葬式を預告する樹(「樹哭」) カテゴリー「樹妖」(清末・李慶辰『酔茶志怪』巻二)
天津城の郭氏の庭には古樹があり、数百年の歴史があった。どこかの家に葬式があるごとに、樹はあらかじめ数日前から枝葉を揺らして、水を滴り撒くのだが、あるときは暴風雨のようであって、人はこれを「樹が哭く」と呼んでいた。
のちに他姓に持ち主が移り、これを嫌って切り倒そうとした。樹は突然雷のように吼え、三日も休まなかった。これを怖れるるとようやく止んだのである。その家の嫁が子を産んだが、頭がなかった。
うなじのなかに曲がった骨があったが、よく見ると銅製の鍵である。みなはこれがなにであるかわからなかった。四肢は挙動していたが、一晩経ってようやく死んだ、あるいは樹妖の感応ではないかと考えられる。