古蓮池と陳妃


錦渓はかつて「陳墓」という名で呼ばれ、宋時代孝帝の愛妃陳妃がこの地で亡くなり、五保湖中に水葬されたといいます。ですから、湖には陳妃の水塚があり、それを見守るように孝帝により建てられた蓮池禅院と、五保湖と内側の古蓮池を劃然と分かつ長堤上の古蓮橋が、アーチのうえに設えられた三つの東屋を突き出した繊細なシルエットを見せ、水面に蜃気楼のように浮いています。

私想と日々─まさどん氏の観念的筆記帳

古蓮池から古蓮橋を望む

古蓮池は五保湖の水を引き込んだ水池ですが、蓮池禅院の手前となるその内側もさらに水を引き込んだ広い水湾となっていて、これを菱塘湾といいます。ここに遊覧用の木舟の舟だまりがあるのですが、折からの強風でゆらゆら所在なさげに舟も身を震わせているのでした。
 
蓮池禅院
船着き場から石畳の路が湖面を伸びており、蓮池禅院に足を伸ばすことができます。

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禅院と文昌閣を望む(二重の角屋根の塔が文昌閣)


禅院のなかには科挙の合格を司る文昌帝君を祭祀する文昌閣があり、その前の樹木には、願掛けのために枝に紅や黄色のリボンを結ぶ習慣がありました。老木の生命力に、夢の実現を託すところがじつに微笑ましい信仰です。
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願掛けの樹