雲南の牛─ヤク・牛・水牛


雲南省はヤク・赤牛・乳牛・水牛とさまざまな牛がいます。

海抜3500m以上の西北部はチベット族の居住地で、バター茶を飲む習慣があり、ヤクの放牧が盛んです(写真1・2)。一般的には黒いヤクが目につきますが、白黒のまだら模様のヤクもいてます。また牛とかけあわせたゾッと呼ばれる牛もよく飼われます。濃厚なヤクバターは、チベット族の貴重な栄養源の一つです。

私想と日々─まさどん氏の観念的筆記帳

写真1.シャングリラ県のヤク


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写真2.一頭半写っていてヤク二頭。

雲南省の南部は、海抜が低く、メコン川流域の西双版納タイ族自治州では500mくらいです。タイ族やハニ族などの水稲耕作に携わる民族では水牛が飼われています(写真3)


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写真3.プーアル県ハニ族の村の水牛


年に二回、三回米がとれるので、芭蕉の葉が生い茂るのもとで、泥まみれになりながら日がな田を耕す働き者です。水牛ばかりでなく、タイ族は赤牛も飼い、肉も好んで食します。ジンサーと呼ばれる生のタタキ肉や、バナナの葉で挽き肉を蒸した肉料理はごちそうで、家を新築したときの宴会では牛を一頭つぶし、近所の人に振る舞われます。


海抜2000m前後の雲貴高原では赤牛が飼われています。中国では牛の骨相を鑑定する参考書として、『相牛図』というものがあり、農耕の労働力として田を耕すのにも大切です(1)。ピカソさながらの描線が、中国らしからぬシュールさを感じさせます。チベットあたりの絵かなとも疑ってしまうほどです。なお、雲南では他の地方が一頭立てであるのに対して、伝統的な二頭立てで鋤を牽きます。

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図1.『相牛図』の挿絵

雲南西部大理地方に居住するチベット系の民族である白(ペー)族では酪農が盛んで、乳牛を飼いチーズを造ります。

「酪扇」(ルーサン)といって、発酵させたチーズを二本の竹の間にまきつけて乾燥させます。生でも食べられますが、焼いたり、あげたりして食べます。


   (その2につづく・全3回)