど危ない。
(後で調べると雨と雪解け水で水位が高かった。夏はもっと水位が低い。)
沐浴するときは、罪やケガレを反省し、心を改め、祈りながら潜る。
しかし、冷たいし危ないしで、そんな余裕はなかった(汗)
一瞬「チャプン」と顔をつけて川から上がったら、
ガイドさんに「ダメダメー!ソンナンジャ、ケガレ、オチナイヨ!」と怒られた。
そう。
観光に来たわけではないのだ。
全身全霊をかけ洗い流さなければいけない。
その後、頑張って頑張って2回顔をつけたが、耐え切れず。
もっとガッツリ潜って、ガッツリ祈って、ケガレを落としたかったが・・・ギブアップ。
俺は弱かった。
周りのインド人は勢いよく飛び込み、ザブザブと潜り、泳ぎ回っていた。
インド人、最強だ。
あまりに寒くてガタガタ震え、濡れた水着を脱ぎたくて、どうせ暗くて見えないだろうと大勢の人がいる前で素っ裸になり着替えた。
あぁ。
コレじゃ、まったく洗い流せてないわ。
完全に敗北。
代わりにと言うのもアレだが、
川から上がって、しっかり祈ってきた。
ちなみにホテルには風呂がある。
早く帰って、冷え切った身体を温めよう。
それが今この寒さを耐え抜く、少しの希望だったのだが・・・。