石場家にはたくさんの御札の類があります。
玄関には蘇民将来の他に、
八衢比古神
湯津岩村乃
奉斎 八衢比女神 災害乎祓給守幸給
如久塞座弖
久那斗大神
の御札が貼られています。岩木山神社から頒布されたものです。内容は祝詞の文句を記したもので、「湯津磐村能ユツイハムラノ如久塞坐弖サヤリマシテ」の祝詞が『延喜式』に収録されています。ミセから中に入ったジョイの間の梁には、建築以来一年に一本巻く年縄があり、この家が推定二百五十年ということがわかる証左となります。その上方の小屋貫に吊した馬沓があります。つまり馬用のわらじなのですが、これを屋内に吊すのは、家内安全と商売繁盛を祈願するおまじないではないかと、「石場家住宅」パンフレットは記しています。
このほか、水象女命(みなかためのみこと)という水神の御札「奉斎水象女命諸難退散日夜守護」とともに、鯛のしっぽが貼られていたのですが、これについては祭事の際に神様に鯛を捧げるところを簡略化して、簡単な祭祀ですませる際には尾を張ることで代用したのだと、店のおばあさんは恥ずかしそうに教えてくださいました。
