粥舎の鬼(粥廠鬼) カテゴリー「疫鬼」(清末・李慶辰『酔茶志怪』巻二)


丁丑の年の暮れ、飢えた難民が流れより、お上では数十の露舎を設けた、粥を施して養生させた。ときに天津城の北では疫病を患ったものが多かった。役夫の周徳なる者、除夜に病人に施す係であったが、巨大な鬼に出会う。高さ二、三丈、頭は竹籠のようで、炎のようなギラギラした目を見開いてあたりを見回している。

驚いて昏倒するところであったが、たちまち相手は消えてしまった。

次の日、役夫の周廷喜もまた夜にこのものに出会った。二人ともに大いに患い、ほとんど死にかける目に出会った。大劫大難の際には、かならず鬼神が出て来て監察することをここから知るのである。ゆえに露舎ごとに千人あまりの死者を出したのであり、大事となったのである。


解説:出現した巨人まがいの鬼は、疫病を司る鬼で、しかも監察の役割を負っていると解釈されている。つまり、天上の朝廷から派遣されてきたと考えられているようである。疫鬼は唐代以来、年の暮れに街に現れるとする信仰があり、疫鬼祓いの行事などがあった。