こんにちは。

肢体不自由と盲目の1級障害を持つ!

ハンディキャップ・エッセイスト 河和 旦(かわ ただし)です。


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本日、訪問診療がありました。


私と、同居中の母親(81歳)は2人とも通院が困難なため、内科に関しては訪問診療医に月2回来ていただいています。


今回の診察では母の薬の飲み忘れが多かったため、どうしたら飲み忘れを減らせるか?といったことを中心に先生と対応策を検討しました。


そのときに、高齢者向けの服薬支援ロボットの話題になりました。


高齢者の服薬支援のツールとして、FUKU助(ふくすけ)という服薬支援ロボットがあります。


「FUKU助」ご紹介動画はこちら


私は国際福祉機器展でFUKU助が出展されているのを見て、このような服薬支援ロボットは、視覚障害がある方の服薬にも非常に有用だと感じました。


視覚障害者にとって薬の種類や服用量を正確に把握することは非常に難しいです。


特に調剤薬は大きさや形状が似たものが多く、形を手で触れて確認するしかない重度の視覚障害者は薬の区別が困難になります。


また小さな錠剤やカプセル剤のパッケージには薬品名の点字シールを貼るスペースもありません。


このような事情から、一包化された薬を自動的に出してくれる「Fuku助」のような支援ロボットがあると、単身生活の視覚障害者も服薬介助なしで、性格に薬を飲める可能性が高くなります。


ただ、現行のFUKU助を視覚障害者に使いやすくするためには、いくつか改良が必要だと感じます。


まず、薬がセットされたトレイを開くボタンがタッチパネルになっており、重度視覚障害者はボタンを押すことができません。凸点付の物理キースイッチにして、ボタンを押し込んだとき開くようにすることが必要です。


また、手探りで薬を探してトレイから出すことを考慮すると、トレイ内に手があるのをセンサーが検知したら、その間はトレイを開けっぱなしにする、という仕様がよいと思います。薬を探している最中にトレイが閉まり、トレイ内に手を挟み込むのを防ぐためです。


さらに、本人が服薬しようとしたのに、薬を「飲み損なった」ことを知らせるボタンが付いているとなおよいと感じます。


私たちは視覚情報に頼ることができないため、薬を掴む動作が難しいのです。


そのため、床に錠剤を落としてしまったり、飲もうと思った薬が見つからなくなってしまったりすることがあります。


高齢者の「薬を飲み忘れ」とは異なり、視覚障害者は落としたりしたことに伴う「薬の飲み損ない」という事態が発生します。


結果的に、医師からの処方通りに薬が飲めなかったということが起こります。


私も実際、独居状態のときに開封後の錠剤を床に落として飲めなくなってしまったり、そもそも錠剤の置き場所がわからなくなり、計画相談員さんに「河和さん、まだ飲んでない薬がありますよ」と言われて昨晩に飲む予定だった薬がやっと飲めた、という経験をしたことがあります。


このようなことを医師や薬剤師に伝える手段が必要です。


なので、「飲み損ない」ボタンが押されたら主治医や薬剤師、訪問看護師などにアラートが飛んで、体調が優れなかったときの追加処方が確実にできる機能が付いていると安心できます。


このような、視覚障害者対応の服薬支援ロボットが開発されて、視覚障害者の服薬管理が確実にできるようになればと節に願います。


本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。