錦渓は、昆山市西郊外の水郷で、五保湖の畔に開けた静かな街です。

私想と日々─まさどん氏の観念的筆記帳

市河周辺の水郷風景(1)


私想と日々─まさどん氏の観念的筆記帳

錦渓の街は、街中を一直線に貫く市河を中心に展開しています。市河の両側は下塘街と上塘の二本の街道が寄り添っており、下塘街は、いずれも立派な石造りのアーチ橋である溥済橋から普慶橋に至るまで延々と長廊が連なっており、雨風を凌ぐ穏やかな暮らしを守っています。これを廊棚といいます。

私想と日々─まさどん氏の観念的筆記帳

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廊棚(1)

私想と日々─まさどん氏の観念的筆記帳
廊棚(2)

今日は雨模様で、時折強風を伴っていましたが、町の人は廊棚の河辺側に突き出すように作られた美人靠(長椅子状態に背もたれを伸ばした休息用ベンチ)にもたれて寝ていたり、刺繍をしていたり、あるいは屋根の下で娘の髪を切ったり、自由自在に暮らしているのでした。


途中南北の市河と東西の水路が交差点にある黄公橋から東側にも長埭廊と呼ばれるこぢんまりした細長い廊棚が延びており、屋根下いっぱいに食堂の食卓と椅子が並べられています。これは対岸の梁式の中和橋から西にある錦渓街も同様に、廊棚が設えられています。総じていえば、上塘街以外のほとんどの街道は廊棚が伸びていて、街の東西南北自由に移動することができます。


また上塘街にしても、水面に面した一段である、中和橋から溥済橋の間は、三カ所ほど美人靠を設けたあずまやがあり、その内一カ所は口の字型と口の字型にベンチを二重に連ね、かなりの規模のものでした。ですから、上塘街側にも静かな休息空間が保証されているのでした。





市河周辺の水郷風景(2)