中国ドキュメンタリー映画、フォン・イェン監督「長江に生きる」の宣伝
雲南の冬の旅行の記事を昨日から連載しようとしている最中ですが、今回の記事は、臨時の宣伝です。
山形映画祭コーディネーターの藤岡朝子さんは、中国のドキュメンタリーにも造詣が深く、中国ドキュメンタリーの紹介にも力を入れた活動をされています。
藤岡さんから、中国ドキュメンタリー映画特別先行上映のご案内をいただきましたので、転載させていただきます。
フォン・イェン監督『長江にいきる 秉愛(ビンアイ)の物語』という作品ですが、三峡ダム建設の際に、湖北省のある村で一人移住反対をしている婦人を10年にわたり追いかけた力作です。
以下、藤岡さんからのご案内を抜粋します。
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特別先行上映 開催のお知らせ
フォン・イェン監督『長江にいきる 秉愛(ビンアイ)の物語』が2月下旬より東京でロードショー公開されますが、先行して特別上映を行うことになりました。
この先行上映は、「できるだけ早く見たい」というご要望と、『長江にいきる』を応援していただく、サポーターを少しでも増やしたいという思いで実施します。
この機会にいち早くご覧いただいて『長江にいきる』を広めるためにお力をお貸しいただければ幸いです。
● 日時:2009年1月28日 (水)・1月29日(木)両日とも21:00~(23:00終映予定)
● 場所:渋谷・ユーロスペース
(渋谷区円山町1-5 / TEL:03-3461-0211 / http://www.eurospace.co.jp
)
料金 当日一般:¥1700、大学・専門学校生¥1400、シニア・会員¥1200
※ 前売券もご使用頂けます(現在販売中)
お問い合わせ: ドキュメンタリー・ドリームセンター
TEL 03-5362-0671(シネマトリックス内) EMAIL doc.dream.center@gmail.com
『長江にいきる 秉愛の物語』とは:
三峡ダム建設による国の移住計画に、一人のごく平凡な中国の女性が抵抗する。ミカン園とトウモロコシ畑の大地に根ざした生活を貫く彼女の生き様を、カメラは7年間見つめ、ドキュメンタリーの地平を切り開く。世界の映画祭で絶賛された傑作。ナント三大陸映画祭銀の気球賞、プント・デ・ヴィスタ映画祭グランプリ、香港国際映画祭優秀ドキュメンタリー賞、山形国際ドキュメンタリー映画祭小川紳介賞ほか。
詳細は公式ホームページをごらんください。 www.bingai.net
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ドキュメンタリー・ドリームセンター
〒162-0054東京都新宿区河田町7-6
ID河田町ビル3F(シネマトリックス内)
TEL 03-5362-0671 / FAX 03-5362-0670 / doc.dream.center@gmail.com
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長江にいきる 秉愛の物語
2009年2月下旬 ユーロスペースにて春節ロードショー
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以下、私の感想です。
私はこの映画の試写会をみました。ただたんに現代中国のなかで、理不尽な立ち退きに対する個人の抵抗の話としてみるというよりも、むしろ一人のふつうの中国の婦人を、内心の世界まで踏み込んで丁寧に描写したことにも価値があると思います。
農村の一婦人が、なにに夢を抱き、なにに希望をもって生きているのかということも、この映画から窺ううことができますし、家族を守るために、どうしてこの婦人が移住に抵抗せざるをえなかったのか、いま、各地で同じような立ち退き問題が起こっている現代中国の状況から考えても、たいへん考えさせられることが多い作品です。
私の周辺にもかなり身近な人で、立ち退きを迫られた人がいますし、たいていの人は無念の思いで立ち退きに同意していることも、身につまされて知っています。
また、権力も、金もない一庶民が、現実に生じたやっかいな問題を解決しようとすれば、言葉の力のみに頼るしかないことも、政府の人との論争で交わされる彼女の必死の言葉の数々に感じました。これは、チャン・イーモウ監督の「あの子を探して」でも、一介の少女でしかない小学校の臨時教師が、言葉だけを武器に、街に出て行った生徒を捜し回る物語が展開されていましたが、現代中国のおける言葉の位相ということも考えさせられた点です。
一女性の精神世界を垣間見るという点では、夢の体験についての告白もおもしろい部分で、たとえば、蛇の夢は、堕胎した胎児の魂の化身であるという観念なども語っています。
とくに印象深かったことは、いつまでも実家の夢をみていた彼女が、ようやく自分の家庭の夢をみるようになったことについて、「体よりも魂はなかなかその場所を動こうとしない」のだ、というような言葉を語っていたことでした。中国人にとって、土地と魂は不可分のものだとすれば、ようやく自分の生活している土地に魂が根を張った折に訪れた立ち退きは、やはり相当理不尽な出来事と思われたに違い有りません。
これは私の感想の一部にすぎませんが、この機会に書かせていただきました。